《解 説》
一 Xは、平成一一年当時、地方公務員であったところ、同年一一月破産宣告を受けたため退職したが、退職金については、その四分の一が破産財団に組み入れられ、その四分の三は破産財団から放棄され自由財産とされた。
しかし、退職金支払機関は、退職金支払の際、XのYに対する借入債務五七四万...
《解 説》
1 本件は、高等学校の体育の授業中、マット運動の練習をしていた高校生が怪我を負ったことについて、担当教諭に指導監督上の注意義務があるとして、国家賠償法に基づき損害賠償が請求された事案である。判旨は、担当教諭に指導監督上の注意義務違反を認めた上、当時一六歳であった高校生にも過失が...
《解 説》
一 Y2は被告中学校を設置する学校法人であるが、平成一一年当時、XとY1が被告中学校の第一学年の同クラスに在籍していた。
Xは、平成一一年七月ころ、昼休みの時間に学校内でY1から石を投げつけられる、肩を蹴られるという暴行を受け、また、その被害事実を担任教諭らに告げたところ、担...
《解 説》
一 本件は、他人のコンピュータ・ソフトウェアに含まれているデータベースを複製し、これを販売した事例であり、当該データベースの著作物性及びこのような複製・販売が不法行為に当たるか等が問題となったものである。
二 Xは、コンピュータ・ソフトウェアである自動車整備業用システムを製造...
《解 説》
一 事案の概要
本件事案の概要は次のとおりである。Xらは、ブラジル連邦共和国法人である訴外A社らに対し、家電製品を売った。Xらは、Yに対し、前記家電製品をブラジル連邦共和国のマナウス港(以下「マナウス」という)まで輸送することを内容とする海上運送委託契約を締結した。Yは、前記...
《解 説》
一 事案の概要
A信用組合は、マンション用地の開発業務等を行っていたB及びその関連会社五社に対し、平成元年ころから多額の貸付を継続的に行っていたが、その後、B及びその関連会社五社が、バブル崩壊や土地価格の下落の影響で事実上返済不能となり、A信用組合は、右貸金のうち大部分につ...
《解 説》
負債総額約二四億円の商社が民事再生を申し立てたことから、同社に対して売掛債権を有していた別の商社が、動産売買の先取特権に基づく物上代位権行使のため、同再生債務者の有する第三債務者への売掛金を差押えた。差押命令が送達されるや、再生債務者から、民事再生法第三一条に基づく、担保権実行...
《解 説》
一 本件は、福岡県(以下「県」という)の住民である控訴人らが、主要地方道局部整備測量委託事業に係る測量委託工事(以下「本件測量工事」という)に関して違法な財務会計上の行為が行われ、県が損害を被ったとして、地方自治法(以下「法」という)二四二条の二第一項四号前段に基づき、県に代位...
《解 説》
一 本件は、報道機関であるY1が、大阪府泉南郡○○町で二代続けて町長が汚職事件により辞職し、町長の出直し選挙が告示された当日に、同出直し選挙に関するテレビ報道の中で、前々町長であるXの収賄罪前科を実名及び映像を放映する等の方法により報道したことが、Xのプライバシー権の侵害になる...
《解 説》
一 Xは、指定商品を第九類として「TECMO WORLD SOCCER」の欧文字及び「テクモワールドサッカー」の片仮名文字を上下二段に横書きして成る、登録第三三六七一五一号商標(いずれも平成六年一二月二一日出願、平成九年一二月一九日設定登録)(本件商標)の商標権者である。
Y...
《解 説》
一 X有限会社はYが経営するA株式会社に対し、平成三年三月ころから、ダイヤモンドの委託販売を継続的に行っていた。XはAに対し、平成一〇年四月から七月にかけて三九個のダイヤモンドを委託販売として引き渡したが、Aは、そのほとんどの代金を支払うことなく、平成一一年二月に破産宣告を受け...
《解 説》
本件は、ゴルフ場の預託金の返還請求事件である。控訴人(原告)は、平成元年六月、被控訴人(被告)が米国ハワイ州マウイ島に開場予定の本件ゴルフ場に入会する旨の会員契約を締結し、平成二年九月二一日までに被控訴人に預託金五〇〇万円を支払った。その後、被控訴人は、控訴人に、当初の会員契約...
《解 説》
一 本件訴訟の経過
1 本件は、A市が、A市と韓国釜山市との間の高速船海上輸送等を事業目的とする会社として官民共同出資で設立された第三セクターである本件会社に対し、その運航休止後の債務整理(傭船契約の合意解除の清算解決金四億六五〇〇万円及び金融機関からの借入金三億八〇〇〇万円...
《解 説》
一 本件は、京都府に事務所を有する法人格のない社団であるXが、京都府情報公開条例(昭和六三年京都府条例第一七号。本件条例)に基づき、本件条例の実施機関である京都府知事に対し、平成元年度知事交際費の使途明細についての公文書の公開を請求したところ、同知事は、交際費に係る資金前渡金受...
《解 説》
一 Xら四名は、いずれも中華人民共和国籍を有する女性であり、第二次世界大戦中、日本の軍人らにより拉致され、監禁されて継続的に暴行され、性奴隷状態に置かれたため、精神的苦痛を被ったと主張する者である。
(1) Xらは、まず、日本国Yに対し、各自二三〇〇万円の慰謝料と謝罪広告の...