《解 説》
一 本件は、建物及びその敷地を所有する原告が、隣地(原告の土地の方が高い状態で斜面の法下に隣接する土地)において被告がマンションの建設に必要な進入路ないし車両の転回部造成のための掘削工事を行った際に、土止め工事が不十分であったことにより、原告の土地に不同沈下が発生し、原告所有の...
《解 説》
一 本件は、原告である会社から善管注意義務違反の債務不履行による損害賠償(商法二六六条一項五号)を請求された被告である代表取締役につき、過失相殺の法理の類推により、損害賠償責任額の減額を認めた事案である。
二 本件の事案の概要は以下のとおりである。
1 原告会社は自動車部品...
《解 説》
一 弁理士であるYは、Xの代理人として、掃除機を兼ねたアイロン台と称する実用新案の登録願手続を行い、平成四年八月一八日、登録査定謄本を得たのち、第一ないし第三年分の登録料を納付しその旨Xに通知した。右実用新案は、平成四年一一月二五日実用新案として実用新案原簿に登録された。右実用...
《解 説》
本決定は、特許権侵害訴訟において、文書提出命令によって提出された文書の閲覧、謄写等の方法を、裁判所の訴訟指揮権に基づいて定めたものである。
基本事件の概要は以下のとおりである。すなわち、特許権を有していたXは、Yらがこれを侵害したとして、損害賠償を請求し、損害の計算に必要な書...
《解 説》
一 本件は、以下のとおりの事案である。
Xは、訴外Aとの間で、Aに対する債権を担保するために、Aの第三債務者らに対する債権についてAの支払停止を停止条件としていわゆる集合債権譲渡担保契約を締結していたところ、Aが手形の不渡を出して支払停止状態に陥ったことから、その直後にAを代...
《解 説》
一 Xは、自転車で走行中、Y1が運転する普通貨物自動車と衝突して負傷して損害を負った。この自動車の保有者はY2であり、Y1はY3の従業員であるが、自家用車を利用して通勤途上の事故であった。そこで、Xは、Y1に対して民法七〇九条に基づき、Y2に対して自賠法三条に基づき、Y3に対し...
《解 説》
一 本件は、川崎市川崎区又は同市幸区に居住又は勤務し、公害健康被害補償法に定める指定疾病(慢性気管支炎、肺気腫及気管支喘息)の認定を受けた患者ら又はその遺族Xら多数が国道一号線、一五号線、一三二号線、四〇九号線を設置管理する国(Y1)及び神奈川県道高速横浜羽田線(横羽線)を設置...
債権に対する仮差押えがされても,当該仮差押債務者は,被仮差押債権を請求債権として,その債務者である仮差押えの第三債務者が有する債権につき差押命令を申し立てることができるとされた事例
《解 説》
一 児童扶養手当法(以下「法」という。)四条一項は、「都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護するとき、……は、その母……に対し、児童扶養手当……を支給する。」と規定し、五号で、「その他前各号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」と規定しており、...
《解 説》
一 (一)A裁判所は、平成一〇年二月一六日、債権者甲の申立てにより、債務者(相手方)乙が第三債務者(抗告人)丙に対して有する和解金請求権八一〇万円中の七七七万円について仮差押命令を発し、同仮差押命令は、同月一七日、丙に送達された。
(二) A裁判所B支部は、同月二〇日、乙の申...
《解 説》
一 Xらは、いずれも和歌山市吉田所在の鉄骨造陸屋根四階建建物(本件建物)の周辺に居住しあるいは営業をして、本件建物付近を日常的に通行している者であるが、本件建物を組事務所として使用している暴力団乙組の組長であるYに対し、周辺に暴力団事務所が存在するため、暴力団の抗争事件に巻き込...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。X(差押債権者・抗告人)は、Y裁判所に対し、物件1ないし3について、担保権の実行に基づく競売の申立てをした。Y裁判所は、物件2、3は優先債権者ZがいるためXには配当がいかず無剰余であるとして、物件2、3についての執行手続を取り消した。これに...
《解 説》
一 消費税の仕入税額控除の可否が問題となった事件である。
二 消費税法(平成三年法律第七三号による改正前のもの。以下「法」という。)は課税資産の譲渡等の対価の額を課税標準とし(法二八条一項)、それに係る消費税額から課税仕入に係る消費税額を控除した額を納付すべき税額としているが...
《解 説》
一 賃貸人Xは、昭和五一年に東京都港区三田所在の本件土地を期間二〇年でY1に賃貸し、Y1は、本件土地上に木造二階建の本件建物を新築し、その妻Y2と共有していた。Xは昭和六一年ころ、不動産業者Aと共同して、本件土地を含むX所有土地九〇〇〇平方メートルに高層ビルを建築することを計画...
《解 説》
Yは、自動車運転教習業を主たる目的として設立された資本金二三〇〇万円、発行済株式総数四六〇株の株式会社(一株の額面五万円)であり、X1は一〇〇株、X2は二〇株を有する株主である。Yは、平成三年九月、Yの当時の代表者であったAが代表者のN社から同社所有の土地建物を代金五億九七四〇...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Y1は、A所有の土地一〇七・三一平方メートル(以下「本件土地」という)を賃借し、右土地上に建物を建築した(以下「本件建物」という)。Y1が代表取締役をしているY2会社は、Xから金員を借り入れ、右債務を担保するため、本件建物に抵当権を設定し、...