《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。X1銀行は、Y1所有の不動産(以下「本件不動産」という)の第二順位の抵当権者であるが、平成五年六月、本件不動産の競売の申立てをし、開始決定を受けた(以下「先行事件」という)。執行裁判所は、X1銀行には配当がいかないことが分かったため、X1銀...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、東京都渋谷区が平成五年度から七年度の間に支出した食糧費全部に関する会計文書の公開請求をし、その部分公開決定を受けた原告が、当該部分公開決定に添付されていた公開結果一覧表のうち「対象文書及び書類名」の記載を抜粋した一覧表(以下「本件一覧表」という。)を作...
《解 説》
一 Xらは、Y1(不動産業者)所有のマンション居室をY2の仲介により購入した。その際、Y1Y2の従業員は南西側の隣接地に建物が建築される計画があるという事実を認識していたのにもかかわらず、本件マンションの南西側からの日照は将来にわたって確保される旨の虚偽の説明をした。その結果、...
《解 説》
一 Y1は、平成六年九月、訴外Aから金員を借り受けるに当たり、Aに対し、本件建物について抵当権を設定してその旨の登記を経由するとともに、右貸金の債務不履行を条件とする条件付賃借権を設定し、賃借権設定仮登記を経由した。ところが、Y1は、右貸金の返済をしなかったため、平成七年二月、...
《解 説》
一 本件は、人口受精子の親権者を定めるについて、どのような事項を考慮すべきか、具体的には、未成年者と父親の間には真実の親子関係がないことを考慮すべきかどうか、が問題となった興味ある事例である。
二 事案の内容は次のとおりである。
X(抗告人・母親)とY(相手方・父親)は、調...
《解 説》
一 訴外Aは、愛知県内で貨物運送を業とするY会社に勤務していた者であるが、昭和六三年九月六日、大型貨物自動車を運転して長野県飯田市内を走行中、前方に停止していた大型乗用自動車に追突する事故を起こし、脳挫創等により死亡した。
Yは、昭和五〇年一月、訴外B生命保険相互会社との間で...
《解 説》
一 本件は、食品を焼くために、食品をのせオーブントースターに入れて使用する、フッ素樹脂加工を施した網付きトレイを製造販売しているXが、Y1・Y2(以下「Yら」という)が製造販売している網付きのトレイは、Xの製品の形態を模倣したものであるとして、損害賠償を求めたものである。
二...
《解 説》
一 判決により認定された事実関係は次のとおりである。
Xらは税理士であるYに相続税の申告手続を依頼した。右依頼に際し、Xらは、被相続人の先代に関する相続税の支払も残っているので、今回の相続税額をできる限り低くしてもらいたいと考えていることをYに伝えた。ところで、Xらには二億円...
《解 説》
一 Y1は滋賀県東京事務所長として、知事Y2の有する財務会計上の権限のうち、同事務所における食糧費の支出について専決権限を有していたところ、平成六年五月ないし同七年三月までの間の接遇費用として、同六年六月から同七年四月にかけて食糧費から一八五万円余を支出した。滋賀県の住民である...
《解 説》
一 本件は、医療過誤訴訟であり、ポリープの除去手術に伴いなされるべき療養方法の指導、説明義務を怠った等として損害賠償請求をした事案である。
二 本判決は、被告が、腹痛等を訴えた原告に対し、内視鏡的ポリペクトミー(大腸ファイバースコープによるポリープ摘出術)を施術し、原告は右手...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、担保権が設定された土地を売渡担保により取得し、これを第三者に賃貸して営業用駐車場として使用させていたが、右土地に係る地方税法附則三一条の五(平成一〇年法律第二七号による削除前)に規定する特別土地保有税(いわゆるミニ保有税)について、その取得価額に基づき税...
《解 説》
一 女子高校生であるAは、平成五年、膠原病の一種である全身性エリテマトーデス(SLE)に罹患し、広島市内の大学病院で入通院治療を受けていたところ、伯母から、鹿児島市内で神霊療法(心霊術)による治療行為を行っていたYの神霊療法を受けるよう勧誘を受けた。A及び母は、これに応じて、同...
《解 説》
一 Xは、平成四年七月、Yの開設する病院において人間ドックの検査を受けたところ、再検査の必要性を告げられたため、再検査を受けたところ、C型肝炎ウイルス検査(第一HCV検査)の結果が強陽性と診断されたが、その後の眼腔鏡検査、超音波による組織採取検査、肝生検、第二HCV検査、第三H...
《解 説》
一 本件は、株式会社ニッポン放送の株主が、同社の取締役である被告らに対し、同社に損害を賠償するように求めた株主代表訴訟である。
ニッポン放送の株主である原告の主張の要旨は、次のとおり。ニッポン放送は、株式会社フジテレビジョンの株式を五一・一パーセント保有していたのに、フジテレ...
《解 説》
一 X及びY1は、いずれも、不動産売買仲介業者であるが、Y2が新築分譲予定の一戸建住宅三棟につき、それぞれY2の承諾を得て宣伝販売活動を行っていた。Y3は、平成八年九月ころ、X及びY1の現地ハウスを数回訪れて住宅を見学した上、原告からの購入勧誘に対し、売出中の右住宅のうちの一棟...
《解 説》
一 本件は、産科医療における医療過誤の事案である。本件では、被告である医師が、妊婦にシロッカー法による頚管縫縮術を施行した前後の消毒等の処置又は右頚管縫縮術の施行時期に不適切な点があったために、双子の第一子が死亡したなどとして、原告らが被告医師に損害賠償を請求したところ、裁判所...