《解 説》
一 Xらは、Yに対し、交通事故に基づく損害賠償を請求する訴えを提起したところ、一審浦和地裁は、平成一一年七月二一日、X勝訴の判決を言い渡し、同月二二日、原判決正本がYに送達されたが、一審の被告補助参加人Zは、同年八月一〇日、原判決を不服として、東京高裁に控訴した。
二 本判決...
《解 説》
一 本件は、いわゆる「公私協力方式」(地方公共団体と学校法人との協力によって地方の高等教育機関を設置・運営する方式であり、地方公共団体が土地、校舎や設備等の準備、経常費の補助等の協力を行うもの)により、別府市に私立大学が開設される予定となり、これに伴う別府市の財政負担を軽減する...
《解 説》
一 本件は、「iMac」パソコンの類似品を差し止めた仮処分として、マスコミ等で話題を呼んだ事件である。事案の概要は、以下のとおりである。
債権者ら(Xら)は、「iMac」を製造し、平成一〇年八月に米国、日本等で販売を開始した。ところが、債務者(Y)は、平成一一年七月に「e―O...
《解 説》
一 バス運転士Xは、自己の運転する路線バス(乗合バス)を駐車中のAの車両と接触する物損事故を起こした。そのため、Xは、勤務するバス会社Y2の営業所長Y1から、下車勤務として約一か月の営業所構内除草を(第一業務命令)、乗車勤務復帰後も一か月以上の添乗指導を受けること(第二業務命令...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Y会社において見積書作成及び外回り等の職務に従事していたXは、平成八年七月、帰途交通事故に遭い、脳挫傷・くも膜下出血の傷害を負ったため入院するとともに、「業務外傷病による休職期間は六か月を限度とし、復職を命じられないで休職期間が満了し...
《解 説》
1 本件事例は、自分のイラストが意に反して改変されたことを理由とする著作者人格権(同一性保持権)侵害に基づく損害賠償請求訴訟の控訴審判決である。事案の概要は、次のとおりである。
総合広告代理店であるPは、顧客Qの依頼を受け、イラストの管理及び貸出業を営む会社X1から、その代理...
《解 説》
一 Xらは、Y(旅行会社)が募集したワールドカップサッカーフランス大会「日本対アルゼンチン戦」の観戦旅行(イタリア周遊の旅九日間)に応募して、Yとの間に旅行契約を締結した。しかし、Yがこの試合の入場券の入手ができなかったためXらは試合観戦ができなかった。そこで、Xらは、旅行目的...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、訴外川崎市(以下「市」という。)から被告に対してされた二筆の公有地(以下「本件各土地」という。)の売払契約(以下「本件各売払契約」という。)が、被告の元代表取締役Aから市の用地部長Bに対する賄賂(Aの贈賄罪及びBの受託収賄罪につき、いずれも有罪・実刑判...
《解 説》
一 事案の概要
XはA社の株主であり、Y4はB社の代表取締役、その余の被告はA社の取締役ないし監査役である。A社はB社と業務等で提携するに先立ち、第三者割り当ての方法で発行されたB社の株式を引受け、一四億七二五〇万円(額面普通株式三一〇万株、一株あたりの発行価額四七五円)を払...
《解 説》
東金市内で宅地開発を計画し土地を購入したXは、開発許可を得るため、Y1(東金市)に対し、Y1が策定した宅地開発指導要綱に基づき教育衛生寄附金を支払い、また、都市計画法三二条所定の同意を得るため、本件開発地域からの排水を流す排水路に慣行的な管理権限を有する法人格なき社団である水利...
《解 説》
一 弁護士Yは、民事保全事件の疎明資料として、別件の家事調停申立書の控え(以下、本件文書という)を裁判所に提出した。別件の家事調停は、Yが受任して申し立てたものであり、その申立書にはXの身上、経歴、紛争の実情等の内容が記載されていた。そのため、保全事件の債務者Aがこれを閲覧して...
《解 説》
一 本件は、昭和一二年の廬溝橋事件から昭和二〇年の我が国によるポツダム宣言受諾までの間の日中戦争中に、中国国民である原告らないしその配偶者その他の肉親らが、中国大陸に侵攻した日本軍ないしその軍人から、強姦未遂、拷問、捕虜虐待、人体実験、無差別爆撃などという加害行為を受けて甚大な...
《解 説》
一 Y1は、Y2の設置する大学の学生であるが、同大学の管理下にあるコンピューターシステム内に開設したホームページに「三月一四日入学手続日の混乱の詳細」と題する、Y1らと対立する学生グループであるXらが傷害事件を起こし刑事事件になったという印象を与える文書を掲載した(後に同ページ...
《解 説》
一 本件は、預託金制ゴルフクラブの会員らが、同クラブの経営者に対し、預託金の据置期間満了前にその返還を求めた事例である。
Yは預託金制ゴルフクラブ(以下「本件クラブ」という。)を経営する会社であるが、預託金の据置期間満了後において、Xらを含むすべての会員が集中的に預託金返還を...
《解 説》
一 本件は、平成四年七月一四日に被告病院で胃及び脾臓の全摘手術を受けた原告が、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症を発症し、直近の記憶を保持できない近時記憶障害をはじめとする後遺症が残ったことについて、被告医師らには、栄養を経口摂取できない原告に対して術後三六日間にわたり高カ...
《解 説》
一 事案の概要
皇太子と皇太子妃との結婚の儀が平成五年六月九日に、その饗宴の儀が同月一五日から一七日に行われた。招待を受けた神奈川県知事であった被告長洲一二(Y1)は県から旅費計二万六四〇〇円の、同県議会議長であった鈴木一誠(Y2)は同じく旅費計六三〇〇円の支出を受けて、両儀...