《解 説》
一 本件は、パソコン通信事業・関連情報処理サービス会社であるXが、Yに対して、「Yは、Xがプロバイダーとして運営しているパソコン通信サービスの会員に対して、わいせつビデオ販売を内容とする電子メールによるダイレクト・メールを送信する一切の行為」の差止めを求めた仮処分事件である。
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《解 説》
一 本件特別抗告事件の本案訴訟は、親族間において不動産所有権の帰属を争う訴訟である。控訴審において、XらのYらに対する請求を認容した第一審判決に対するYらの控訴を棄却する原判決が言い渡された。Yらは、原判決に対し、上告状及び上告受理申立書を提出して上訴し、それぞれについて理由書...
《解 説》
一 本件は、原判決に対して敗訴当事者であるXが上告受理の申立てをしたが、原裁判所が民訴法三一八条一項の事件に当たらないことを理由に右申立てを却下する旨の決定をしたため、Xが抗告許可の申立てをしたところ、原裁判所がこれを許可した事案である。抗告許可申立て理由書に記載された抗告理由...
《解 説》
一 原告は、「大径角形鋼管の製造方法」という名称の本件発明の特許権者であったが、被告が無効審判を請求し、本件発明が進歩性を欠くとして本件無効審決がされた。本件は、原告が本件無効審決の取消しを請求する審決取消訴訟である。原告は、本件訴訟を提起するとともに、明細書の特許請求の範囲を...
《解 説》
本判決は、更正登記を行うことができる限界が問題となる一場面に関して論ずるものである。
一 本件事案の争点は多岐にわたるものであったが、本判決が採り上げた論点に関する事実関係は、次のようなものであった。本件の被上告人であるXら三名と、上告人二名のうちのY1は、いずれも、昭和五九...
《解 説》
一 地方税法(以下「法」という。)七三の七第二号は、不動産取得税を課すことができない場合として、「法人の合併」と並んで「法人の政令で定める分割」による不動産の取得を掲げ、その委任を受けた地方税法施行令(以下「施行令」という。)三七の一四第一号は、「株式会社が分割して二以上の株式...
《解 説》
一1 本件は、知事の許可を得て、おからやビールかす等を廃油を用いて熱処理し、飼料を生成する事業を営んでいた被告人が、乾燥機の故障などでその工場における乾燥処理が追いつかなくなったことから、新たに岡山県内に本件工場を建設し、兵庫県内・京都府内・京都市内の三つの豆腐製造業者から処理...
《解 説》
一 本件は、電動車いすを使用している身体障害者のXが、鉄道事業を営むYに対し、Xの利用する二つの駅(以下「本件両駅」という。)の駅舎に乗客用エレベーターが設置されていないとして、①憲法一三条及び二二条等に違反していることの確認を求める(請求①)とともに、②本件両駅の駅舎には民法...
《解 説》
一 本件は、「セイロガン糖衣A」という表示(原告表示一)又は右表示を使用した商品パッケージデザイン(原告表示二)を使用した一般消費者向け胃腸薬を製造販売する原告が、右各表示は原告商品を示す商品表示として周知性又は著名性を獲得しているとして、「正露丸糖衣錠AA」という表示(被告表...
《解 説》
一 本件は、貸金業者Yが未払の残元本があると主張して貸金債務の連帯保証人であるXらに対し保証債務の履行を請求する本訴を提起したのに対し、Xらが、利息制限法所定の制限利率を超える利息の支払により、元本が完済となった上、更に過払いを生じていると主張して、不当利得返還請求をする反訴事...
《解 説》
Xの夫A(昭和二九年一二月生)は、B社でプレス工をしていたが、昭和六〇年一月一一日、自ら縊首して死亡した。Xは、Aの自殺が過労により反応性うつ病にかかったためであると主張し、労働基準監督署長に対し、労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づき、遺族補償給付を請求したが、Yは、Aの...
《解 説》
一 本件は、右大腿部の閉塞性動脈硬化症治療のため、Yが開設し経営する島根県立中央病院で腹部大動脈―両外腸骨動脈バイパス手術(以下「本件バイパス手術」という)を受けたXが、左足趾の血行不全を起こし、左下腿部の壊死切断を余儀なくされたため、本件バイパス手術を担当した医師に医療行為上...
《解 説》
一 本件は、X(原告)がY(被告)に対し、不動産の売買代金を請求したところ、Yが、本件不動産の売主はZであって、Xは仲介者に過ぎないとして、XY間の売買契約の成否を争った事案である。
二 本判決によれば、本件不動産の売買契約書上、売主として記載されているのはZであって、Xは仲...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。
X(相手方・原審申立人)は、Aとの間に内縁関係が成立していたとして、Aが死亡したことにより内縁関係が解消した場合も、法律上の離婚に伴う財産分与の規定を類推適用すべきであると主張して、Aの相続人であるY1(抗告人・原審相手方)、Y2(抗...
《解 説》
一 事案の概要
1 抗告人は、新聞販売店を営む者であり、相手方である㈱朝日新聞社から新聞販売契約を解除する旨の意思表示を受け、右解除の無効を主張して、地方裁判所に対し、解除の意思表示の効力発生の停止及び新聞の供給継続を求める仮処分を申し立てた。抗告人の申立てを認容する仮処分決...
《解 説》
一 本件判決は、道路運送法九八条二号の自家用自動車有償運送の罰則のうち、懲役刑を含めて罰金二〇万円を超える重い部分について、法令の相互関係上、これを貨物軽自動車の有償運送に関して適用することは許されないと判示し、法定刑を文言のまま適用して処断した原判決を職権破棄し、自判で軽い刑...
《解 説》
一 本件は、Yが産業廃棄物最終処分場の設置、使用、操業を予定していたところ、その建設予定地の周辺の住民であるXらが、右処分場から排出される有害物質によって汚染された地下水及び地表からの流出水によってXらの使用している水道水、井戸水、農業用水が汚染されるおそれがあるとして、人格権...