《解 説》
1 訴外A(昭和2年生)は,平成8年1月,不安定狭心症と診断されたため,Yの経営する「大阪労災病院」に入院して,心臓カテーテル検査及びその治療を受けることになり,3回にわたって経皮的冠動脈形成術(PTCA)を受けたが,冠動脈の血流及び心機能の改善が認められず,同年2月,急性心筋...
《解 説》
一 本件は、元帝京大学副学長であるXが、Yが発行する日刊紙(昭和六三年二月五日、平成八年三月一二日及び同月一六日付け)及び週刊誌(平成八年三月一七日号)に掲載された記事によって名誉を侵害されたとして、Yに対し、慰謝料四〇〇〇万円及び遅延損害金の支払と、名誉回復のための「判決の結...
《解 説》
一 産業廃棄物収集運搬業などをしていたXは、平成九年一〇月から平成一〇年二月にかけて、貸金業者であるYから合計一〇〇〇万円を借り受け、その支払のために、Yに対し小切手一〇枚を振り出し交付した。その際に、Xの代表者A、Z会社、Z会社の代表者B、Cの四者がXの債務につき連帯根保証し...
《解 説》
一 本件は、被告に雇用されていた原告に対し、被告の金銭を横領等したとして被告がした懲戒解雇処分が有効とされた事例である。
二 被告は、旅客鉄道事業等を営む会社であり、原告は、被告において駅輸送係として勤務し、駅や電車内などの被告施設内の遺失物の処理を業務として担当していた。被...
《解 説》
一 本件は、Xから本件農地を買受け、農地法五条の転用移転許可を条件とする条件付所有権移転仮登記を経由していたYが、二二年以上転用許可申請を行わなかったところ、Xが、Yの転用許可申請手続協力請求権が時効により消滅したと主張して、本件農地の所有権に基づく妨害排除として、Yに対し、同...
《解 説》
一 本件は、死刑判決が確定している申立人からされた再審請求事件について、請求棄却の原決定に対する即時抗告を、抗告審が棄却する決定をした事案である。本決定に至る経緯は、次のとおりである。
申立人は、①夫を殺害したという事実と、②その四年後に知人の男性を殺害してその死体を遺棄した...
《解 説》
一 本件は、保険会社であるYとの間で傷害保険契約を締結していたAが、二台の自動車に轢過されるという事故によって死亡したところ、Aの相続人であるXらが、傷害保険契約に基づき、Yに対し、保険金の支払を請求した事案である。
二 Xらは、Aは本件事故現場付近の路上を歩いていたところ、...
《解 説》
一 本件は、Aが脳腫瘍(髄芽腫)に罹患し、Y市立B病院に入院したが、同病院には、①髄芽腫の発見が遅れた過失、②2305ⅰカルボプラチンを投与した過失、2305ⅱカルボプラチンの投与量、投与期間の判断を誤った過失、2305ⅲカルボプラチンの投与という化学療法のみに終始し、放射線療...
《解 説》
一 本件は、「ベクロメタゾン17、21ジプロピオネートを含んで成るエアロゾル製剤」についての特許権(本件発明)を有するXが、Yが薬事法に基づく輸入承認を取得し、健康保険法の規定に基づく薬価基準への収載を経た上で輸入、販売を計画しているエアロゾル製剤(被告製剤)は、Xの特許権を侵...
《解 説》
一 本件は、税理士の専門家責任が問われたケースである。
Xらは、税理士Yに、相続税申告手続を委任したが、Yは、申告の際に相続財産の評価を誤り、不適切な書類を添付したため、本来納付すべき相続税よりも高額の相続税を課税された。そのため、Xらは、別の税理士Aに税務署長に対する減額更...
《解 説》
一 本件は、交通安全のための交通標語「ボク安心 ママの膝(ひざ)より チャイルドシート」(Xスローガン)を創作したXが、Yらに対し、Yらが、Xの創作に係る交通標語と実質的に同一の交通標語を作成し、交通事故防止キャンペーンのためにテレビ放映された広告においてこれを使用したとして、...
《解 説》
一 本件は、「魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ」(以下「魔術師」という。)の著者であるXが、「魔術師」第一刷から第二刷への改訂に当たって、当時Y1第二出版局第二出版部長だったY2によってXに無断で「魔術師」のうち二〇三箇所が改竄されたとして、著作者人格権(同一性保持権)の侵害を理...
《解 説》
1 Xは,平成3年6月当時,建設業を営んでいた者であるが,同月26日,交通事故に会って右大腿骨骨折等の傷害を受け,Yの経営するA病院に搬入され,同病院に入院した。
そして,Xは,同年7月3日,A病院において,右大腿骨骨折について,骨折部を切開し,大腿骨の骨髄内にキュンチャー髄...
《解 説》
一 本件は、鼻腔ないし副鼻腔原発の横紋筋肉腫と診断された患者Aが、約一か月半にわたって、合計三〇回にわたる放射線治療を受けたのちに、脳幹部に病変が発生して死亡したことについて、Aの相続人である原告らが、脳幹部の病変は不適切な放射線の照射によるものであるとして、被告病院に対し、診...
《解 説》
一 Xは、A証券会社との間で、債券現先取引契約を締結し、財テクを行ってきた。債券現先取引契約とは、債券等を一定期間後に一定の価格で売り戻す(売り現先)又は買い戻す(買い現先)ことを予め約束して売買するものである。具体的には、スタート取引受渡日にXがAから債券等を購入し、エンド取...
《解 説》
一 Xはテナントの入居しているビルを競落し、賃貸人の地位を承継した。Xは、テナントであるY(焼肉レストラン経営)に対して、Yが賃貸借契約の当初に保証金名目で前賃貸人に支払った金員(五五〇〇万円)の返還債務のないことの確認、賃料等の確認を求めた。
争点は、実体的には、①保証金返...