《解 説》
一 A町議会議長Y3らは、A町においてXの出資する会社の産業廃棄物処分場建設計画の是非が問題となっていたことから、Xが産業廃棄物処理業等を営むB市を訪れ、B市議会議員と意見交換し、Xの処分場周辺を視察したが、その際、Y1及びY2は、記者やカメラマンを同行させて取材を行った。そし...
《解 説》
一 Xは、平成元年七月、自転車に乗車して愛知県大府市内の道路上を進行中、Yの運転する普通乗用車に衝突され、頸部挫傷、腰部挫傷等の傷害を負った。
そして、Xは、近くの病院等に入通院して治療を受け、平成二年五月、症状固定との診断がなされたが、反射性交感神経性萎縮症、右上肢不全痳痺...
《解 説》
本件は、原告が、被告に対し、主位的に、一時金協定に基づく一時金の支払を請求し、予備的に、使用者が一時金支払いのための人事考課をしないことを不作為による不法行為であるとして一時金相当額の損害賠償を求めた事案である。
被告は、A病院の警備等を業務とする株式会社であり、A病院を経営...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教(以下「教団」という。)関連の事件であり、教団大蔵省大臣などと称され、教団経理の最高責任者の地位にあって、教団代表者Aの信頼も厚かった被告人が敢行した、証憑湮滅(第一の事実)、死体損壊(第二の事実)及び二件の犯人隠避(第三及び第四の各事実)の事案である。...
《解 説》
一 本件は、皮膚科の開業医である被告人が、かねて取引のある薬品販売会社であるT社の従業員から、日本商事株式会社(主として医薬品の卸売業を営み、大阪証券取引所第二部に株式を上場していた会社であり、T社との間で医薬品の販売取引契約を締結していた。)が開発、製造して発売を開始したばか...
《解 説》
一 Xは、高校卒業後、子供がない訴外Aと同居するなどして約二七年間にわたってAの介護を行ってきたが、Aは、独身であるXの老後の生活を心配し、平成四年四月、Xに預貯金・株券等を遺贈することを内容とする自筆遺言書(以下「本件遺言書」という。)を作成し、その保管と検認手続をXに依頼し...
《解 説》
一 本件の原告五名は、それぞれ異なる郵便局に勤務しているが、その勤務体制は、いずれも四週間を単位とする勤務の指定によるものである。原告らは、平成二年一一月一二日(原告土山、同別府、同井上及び同石田)又は同月二三日(原告高橋及び同石田)につき年休の時季指定をした。平成二年一一月一...
《解 説》
一 XはYの開催する「テニス教室」の講師をしていた者であるが、平成八年四月一三日、庭球場において、受講生に対し、ストローク練習の指導をしていたところ、受講生の打ち返した硬式テニスボールが右眼に当たり、右眼球打撲等の傷害を負った。
そこで、Xは、(一)一コートで二組の受講生の練...
《解 説》
1 本件は、警察官である被告人が、職務として行った発砲の適法性が争われた事案である。第一審判決(本誌六五五号二五二頁)は、発砲を適法と認めて被告人を無罪としたが、控訴審判決(判時一五四五号一一六頁)は、逆に発砲を違法として被告人を有罪(懲役三年・三年間執行猶予)とした。第一審判...
《解 説》
一 訴外A(昭和三〇年生)は、平成五年一月、Yの経営する医院において胃癌と診断され、胃の一部切除手術を受けたが、手術後、腹膜炎、劇症肝炎の症状が現れ、意識障害も出現したため、同年神戸大病院に転院した。
神戸大学病院では、Aを劇症肝炎による肝不全、肝性昏睡と診断し、血漿交換、開...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、三重県住民が三重県知事に対し、三重県情報公開条例に基づき、議会及び公安委員会の食糧費等の予算執行文書の開示を請求したところ、同知事は、当該文書は同知事が管理していないとして、開示請求書を請求者に返却した。そこで、開示請求者である原告は、同知事を被告とし...
《解 説》
一 Xは、平成六年三月当時、鉄鋼総合メーカーであるY会社の社員として鋼片室に配属されていたが、同月三一日、Y会社から、関連のA会社に出向するよう命じられた。
そこで、Xは、右出向命令は、Xに対し、月額五万円ないし六万円程度減少などの経済的・雇用条件的な不利益を及ぼすものである...
《解 説》
一 事案の概要
本件は既存建物を取り壊して、新たに建物を建てて、その敷地と新築建物を第三者に売却する目的で平成一〇年三月一二日、建物とその敷地を被告らから購入した原告が、右建物を取り壊したのちに、建物内で平成八年に被告らの母親が首吊り自殺していることを知るに至り、右事実は本件...
《解 説》
一 本件は、「スイングジャーナル青春録・大阪編」と題する書籍につき、Y1が執筆し、Y2が出版した行為が、Xの著名商標である「スイングジャーナル」を使用する不正競争行為に該当するか否かが争われた事案である。
本件書籍には、Xの元編集長であったY1が、学生時代にジャズを知ったこと...
《解 説》
一 Xらは、医師又は大企業に勤務する者であるが、Yが売り出したアメリカ合衆国ワシントン州所在のアパートの「共有持分権(Tenancy in Common)」(以下「本件商品」という。)をY外三者が出資して設立されたZの仲介により一口二五万二〇〇〇ドルで購入した。右購入に際し、X...
《解 説》
一 本件は、日興証券損失補填損害賠償訴訟差戻後の控訴審判決である。
本件は、平成二年から三年にかけて、日興証券が一部の大口顧客六名に対して利益提供(損失補填)を行ったことに関し、株主Xらが、平成三年改正前の証券取引法五〇条一項三号、独占禁止法一九条、取締役の善管注意義務・忠実...
《解 説》
一 Xは、中国法に基づいて設立され、国際間の海上運送を営む会社である。Y1は水産物の輸入、販売を行う業者であり、Y2は乙仲と呼ばれ、港湾運送業、通関業及び港湾荷役業を目的とする業者である。
Xは、荷送人Aの依頼を受けて貨物(冷凍アナゴ)を中国から運送し、Y2が通関手続を行い、...