《解 説》
一 原告は、かねてから被告において株式等の取引を行っており、平成一一年九月から同一二年三月の間に、五回ヤフー株式会社の株式を買い付け、短期間で売却していたが、同年四月三日、ヤフーの決算発表があるとの報道を聞き、同社の株式が決算発表後に値上がりする傾向があると考え、被告の担当外務...
《解 説》
一 本件の概要
本件は、江沢民講演会名簿提出事件といわれるプライバシー侵害による不法行為の成否が争点となった訴訟である。
Y大学は、平成一〇年一一月二八日に江沢民中華人民共和国主席の講演会を企画し、学生から参加者を募った。Y大学の学生であるXらは、講演会に参加するため、参加...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A(昭和二五年生まれの男性)は、昭和四四年にB会社に雇用され、平成元年以降、同社大阪サービスセンターにおいて所長に次ぐ地位にある技師として、大型コンピューター納入先からの電話応対、保守要員の派遣・指示、部品手配、保守要員が作成した保守...
《解 説》
一 本件は、被告人が、A、Bらと共謀し、Aの知人らの住居に火災保険を掛け、放火して火災保険金を騙取するなどしたほか、口封じのため、Aと共謀して、Bを殺害し、死体を遺棄したという事案である。被告人は、捜査段階では殺害事件への関与を認めたものの、その余の事件への関与を否定し、起訴さ...
抵当権に基づく不動産競売において抵当権の不存在又は消滅を売却許可決定に対する執行抗告の理由とすることの可否(消極)
《解 説》
一 本件の抗告人は、抵当権の実行としての競売の目的不動産の所有者(物上保証人)であり、売却許可決定に対して、当該抵当権は長男の無権代理行為によって設定されたものであるから存在しないとして、執行抗告をした。原審は、担保権実行としての不動産競売においては、担保権の不存在を理由として...
《解 説》
本件は、A及びBに対する保証債務履行請求権を有していたXが、Aらに代位して、Aらと生命保険契約を締結していたYに対して、生命保険契約の解約権を行使し、解約返戻金の支払を求めた事案である。Yは、①Aらは無資力ではない、②Aらが加入していた生命保険契約は、遺族の生活保障機能を重視す...
《解 説》
一 本件の事実関係は以下のようなものである。
控訴人Y1は亡Aの妻であり、控訴人Y2はY1と亡Aの子供である。亡Aは亡Bとその夫の実子同然に育てられてきた。
亡Aは亡Bの実子ではないが、亡B夫妻によって実子同然に育てられ、昭和二六年に本件建物が建築された以後も一時を除いて亡...
《解 説》
一 本件は、Y1の経営するA研究所において心房中隔欠損症の手術を受けたX(当時四歳)およびその両親が、術中の執刀医Y2の過失によりXに脳障害が発生するに至ったとして、Y2およびその使用者であるY1に対し、債務不履行または不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。
二 Xは...
《解 説》
一 酩酊したAは、深夜、自動車を運転中に交通事故を起こし、午前二時頃救急車でYが経営する病院(Y病院)に搬送されて医師の診療を受けたが、診療の続行を拒否して午前五時頃に自ら病院を去った。その後、Aは、スポーツ飲料を飲んだ途端に倒れて、午前五時四五分頃再びY病院に搬送されたが、搬...
《解 説》
一 本件は、「発熱組成物収納用袋の袋材」の特許発明の特許権(発明者は、原告社員Aとされている。)を有する原告が、被告に対し、被告の製造、販売する使い捨てカイロの収納用袋の袋材は同特許発明の技術的範囲に属すると主張して、その差止め等と損害賠償を請求した事案である。
被告は、被告...
《解 説》
一 本件は、「名古屋市議会の議員の定数及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例」に基づく定数配分規定の下で、平成一二年七月三〇日施行の中区選挙区の補欠選挙について、定数配分規定が公職選挙法一五条八項に違反しており、選挙は無効であるとして、中区選挙区の選挙人らが提起した...
《解 説》
一 本件は、被告人が、交際相手の男性が以前交際していた女性(被害者)にまだ思いを寄せているものと思い込み、平成八年一一月ころから約三年半にわたり、被害者の居住先やその実家に、合計一万回以上、無言電話や被害者を中傷するなどの嫌がらせ電話をかけ続けて、被害者に外傷後ストレス障害(以...
《解 説》
本件は、X(原告・被控訴人)が訴外会社との間で、平成七年三月から平成一一年五月まで四〇回近くにわたり、手形貸付の方法により額面金額から利息制限法所定の制限超過利息額等を控除した金額を手渡しして貸し付け、支払期日に手形を当座決済する方法により額面金額の返済を受けていたところ、最後...
《解 説》
一 はじめに
最高裁第二小法廷は、本年四月二十日に傷害保険契約における偶発性(偶然性)の主張立証責任が争点とされた事件について二件の判決(本件と平成一二年(受)第四五八号)を言い渡した。本件は、そのうちの一件であり、生命保険契約の災害割増特約に関するものである。
二 事案の...