《解 説》
一 Aは、Y病院にて肺出血による呼吸不全により死亡した。Aの夫亡B及び両者の子Xは、Y病院の主治医から死体解剖保存法に基づくAの遺体の解剖と内臓及び脳の保存について承諾を求められ、これに応じた。そこで、Y病院病理学教室において、Aの遺体の解剖が行われた。その際、Aの内臓及び脳の...
《解 説》
一 松江市は、昭和四九年三月、松江圏都市計画事業北部土地区画整理事業の計画を立て、昭和五二年一二月、X所有の本件従前の土地(以下「本件土地」という。)について仮換地を指定した。
Xは、昭和六三年一二月、本件土地を訴外A会社に対し、代金七九九〇万円で売却したところ、Aは、平成元...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件の原告は、名古屋市南部等の地域(本件地域)に居住、勤務し、公健法又は名古屋市条例により気管支喘息、肺気腫等の指定疾病の認定を受けた者又はその相続人であり、被告は、本件地域に工場、事業所(本件各工場)を有する被告会社一〇社及び本件地域内を走行する国道一号...
《解 説》
一 本件は、東大阪市の職員であった被告人が、東大阪市長の政治団体の会計責任者らと共謀の上、大阪府選挙管理委員会に提出すべき右政治団体の収支報告書に虚偽の収入金額を記載したという事案であり、被告人は、右所為が平成六年法律第四号による改正前の政治資金規正法二五条一項が定める収支報告...
《解 説》
一 本件は、共同保証人間における求償の可否が争点になった事案である。
A会社は、B会社に対し、合計約一三七億円の借受債務及び請負代金債務を負い、Aの共同代表取締役であったX及びYは、AのBに対するこれらの債務について連帯保証をしていた。Xは、この連帯保証債務の履行として、Bに...
《解 説》
一 山口県においては、県議会の各会派に県政調査交付金(地方自治法一〇〇条の「政務調査費」に該当するものと解される)を交付している。山口県情報公開条例(本件条例)二条は、知事、教育委員会等の実施機関(県議会は含まれていない)の職員が職務上作成し、又は取得した文書等で、決裁又は供覧...
《解 説》
一 事案の概要
控訴人らの被相続人である甲は、被控訴会社の設立当時からの取締役で、被控訴会社が保険会社との間で、甲を被保険者、被控訴会社を保険金受取人とする生命保険契約(法人の役員及び幹部職員を対象とした経営者保険で、普通傷害保険契約が付されていた)を締結する際に、自己を被保...
《解 説》
一 Xは、画像処理システムの企画、設計、開発等を業とする会社であり、Yは、コンピュータ・事務用機器及びソフト等の販売をする会社である。Xはコンピュータグラフィックス用ボード等のA会社(カナダの法人)と取引があったが、A社の商品を日本で販売するため、Yとコンピュータグラフィックス...
《解 説》
一 事案の概要―公立小学校に入学した児童が、その入学当初以降、同じクラスの児童らからいじめを受けたとして、その児童がいじめをしたとされる児童の親ら及び公立小学校を運営する自治体を相手方として、親(親権者)らに対しては監督義務違反を理由に、自治体に対しては教育的配慮義務(安全配慮...
《解 説》
一 訴外Aは、高名な画家である訴外Bが所有していた本件土地につき、Bの登記申請委任状や世田谷区長の作成名義のBの印鑑登録証明書を偽造し、それら偽造書類を使用して、平成八年三月、BからAへの贈与を原因とする所有権移転登記を経由した。その後の同年四月、売買を原因として訴外Cに所有権...
《解 説》
一 本件は、X1、X2男女が、Y女に対し、三人で同棲していた間の生活費の分担合意に基づく負担分の支払と、X1がYの暴行により傷害を負ったことによる損害の賠償を求めた事案である。原判決は、三人の間での生活費の分担についての合意は努力目標を定めたにすぎないので法的な支払義務はなく、...
《解 説》
一 本件は、漁業協同組合が漁業権設定海域でダイビングをするダイバーから徴収する潜水料が不当利得になるかどうかが争われた事件であって、先に本誌九二五号二六四頁で紹介した控訴審判決の破棄差戻し後の控訴審判決である。
二 事案の内容と訴訟の経過は以下のとおりである。
Yは、昭和二...
《解 説》
一 被控訴人は、薬剤自動分包機を製造、販売し、右分包機に適合する薬剤分包機用紙管(芯管ともいう。)に薬剤分包用紙(分包紙ともいう。)をロール状に巻き付けて、同機械の購入者病院、薬局等に販売しているが、右芯管に関する意匠権(存続期間昭和五九年二月二九日から平成一一年二月二八日)の...
《解 説》
一 甲は、昭和五七年八月、Y保険会社との間で、自らを被保険者、死亡保険金受取人を父乙とし、支払保険金一〇〇〇万円とする生命保険契約を締結した。
ところが、乙は、昭和五八年一月に死亡し、その相続人である甲も死亡したが、甲には相続人が存在しないため、乙の兄弟姉妹又はその子、孫であ...
《解 説》
一 家畜改良増殖法二九条は、「家畜人工授精所の開設者は、その家畜人工授精所において家畜人工授精用精液の提供を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒否してはならない。」としている。
原告は被告兵庫県の開設する家畜人工授精所で家畜人工授精用精液の提供(売り渡し)を求めた...
《解 説》
この事件は、商品取引の会社が顧客に対して取引の清算金の支払いを求めた本訴に対して、担当者の断定的判断の提供、無断売買、無意味な反復売買、必要のない両建を行うなどの不法行為があったとして、顧客が会社に対して、損害賠償の反訴請求をした事件である。
一審判決は、顧客の供述をほぼ全面...