《解 説》
一 本件は、X1、X2男女が、Y女に対し、三人で同棲していた間の生活費の分担合意に基づく負担分の支払と、X1がYの暴行により傷害を負ったことによる損害の賠償を求めた事案である。原判決は、三人の間での生活費の分担についての合意は努力目標を定めたにすぎないので法的な支払義務はなく、...
《解 説》
一 本件は、漁業協同組合が漁業権設定海域でダイビングをするダイバーから徴収する潜水料が不当利得になるかどうかが争われた事件であって、先に本誌九二五号二六四頁で紹介した控訴審判決の破棄差戻し後の控訴審判決である。
二 事案の内容と訴訟の経過は以下のとおりである。
Yは、昭和二...
《解 説》
一 被控訴人は、薬剤自動分包機を製造、販売し、右分包機に適合する薬剤分包機用紙管(芯管ともいう。)に薬剤分包用紙(分包紙ともいう。)をロール状に巻き付けて、同機械の購入者病院、薬局等に販売しているが、右芯管に関する意匠権(存続期間昭和五九年二月二九日から平成一一年二月二八日)の...
《解 説》
一 甲は、昭和五七年八月、Y保険会社との間で、自らを被保険者、死亡保険金受取人を父乙とし、支払保険金一〇〇〇万円とする生命保険契約を締結した。
ところが、乙は、昭和五八年一月に死亡し、その相続人である甲も死亡したが、甲には相続人が存在しないため、乙の兄弟姉妹又はその子、孫であ...
《解 説》
一 家畜改良増殖法二九条は、「家畜人工授精所の開設者は、その家畜人工授精所において家畜人工授精用精液の提供を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒否してはならない。」としている。
原告は被告兵庫県の開設する家畜人工授精所で家畜人工授精用精液の提供(売り渡し)を求めた...
《解 説》
この事件は、商品取引の会社が顧客に対して取引の清算金の支払いを求めた本訴に対して、担当者の断定的判断の提供、無断売買、無意味な反復売買、必要のない両建を行うなどの不法行為があったとして、顧客が会社に対して、損害賠償の反訴請求をした事件である。
一審判決は、顧客の供述をほぼ全面...
《解 説》
一 平成九年四月三日午後九時ころ、大韓民国南岸の巨済島南方約一〇キロメートルの海上において、同国籍のタンカー「オーソン№3号」(以下「オーソン号」という)が座礁し沈没した(以下「本件事故」という)。本件事故により、タンカーの積み荷であったC重油推定約一八六キロリットルが流出し、...
《解 説》
一 第二次世界大戦当時、フィリピンに進駐してきた日本国の軍隊の兵士らから暴行、監禁、強姦等を受けて著しい精神的苦痛を被ったとして、フィリピンの女性ら(Xら)が、日本国(国)に対し、一人につき二〇〇〇万円の損害賠償を請求した事案である。
Xらは、原審において、加害行為自体の違法...
《解 説》
一 ドメイン名とは、インターネット上において特定のホームページ等に到達するためにコンピューターに入力する記号であり、末尾が「jp」(日本を示す。)のドメイン名については、社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)がその割当てを管理している。
Yは、簡易組...
《解 説》
一 Xは、警備、車両運行管理等を業とする会社であるが、競業会社であるYはXを退社した従業員を通じて不正に取得した営業秘密を用いて営業活動をしていると主張して、Yに対し、不正競争防止法二条一項四号に基づき、当該情報を用いた営業活動の差止めを求めた。
Xが「営業秘密」として保護を...
《解 説》
本件は、X名義でY(信用金庫)に寄託されていた本件定期預金について、Xの妻Aが、Yの訴外会社(Aが役員をし、経理責任者として勤務していた。)に対する融資の根担保として差し入れていたところ、訴外会社が融資の返済をしないまま倒産したため、Yが本件定期預金について融資金と相殺処理する...
《解 説》
本件は、X(申述人、抗告人)が、その父(被相続人)が死亡したが、同人が生前にその債務(本件債務を含む。)を含む遺産のすべて(ただし、本件マンション敷地の一部持分を脱落させていた。)を長男A(Xの兄)に相続させる旨の公正証書遺言(本件遺言)をしていたため、自ら相続する積極・消極財...
《解 説》
一 Xは、歯間の隙間等の外貌の審美的改善の目的でYの開設する歯科医院に来院したが、治療中に顎関節症を発症し、スプリント装着等の治療を受けた後、健全な自然歯について抜髄し、歯冠のかなりの部分を削り取った上、自然歯の上に咬合的にも審美的にも理想的な人工の歯冠修復物を被せることにより...
《解 説》
一 被告はエンジンキーをつけたまま、錠をかけないで自動車を路上に駐車させたところ、泥棒がこれを運転して物損事故を起こした。この損害を補償した損害保険会社が被告に訴訟を提起した。
二 一審大阪簡裁は、被告の駐車行為と事故との因果関係を認め、請求を認容した。二審大阪地裁は、駐車に...
《解 説》
一 XはY証券会社との間で株式や投資信託の委託取引を行っており、Yの担当者甲からA銀行の株の買付けを勧められたことがあったが、これを断った。ところが、送付された取引報告書によりA銀行株二万株を買い付けたことになっていること(第一取引)を知り、甲に無断取引であるとして抗議の電話を...
《解 説》
一 本件は、「インターネットの時限利用課金システム」という名称の発明(以下「本件発明」という。)について特許権を有するXが、プリペイド型電子マネーを利用するインターネット少額決済システム(①事件)及びダイアルアップ方式によるインターネット接続サービス事業(②事件)といった、イン...
《解 説》
一 本件は、被告人が同僚のホステスを殺害し、現金や家財道具などを奪ったといういわゆる松山ホステス殺人事件の控訴審判決である。
二 原審では被告人に強盗殺人の故意があったかが争点となったが、原判決はこれを認めて、被告人を無期懲役刑に処した。これに対し、被告人が控訴し、控訴審では...