《解 説》
一 X(原告・控訴人)は、平成元年八月一日、就業規則がなく定年制の定めもなかったYと労働契約を締結し、入社後直ちに営業部長の地位に就いたが、Yは、平成二年七月二一日、従業員の定年は六〇歳とし、定年に達した日の翌日をもって自然退職とするとの規定を置いた本件就業規則を制定した。Xは...
《解 説》
一 事案の概要
A会社は、岡山県英田郡においてゴルフクラブを開設し経営していたが(以下「旧ゴルフクラブ」という。)、経営に行き詰まった結果、A会社に融資をしていたB(個人)がA会社の全株式及び旧ゴルフクラブの営業に使用されていたA会社所有の土地・建物の所有権を取得し、Bは右土...
《解 説》
一 事案の概要
被告は、官公署等の依頼を受けて土地家屋に関する登記の嘱託手続等を行うことを主な業務とする社団法人であり、その受任業務については、被告内部に設けられた配分委員会による配分を受けて、その社員である各土地家屋調査士において行うことが一般的な形態であったところ、被告の...
《解 説》
一 X1は、平成三年一一月一五日、Yの開設する産婦人科医院の診察を受け、妊娠六週目と診断されたため、その後引き続き通院して定期検診等を受けていたが、平成四年七月四日破水したため、同医院に入院し、子宮頚管熟化剤「マイリス」の投与を受けたところ、ショック症状を来したので近くの国立病...
《解 説》
一 本件は、先祖代々の墓石が多数点在している被相続人甲名義の本件土地(地籍・一六一平方メートル、地目・墓地)について、相続人の長男Yが単独で相続を原因として所有権移転登記手続をしたことから、相続人のうちの二男X1及び長女X2がその法定相続分に従った更正登記手続を求めた事案である...
《解 説》
一 本件は、給与所得者であり、平成六年分から同一〇年分の所得税について計算方法に誤りのある確定申告書を提出した原告が、所轄の税務署長のした判示事項記載の各行為が違法であり、これにより精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法一条一項に基づき慰藉料の支払を求めた事案である。
原告の計...
《解 説》
一 本件被告人は、とび口を自車助手席足元の床上の運転席との境目に隠し携帯し、本件覚せい剤(ビニール容器入りの水溶液)を助手席のシート上に置いてあったセカンドバッグ内に入れて所持していたものであるが、平成一一年一〇月二五日、とび口の隠し携帯という、軽犯罪法一条二号違反の罪により略...
《解 説》
一 Xは、平成二年一一月、Yとの間で、カード規約を承認し、会員契約を締結したうえ、Yに対し、(一)クレジットサービス、(二)キャッシュサービス、(三)ローンサービスを行ったので、Yに対し、右各サービスの残元金、利息、損害金など合計二七一万余円の支払を求めた。
これに対し、Yは...
《解 説》
一 本件は、被告人が、薬局でテレホンカードの購入方を注文し、店員から差し出されたテレホンカードを「外に待っている者に渡してくる」などと言って店外に持ち出した行為について、窃盗罪と詐欺罪のいずれが成立するかが問題となった事案である。一審判決は、起訴状どおり窃盗罪(常習累犯窃盗罪)...
《解 説》
一 事案の概要は次のとおりである。
1 Xらは一定規模を有する株式会社又は有限会社であり、Yは総合商社であり、Y補助参加人は銀行である。
Xらは、Yの勧誘に応じて、パートナーシップ(米国において複数の者が不動産投資を行う際に通常設立されるもの)を通じて、米国所在の不動産に...
《解 説》
一 本件は、東京都の住民である原告らが、訴外宗教団体の所有不動産について固定資産税の非課税措置がとられていることが違法であると主張し、東京都知事を被告として、地方自治法二四二条の二第一項三号に基づき、公金の賦課徴収を怠る事実の違法確認を求めたものである。
東京都の特別区の区域...
《解 説》
一 本件は、平成八年七月二八日、渓流で水遊びなどが楽しめる渓流公園の渓流で遊んでいたAに崖上から大きな枯れ木が落下して当たり、Aが死亡した事故について、遺族が右公園の設置者(村)、管理者(財団法人)及び崖上の管理者(県)に対し、安全配慮義務違反、工作物(営造物)の設置管理の瑕疵...
《解 説》
一 Aは一級建築士であり、設計事務所であるY会社(被告・被控訴人)の代表取締役であるが、建築請負業者であるBの依頼で、建売住宅である本件建物の建築について、建築確認申請の代理と確認申請図面の作成を引き受けた。しかし、工事監理までは引き受けなかった。ところで、建築基準法上は、確認...
《解 説》
一 本件の主な事実関係は、次のとおりである。建築家であった著作者Aは、エスキース五点(本件エスキース)を著作したが、その後死亡し、Xらが相続した。エスキースとは、建築家が建築物を設計するに当たり、その構想をフリーハンドで描いたスケッチである。Yは、本件エスキースを掲載した書籍(...
《解 説》
一 Xらは、平成五年一二月から平成八年二月にかけて、住宅・都市整備公団(公団。後に解散し、都市基盤整備公団がその権利義務を承継した。)から本件団地の住宅の譲渡を受けた。右譲渡契約には、住宅・都市整備公団法施行規則(施行規則)一九条の規定に従い、譲受人は、割賦譲渡代金の支払を完了...
《解 説》
一 本件は、Yが、ゴルフ場経営会社Aに対する融資について、Xから貸金原資の一部の拠出を受け、Aとの関係ではYのみが貸し主となり、債権の管理、保全、回収等はYが担当し、Yが貸付金を回収したときには、Xは回収額のうちXの拠出額の貸付総額に対する割合(負担割合)に対応する額の支払をY...
《解 説》
一 本件は、新聞・雑誌等の委託販売を業とする会社に勤務し、仕分け、梱包、配達、集金等の業務に従事していた原告が、勤務を終えて帰宅し、食事を開始したところ、突然意識を失い、無酸素脳症による植物状態に陥ったことについて、同疾病は原告の業務に起因するものであるとして、被告が原告に対し...