《解 説》
一 本件は、韓国製のテレホンカードに用いる、「ウォーターマーク・テープ」(透かしの意)と称する特殊な磁性体配列を有する記録用磁気テープ(以下「本件磁気テープ」という。)を製造、販売しているXが、本件磁気テープについて著作権を主張して、Yに対し、Yが製造する磁気テープの原反の製造...
《解 説》
一 労働基準法三九条は、所定の日数の年次有給休暇(年休)を労働者に与えることを使用者の義務とした(一項)上で、その時季(季節を含む時期の意)は労働者において請求することができ、使用者は原則としてその請求どおりに休暇を与えなければならない(四項本文)が、その時季に年休を与えること...
《解 説》
一 X(原告・相手方)は、訴外A会社(補助参加申立人・抗告人)の株主であるが、A会社の取締役であるY(被告)らが、取締役としての忠実義務に違反し、①A会社の第四八期及び第四九期の各決算においていわゆる粉飾決算を指示し又は粉飾の存在を見逃し、②税引前利益を粉務したことにより法人税...
《解 説》
一 担保権の実行としての競売手続においては、抵当権の設定前から当該不動産を賃借しているため本来であれば買受人に対してその賃借権を主張できる者であっても、引渡命令の対象となる場合があるものとされている。本件は、実行抵当権の設定前から当該不動産を賃借している者がその後設定された他の...
《解 説》
一 本件は、質権が設定されている金銭債権について、その被転付適格、すなわち転付命令の対象となるか否かが問題となった許可抗告事件である。抗告人は、相手方に対する金員の支払を命ずる確定判決を債務名義として、債権差押命令を得た上、本件債権について転付命令を申し立てた。本件債権は、相手...
《解 説》
一 本件は、親族間の不動産の所有権をめぐる争いである。Xの亡夫であるAとY1及びY2の三人は亡B・亡C夫妻の子らであり、Y3はY2の子である。係争不動産は、いずれも登記簿上Aの所有名義になっている本件各土地並びにいずれもその地上建物でY2の所有名義になっている本件建物一及びY1...
《解 説》
一 Xは、平成四年九月、Aと称する者の所有する不動産を担保として、Aと称する者に対し、合計一億二〇〇〇万円を貸し付けたが、担保のための所有権移転登記と根抵当権設定登記手続を委任したY1司法書士に保証書の作成を依頼したところ、Y1は、これを引き受けて保証書を作成するとともに、Y2...
《解 説》
第一 事案の概要
一 本件事案
本件は、ジャック・キルビーが発明した世界で最初の半導体集積回路に関する発明として著名な、いわゆるキルビー特許に係る特許権に係る侵害訴訟である。
二 事実関係
1 Yは、「半導体装置」という名称の本件発明の特許権者である。
2 本件は、Xが製...
《解 説》
一 本件は、都立高校の現職教員である被告人が、教育行政に関する管理主義的方針を阻止するなどとして、火薬類を製造して東京都教育庁の幹部宅に設置し、家人にこれを爆発させて傷害を負わせたなどという事案(火薬類製造、同爆発・傷害)、右事実を利用して、脅迫状を東京都教育委員会教育長及び東...
《解 説》
一 被告は、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づき、和歌山市内で一般廃棄物の分別収集を実施することを決めた。実施に当たっては、ごみの分別を徹底するために、ごみ収集袋の指定制度を採用することにした。この制度は、被告がごみ収集袋の材質等について一定の要件...
《解 説》
一 本件は、抵当権に基づく物上代位権の行使としての申立てにより債権差押命令が発せられ、右命令に対して執行抗告がされたところ、その抗告棄却決定に対してされた許可抗告事件である(旧民訴法下では、抗告事件については最高裁が実質的な判断を示すことができなかったが、現行民訴法が新設した許...