《解 説》
一 X(司法書士)は、Y(愛知県司法書士会)に対し、司法書士会会則に基づく事件数割会費(特別会費)の支払義務が存在しないことの確認及び既払の事件数割会費につき不当利得として返還を求めた。Xは、事件数割会費が平等原則に違反するものである旨主張した。
一審判決である名古屋地判平1...
《解 説》
一 本件は、エホバの証人の信者である患者Aが、医師に対して輸血を拒否する意思を明確に表示していたにもかかわらず、肝臓の腫瘍を摘出する手術を受けた際に輸血され、これによって精神的損害を被ったとして、右医師の勤務する病院を設置、運営しているY1(国)及び手術に携わった医師らを被告と...
《解 説》
第一 事案の概要
一1 亡Aは、「桃の新品種黄桃の育種増殖法」という名称の発明(以下「本件発明」という。)の特許権(以下「本件特許権」という。昭和五二年一〇月二四日出願)を有していた。
2 本件発明は、判決文にあるとおり、桃品種タスバーターを種子親とし、桃品種晩黄桃を交配せ...
《解 説》
一 本件は、著名なプロサッカー選手であるXの生立ちを著述した書籍について、Xが、パブリシティ権、プライバシー権並びに著作権(複製権)及び著作者人格権(公表権)に基づいて出版の差止め及び損害賠償を求めたのに対し、プライバシー権及び著作権の侵害のみを認め、Xの請求を一部認容した事案...
《解 説》
一 本件は、いわゆる預託金会員制ゴルフクラブの会員が破産した場合に、その破産管財人が破産法五九条一項によりゴルフ場経営会社との間の会員契約を解除して預託金の即時返還を請求することができるかどうかが問題になった訴訟である。
A社は、平成二年二月九日に入会保証金二三〇〇万円を預託...
《解 説》
一 訴外Aは、平成九年二月五日、Xの承諾を得て、X名義を借用して、株式会社ヤナセから、代金七一四万円余で平成九年式キャデラック一台(本件車両)を購入し、個人専用車として使用していたところ、同年九月一三日早朝、自己が居住するマンションの居住者用駐車場に本件車両を駐車していたが、同...
《解 説》
一 訴外Aは、平成七年九月一二日、訴外Bが運転するワゴン車の助手席に同乗して、国道一五六号を南下して、岐阜県大野郡白川村内の道路を走行中、進行方向右側にあった雪避けシェルターに衝突し、Bとともに死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、Aが、Y(保険会社)との間で締結していた...
《解 説》
一 Xらは、多数の金融会社等から多額の債務を負い、その返済に苦しんでいた、いわゆる多重債務者であるが、いわゆる紹介業者から、「債務を整理するのに、いい弁護士を紹介する」として、弁護士であるYを紹介され、Yに対して多重債務の整理を委任して、相談料、着手金、成功報酬等を支払った。
...
《解 説》
本件は、亡父が消費貸借契約の借主となっている公正証書を債務名義として給料等債権の差押えを受けた債務者が、民事執行法一五二条一項により、差押えを受けない部分のみでは生活を維持できないとして、主位的に差押命令の取消し、予備的に差押範囲の変更(差押範囲の減縮)を申し立てた事案である。...
《解 説》
一 本件は、地方自治法(以下「法」という。)二四一条一項に基づき普通地方公共団体が設けた基金に属する現金の運用行為(金融機関への預託行為)が住民訴訟の対象とされたきわめて珍しい事案であり、同種の先例は見当たらない。
二 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的...
《解 説》
一 X(エジプト・アラブ共和国国籍)は、恐喝被告事件により懲役一年一〇月の実刑判決を受けたが、東京拘置所に未決勾留されていた時期に、刑務官らから度々違法行為を加えられたと主張して、Y(国)に対して、国家賠償請求をした。
Xが主張した刑務官の違法行為は、(A)①Xが何もしていな...
《解 説》
被相続人Aは、所有していた甲建物と乙建物及び各建物の敷地である甲土地(所有権)と乙土地(借地権)並びに預貯金につき、甲土地建物(時価約六七〇〇万円)を同建物でA夫婦と同居していた長男Bに、乙土地建物(時価約二四〇〇万円)を同建物でかつてA夫婦と同居していた長女Cに、預貯金(約九...