《解 説》
一 建築基準法九一条は、建築物の敷地が用途地域の内外にわたる場合においては、その建築物又はその敷地の全部について敷地の過半の属する地域に関する同法の規定及び同法に基づく命令の規定を適用するものと定めている(いわゆる用途過半制度)。Yらは、第一種低層住居専用地域と近隣商業地域とに...
《解 説》
本件は、信販会社と加盟店契約を結んで中古車販売業を営んでいた者が、いわゆる買取屋から紹介された多重債務者にオートローン契約を結ばせて、中古車販売代金名下に金銭を信販会社から引き出す一方で、販売した中古車を上記買取屋を通じて買い戻していたところ、信販会社から加盟店契約上の責任を追...
《解 説》
一 本件は、債権者が債務者に対し、貸金連帯保証債務履行請求権を被保全権利として給料(退職の場合は退職金)債権の仮差押えを申し立てた事案である。
二 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について強制執行をすることができなくなるおそれ又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるお...
《解 説》
一 本件事案の背景
奈良県は、いわゆる官々接待に対して全国的に広まった厳しい世論の批判を受け、平成九年六月に「食糧費調査委員会」を設置し、官々接待に限ることなく、奈良県東京事務所の平成六年度から平成八年度までの食糧費の執行状況を調査し、不適法とされた支出約二億円余りを財団法人...
《解 説》
一 本件は、Yが、福島県田村郡小野町に、焼却残灰、ばいじん、不燃物残渣を埋立て処分する一般廃棄物最終処分場(以下「本件処分場」という。)を設置して操業していたところ、本件処分場の周辺に居住するXらが、本件処分場内に搬入される廃棄物に含まれる有害物質が本件処分場外に流出してXらが...
《解 説》
本件は、損害保険会社Y社を普通解雇されたXらが、Xらには解雇事由がなく、さらには、解雇権の濫用に該当するから無効であるなどとして、Y社に対し従業員の地位の保全及び解雇後の賃金の仮払いを求めた事案である。
Xらは、いずれも大学卒業後間もなくY社に正規従業員として入社して二〇年以...
《解 説》
一 本件は、旧刑事訴訟法(大正一一年法律第七五号、以下「旧法」という。)の適用されていた昭和二〇年に恐喝、殺人未遂、殺人の各罪を犯したとの理由で逮捕勾留された被告人が、予審の請求をされた後に勾留場所の名古屋拘置所から逃走し、以後被告人の所在不明のため長期間審理を行うことができず...
《解 説》
一 A(昭和六三年一月二八日生まれ、当時一一歳の女子)は、平成一一年九月一六日午前八時一八分ころ、信号機による交通整理が行われていない交差点を横断しようとしたところ、走行してきたY1(被告・控訴人)が保有し、Y2(被告・控訴人)が運転する普通貨物自動車にはねられて死亡した。本件...
《解 説》
一 本件は、被控訴人の北九州市内の事業所に勤務していた控訴人A及びB(以下「控訴人両名」という)の両名が、被控訴人の控訴人両名に対する千葉県富津市内の事業所に勤務することを命じる旨の転勤命令は、労働契約に違反し、または、権利の濫用として無効であると主張して、被控訴人に対し、同転...
《解 説》
一 本件は、被告人が光徳寺から盗み出された棟方志功の版画、掛軸などをその窃盗犯の一人から受け取っていたが、当時、これが盗品であることを知らず、貸付金の担保として預かったにすぎないと知情性を争った贓物故買の事案である。被告人は捜査段階から一貫して知情性を争っており、窃盗犯らは被告...
《解 説》
一 本件は、自分たちの子供である六歳の児童に対し、躾と称して日常的に厳しい折檻を加えていた被告人両名が、盗み食いをした同児に腹を立て、折檻を加えて死亡させ、さらにその死体を山中に遺棄した事件である。判決文によると、その概要は以下のとおりである。
X男は、長女A子と長男B男の二...
《解 説》
一 本件は、原告がその所有する建物を目的として保険会社である被告との間で火災保険契約を締結したところ、右建物が火災により全焼したことから、被告に対し、右保険契約に基づき保険金の請求をしたのに対し、被告が、本件火災は原告又はその関係者が関与しており、本件火災について原告に故意又は...