《解 説》
一 平成一二年八月二七日施行の鹿児島県大島郡伊仙町議会議員選挙(以下「本件選挙」という。)においては、第二投票所の投票管理者が公職選挙法施行令六三条三項に違反して不在者投票九七票(以下「本件九七票」という。)を投票箱に入れない違反行為があった。その票数の九七票は、本件選挙におけ...
《解 説》
一 本件は、兵庫県の住民であるX1・X2夫妻が、公文書の公開等に関する条例(昭和六一年兵庫県条例第三号。以下「本件条例」という。)に基づいて、Yに対し、X1の平成五年五月七日の分娩に関する診療報酬明細書(以下「本件文書」という。)の公開を共同で請求した(以下「本件公開請求」とい...
《解 説》
一 平成一二年六月二五日施行の衆議院議員総選挙につき選挙無効を求める多数の事件が係属し、いずれも第三小法廷により同一三年一二月一八日に上告棄却の判決が言い渡されたが、①事件はそのうち東京都第二区における小選挙区選挙についての、②事件は東京都選挙区についての比例代表選挙の無効を求...
《解 説》
一 大阪市内において料亭等を経営していたAは、金融機関からの借入れ等によって株式取引等を行っていたが、巨額の負債を負って破産するに至った。本件は、Aの破産管財人である原告が、Aの借入先の一つであった長期信用銀行である被告に対し、Aが被告に対して行った担保供与約束及び同供与につき...
《解 説》
1 Xは,平成5年1月18日,交通事故により頭部裂傷等の傷害を負ったため,同年2月17日まで,Yの設置するA病院に入院して治療を受け,また,同年6月14日から同年8月25日までA病院に入院して,腰椎椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた。
しかし,Xは,その後もヘルニアの症状が改善...
《解 説》
一 本件は、現職の東京都議会議員が、平成一三年六月二四日実施の東京都議会選挙に際して、選挙運動者三名と共謀の上、前後四四回にわたり、選挙運動者二八名に対し、被告人を当選させるための電話による投票依頼の選挙運動をしたことの報酬として、現金合計七七万二五〇〇円を供与したとして起訴さ...
《解 説》
一 本件は、被告人が、電話や電子メールを介して交際していた交際相手が他の女性と親密な関係にあるとして、同女性方マンションに三回にわたり侵入し、玄関ドアの鍵穴に接着剤を注入して使用不能にした三件の住居侵入・器物損壊の事案、同女性の夫が所有する自動車のタイヤをパンクさせた器物損壊の...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。
1 Xら(①ないし④事件原告、⑤ないし⑧事件被告)は、訴外破産者山一證券株式会社(以下「破産会社」という)に雇用されていた者である。Y1(①ないし③事件被告、⑤事件ないし⑧事件被参加人)は、破産会社及びその関連会社の従業員の親睦、扶助を...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。
Xは、平成八年一〇月二二日から同一〇年三月まで、歯科医師Yの治療を受けていた。Yは、平成八年一一月一九日、Xの上顎右三番の歯牙(以下「右上三番」といい、他の歯牙についても、以下、同様の表記をする)、同九年一月八日に同左上四番、三月五日に...
《解 説》
Xは、平成七年九月二八日、Aの所有する建物に根抵当権設定登記をなした。
Yは、平成一一年九月六日より、Aから、同建物二階部分を賃料月額四三九万〇三二〇円、管理費月額七二万円で現在まで引き続き賃借している。なお、前記賃貸借契約では、保証金(五〇〇〇万円。賃貸借契約満了及び明渡完...
《解 説》
一 訴外Aは、平成六年一〇月ころから、舌の異常を感じるようになったため、平成七年三月、Yの経営するB病院で診断を受けたところ、舌癌が頸部に移転していると診断されたため、同年七月、舌半切除・右頸部郭清等の手術(以下「本件手術」という。)を受けた。
Aは、本件手術後、B病院で術後...
《解 説》
一 Xは米国法人であって、ヒト疾患(腫瘍)に対する実験動物(マウス)に関する特許権(本件特許権)を有する。本件は、Xが、国立医科大学の行った実験において使用された実験動物(ヌードマウス)は、Xの特許発明の技術的範囲に属するものであり、右実験は、当該医科大学が、製薬会社(Y2~Y...
《解 説》
一 本件は、Y1が振り出し、Y2が裏書した約束手形(本件手形)につき、これをAから裏書交付を受けた所持人のXが、Yらに手形金の支払を求めたのに対し、Yらにおいて、Y2から白地式裏書によって本件手形の交付を受けた取引先が盗難被害に遭ったことを前提に、Y1が業界の一流企業であること...
《解 説》
一 本件事案の事実関係は、本判決の前提となる事実として摘示されているとおりであるが、要するに、全国各地を巡業していた演歌歌手のAは、その巡業の一環として、平成一〇年一一月六日、埼玉県八潮市内の居酒屋にキャンペーンのために立ち寄ったが、同店に居合わせたY1から同市内等を縄張りとす...
《解 説》
1 訴外A女(昭和9年生)は,(1)平成7年12月28日,Yの経営する「藤沢市民病院」(以下「B病院」という。)で診察を受けたところ,子宮筋腫と診断されたが,子宮全摘出手術を見送り,経過観察することにした。
Aは,(2)平成8年4月9日と,(3)同年9月11日,B病院で診察を...
《解 説》
一 Xらは、建売業者から土地付建売住宅を不動産業者の仲介により購入したが、いずれも土地が軟弱地盤であったために地盤沈下が発生し、建物に床の高低差の発生、外壁の亀裂の発生、ドアの開閉不能等の著しい不具合が生じた。そこで、Xらは、建売業者Y1と仲介した不動産業者Y2・Y3に対し、損...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、日本国内で生まれ育ち、昭和二〇年八月九日、徴用のため居住していた長崎市内で原子爆弾に被爆したが、戦後、韓国に帰国し、以後、同国内に居住していた。その後、Xは、平成六年七月に治療目的で来日した際、長崎市長から被爆者健康手帳の交付を受け、同年八月から健康管理...
《解 説》
土地又は家屋の固定資産税の課税標準は原則として基準年度に係る賦課期日における価格で土地・家屋課税台帳等に登録されたものであり(地方税法三四九条)、価格とは「適正な時価」とされている(同法三四一条五号)。他方、納税者がこの台帳登録価格に不服がある場合には固定資産審査委員会に審査の...