《解 説》
一 本件は、特許権に基づく侵害差止請求事件であり、その概要は以下のとおりである。すなわち、「連続壁体の造成工法」に関する特許権(本件特許権)を有しているX(原告)が、Y(被告)が、ビルの新築工事を請け負い、Z(補助参加人)が実施した基礎工事に関連する被告工法が本件特許権を侵害す...
《解 説》
一 事案の概要
1 原告は、平成一〇年一月一七日(土曜日)、世田谷区用賀のマンション建設現場において、電動カッター「ベビーサンダー」により鉄筋を切る作業に従事中、跳ね返って飛んできたカッターが顔面に当たり、その刃により、鼻根部裂傷の傷害を負った(以下「本件事故」という。)。
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《解 説》
本件は、錯誤無効を理由に、残土による埋め立てのための土地使用契約で交付された代金の返還を求める不当利得返還請求権の消滅時効が、これに先行する債務不履行解除を理由とする原状回復請求としての代金返還請求訴訟の審理によっても中断されていないとされた事例である。
事実関係は、次のとお...
《解 説》
一 Xらは、「プロスタカス」という名称の前立腺肥大症患者のための医療用機械器具の輸入販売を行っている会社であるところ(X1の子会社がX2である)、その従業員であったY2らが、Xらの保有管理する顧客名簿等の情報を社外に持ち出し、自らが設立した同種の事業を目的とする会社であるY1に...
《解 説》
一 本件は、建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)六二条所定のマンションの建替え決議の効力が争われた事案であり、事案の概要は、以下のとおりである。
本件マンションは、昭和四二年ころに竣工した一二棟のマンションであり、団地を構成している。本件団地では、昭和六一年に行...
《解 説》
一 京成電鉄は、平成元年から同三年にかけて伊豆熱川の土地をリゾート開発を目的として購入したが、現在に至るまで開発がなされておらず、その時価は大幅に下落している状態にある。同社の株主である原告は、右土地の購入について社内での十分な協議、検討もなく被告が実質的に独断専行し、さらに十...
《解 説》
原告は、「土地の売買、建物の売買」を指定役務とする登録商標(ヴィラージュ商標と、楕円の中に「Village」の語を配した商標)の商標権者であるが、登録商標と類似する被告標章(「ヴィラージュ白山」及び「VILLAGE」の標章)をその名称に使用してマンションを分譲販売した被告に対し...
《解 説》
一 本件は、グラフィックデザイナーであるXが、大手出版社Yに対して、Xの創作に係る図画について、Yが無断でその一部を切り離して複製し、新たに発行する文庫シリーズのシンボルマークとして、文庫の表紙や新聞雑誌広告、電車中吊り広告等に使用したと主張して、著作権(複製権)侵害を理由とす...
《解 説》
一 本件は、広告やカタログの写真、ロゴなどのデザインを制作する会社であるXが、著作物であるロゴを制作してYに有償で使用させたと主張して、Yに対し、同ロゴの著作物使用料の支払を求めた事案である。
本件では、①Xが制作したロゴが著作物といえるか、②XY間で締結された和解契約により...
《解 説》
一 本件事案の概要は、衆議院議員であった被告人が、①当選した平成八年一〇月二〇日施行の衆議院議員総選挙(比例区)において、自己の選挙運動者らに選挙運動報酬、投票報酬等として合計二〇〇〇万円を交付したなどの公職選挙法違反、②防衛政務次官在任中、富士重工の専務らから海上自衛隊救難飛...
《解 説》
一 本件は、平成四年一一月二三日に愛媛県で開催された「死刑廃止国際条約の批准を求める四国フォーラム'92」に携わったXらが、自らが実施した死刑存廃の意見を問う街頭アンケート(本件アンケート)の結果によれば、「死刑が不要」が「死刑が必要」を上回っていたにもかかわらず、Y1がその著...
《解 説》
一 事案の概要
Xは電気製品の製造、販売を目的とし、資本金四七七五万円、従業員二〇〇名弱を擁する株式会社であり、Yは大手証券会社である。
Xは、平成二年一月一三日から平成五年三月二五日までの間に、Y京都支店を通じて、株式の現物取引、同信用取引、転換社債取引、投資信託取引、ワ...
《解 説》
本件は、債権者が、債務者に対する平成七年七月一一日付け八億五〇〇〇万円の金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求権の内金一億円を被保全権利として、マンション三棟及びその敷地の強制管理を予定した仮差押えを申し立てた事案である。
事案の内容は、本決定理由の要旨二項及び三項に記載された...
《解 説》
一1 デール・カーネギー(一九五五年(昭和三〇年)死亡)は、アメリカ合衆国国民の文筆家・講演家であるが、一九三六年(昭和一一年)、本件第一著作物(なお、以下、略語の使用については、特に断らない限り判決記載のとおりとする。)を著作し、一九三八年(昭和一三年)、本件第二著作物(これ...
《解 説》
XとYの間において家庭裁判所の夫婦関係調整調停手続で離婚調停が成立した。同調停条項は、①XとYの調停離婚、②親権者の指定、③子供らの将来の出費に備えてYが各子供名義でそれぞれ六〇万円宛預金し、かつ、Yが同証書を子供らのために保管すること、④X及びYの相互における立場の尊重等、⑤...
《解 説》
一 上告人と被上告人銀行との間では、従前からトラブルがあったので、被上告人銀行本店は全支店に対し、上告人から預金口座設定の依頼を受けても預金口座を設定しないように通知を発し、その通知は窓口担当者に伝達された。上告人は被上告人銀行京都支店で預金口座の設定を申し込んだところ、窓口担...