《解 説》
一 本件は、医療の最先端にある市立大学医学部附属病院において患者を取り違えて手術したという初歩的なミスであるが、多数の医療従事者が関与しながら誰も気づかなかったという点で、国民にも医療界にも大きな衝撃をもたらした事件である。
事案は、第一外科に入院中の患者二名を病棟看護婦が一...
《解 説》
一 本件は、その所有する不動産等につき根抵当権に基づく不動産競売手続を進められていた被告人が、特別売却手続において買受人は現れないと予想していたところ予期に反して買受人が現れたため、債権者との交渉の時間稼ぎをするために、契約書を改ざんして執行裁判所に提出するなどして、売却許否の...
《解 説》
一 事案の概要
生活保護法一条及び二条は、生活に困窮する国民に対して同法による保護を行う旨を規定している。本件は、同法が不法残留者(出入国管理及び難民認定法二四条四号ロにいう「在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に残留する者」に当たり、退去強制の対象となる...
《解 説》
一 本件は、航空会社の客室乗務員(控訴人・スチュワーデス)に生じた慢性的な腰痛及び頚肩腕障害(頚肩腕症候群)が業務により発症したものか否かを中心として、これを業務外とした療養補償給付等不支給処分の適否が争われた事案である。
控訴人は、二〇歳で航空会社に採用され、それまでは健康...
《解 説》
1 訴外Aは,昭和62年に肺がんで手術を受けたことがあったが,平成7年7月からは,Y1が経営する「医療センター」に通院し,同センターにおいて,主治医のY2から治療を受けることになった。
しかし,Aは,咳が続き,動悸,倦怠感が続くなど病状が改善しないため,平成9年10月,医療セ...
《解 説》
一 X1は、平成元年三月、大学を卒業し、自動車会社等に勤務していたが、平成六年一二月、躁うつ病と診断され、精神療法を受けていた。
X1は、平成七年二月、Yの管理運営する「△病院」に医療保護入院し、担当医師により鎮静のための薬剤の投与を受けたところ、呼吸停止になるなど容体が急変...
《解 説》
一 Xは株式・投資信託の委託取引を行っていたY証券会社の担当者甲からA銀行の株の買付けを勧められたことがあったが、これを断った。ところが、A銀行株二万株の取引報告書(第一取引)が送付されたので、驚き、甲に「無断取引である」と抗議の電話をした。しかし、抗議した当日にも、甲はXの計...
《解 説》
一Xの両親は、Yとその代理人の弁護士Zを相手として、昭和四一年以降平成九年三月に至るまでの間、X家とY家の墓地を巡る紛争について、YがZを訴訟代理人として、仮処分の申請、民事訴訟の提起をしたこと及び墓地の紛争に伴う行為を、いずれも不法行為を構成するとして、慰謝料等の損害賠償を求...
《解 説》
本件は、「泰道」と称する団体が、「手かざし」によって「生命の作用」を使えば病気が治癒すると唱えて宣伝活動を行い、会員を募ったことにつき、「泰道」の元会員とその遺族(元会員数二五名)が、「泰道」を構成する会社八社と一宗教法人(以下「法人被告ら」という)、及び「泰道」や法人被告らの...
《解 説》
一 本件は、育成型電子ペット玩具である「ファービー」の模倣品を被告人らが販売したことが著作権法違反に当たるとして公判請求された事件である。
本件公訴事実の要旨は、「被告人A1は、被告人会社A2の常務取締役として、商品の販売等の業務全般を統括する立場にあった者であるが、商品名『...
《解 説》
1 訴外Aは,昭和20年代,肺結核症に罹患し,昭和37年4月から昭和40年11月まで,国立B病院に入院し,化学療法を受け,以後,年に1回,B病院で検診を受けた。
Aは,平成6年9月,咳,痰,余熱等の症状がみられたため,B病院で診察を受けたところ,左胸壁外瘻を有する膿胸の疑いが...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。貸金業者であるX(原告・控訴人)は、借主であるY(被告・被控訴人)に対し、平成一一年三月二九日、五〇万円を貸し付けたところ、未だ残元本三六万一七六二円の返還がないとして、前記残元本及びこれに対する約定の年三〇パーセントの割合による遅延損害金...
《解 説》
一 本件は、大学医学部の解剖学担当の元教授であるXが、後任の教授であるYは、Xの執筆した解剖実習の基本書である「解剖実習の手引き」(本件書籍)の内容を模倣した「解剖学実習」製本テキスト等(被告文書)を発行して学生に頒布して、本件書籍に関してXが有する著作権及び著作者人格権を侵害...
《解 説》
一 事案の概要及び本判決の内容は、判示事項との関係では以下のとおりである。
貨物船W号は、愛媛県沖の海峡において、貨物船S号と衝突して沈没し、W号の韓国籍乗船員Aら七名は、行方不明となって失踪宣告を受けた。W号は、ホンジュラス共和国において設立されたY会社が所有する同国籍の船...
《解 説》
一 本件は、いわゆる薬害エイズ刑事事件のうち元厚生省薬務局生物製剤課長に対する業務上過失致死被告事件の判決である。薬害エイズ刑事事件では、本判決に先立ち、既に元ミドリ十字社長らに対する大阪地判平12・2・24本誌一〇四二号九四頁(ミドリ十字事件)及び元帝京大学副学長に対する東...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
X(昭和一六年生まれの女性)は、平成九年五月、他院から指摘された左眼球後腫瘍の確定診断を受けるべく、Y(国)経営に係る国立大阪病院(被告病院)脳神経外科に入院し、同月九日にA医師らからの説明を受けて当該腫瘍の種類を確定するための腫瘍組...