《解 説》
一 本件は、Y1(社会福祉法人)の設置経営する養護施設(入所児童数約四〇名、職員数約二〇名)に在園していたXが、職員Y3から暴行を受けたとして、Y1、その園長であるY2及びY3に対して、損害賠償請求をしたケースである。
Xの主張によると、平成五年三月二六日、栄養士として児童の...
《解 説》
一 本件の事案は、次のとおりである。大韓民国国籍を有し、我が国に永住することの許可を受けていたXは、昭和60年2月、外国人登録証明書を汚損したとして、京都市右京区役所を訪れ、引替交付申請手続をした。その際、外国人登録法一四条一項(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの)に従...
《解 説》
一 本件事案の概要は、次のとおりである。
A村選挙管理委員会(村選管)は、平成七年三月三〇日、公選法二二条一項による選挙人名簿の定時登録を受けた者のうち、一五五名(A村の選挙人は全部で約一六〇〇名であるから、実にその一割近くに相当する)について、現在A村内に住所を有しないこと...
《解 説》
一 X(宗教法人、天台宗の被包括団体)の先代住職Aと妻Y1との間には娘Y2がいたが、男子はいなかった。Aの死後、BはY1と養子縁組をするとともに、Y2と婚姻の届出をして、Xの住職に就任した。BとY2とは長男をもうけたが、その後、裁判離婚をし、BはY1とも離縁した。Bは、Y1を債...
《解 説》
一 Y電力会社は、昭和六三年八月二二日通産大臣から石川県羽咋郡志賀町に出力約五四万キロワットの沸騰水型原子炉を設置することの許可を受けた。主として石川、富山両県に居住する者二〇〇名(中には北海道、九州に居住する者らもいる)がYに対し、環境権及び人格権に基づき、原子力発電所の建設...
《解 説》
本件は、被相続人の法定相続人でないXが、遺言による遺贈により本件不動産を取得した場合に、不動産取得税を賦課しない場合を定めた地方税法七三条の七第一号に該当するかどうかが争われた事案である。すなわち、地方税法七三条の七第一号は、「相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされ...
《解 説》
一 事案の概要
Xらは三重県四日市市の住民であり、Y1は同市市長、Y2は同助役、Y3は同市長公室長、Y4は同秘書課長、Y5は同市議会事務局長、Y6~Y27及びY29は同市議会議員、Y30は同代表監査委員(以上平成七年三月当時)、Y14・Y16及びY31は同監査委員、Y32は同...
《解 説》
Xはコーヒー豆等の加工販売等を業とする株式会社であり、Y税務署長に対し、平成二年三月期ないし同四年三月期の消費税について期限内に申告をした。しかしYは、XがYの職員の帳簿等の提示要求に応じなかったことは消費税法三〇条七項に定める帳簿等を「保存しない場合」に当たるとして、同条項に...
《解 説》
一 本件は、Xが、Y1(信販会社)から提起された前訴において、訴状等の付郵便送達が違法無効であったため、訴訟手続に関与する機会が与えられないまま、理由のないX敗訴の判決が確定して損害を被った旨主張し、Y1に対しては、前訴での受訴裁判所からの照会に対しXの就業場所不明との誤った回...
《解 説》
一 本件は、スナックシャネルという名称で営業する飲食店に対して不正競争行為の差止め等が請求されたいくつかの事件のうち、上告された唯一の事件である。他の事件は、既に差止め等の請求を認容する判決が確定している(例えば、東京高判平7・3・1知的裁集二七巻一号一七一頁)。
二 フラン...
《解 説》
一 本件は、国民健康保険事業を行う保険者であるX(市)が、国民健康保険を使って治療を受けた交通事故の被害者Aの加害者Yに対する損害賠償請求権を、国民健康保険法(以下「法」という。)六四条一項に基づき代位取得したとしてその請求をする事件である。
Yは、昭和六三年九月四日、交通事...
《解 説》
一 本件は、(1) 共同不法行為者の一人甲が被害者丙との間でした訴訟上の和解における債務の免除の効力が、他の共同不法行為者乙に対して及ぶか否か、(2) 免除の効力が及ぶとした場合には、甲から乙に対する求償金額の算定はどのように行われるかが問題となった事案である。ここでは、争点を...
《解 説》
一 Y会社の株主であるXは、Y会社(以下では取締役等を含むことがあるが省略する。)に対し、臨時株主総会における取締役・監査役の解任、後任の取締役・監査役の選任の各決議の不存在の確認を求める訴えを本案として、右決議によって選任された取締役・監査役の職務執行停止及び職務代行者選任を...