《解 説》
一 訴外AとBは、平成七年一月一六日からYの経営する神戸市兵庫区所在の七階建ホテル(以下「本件ホテル」という。)の四〇六号室に宿泊していたところ、同月一七日未明に発生した兵庫県南部地震により、本件ホテルが崩壊したため、崩壊部分の下敷となって死亡した。
そこで、AとBの遺族であ...
《解 説》
一 本件は、Y市の住民であるXらが、市議会議員や市職員の接待や私的飲食の代金を公金から支出したことが違法であると主張して、複数の弁護士に委任して、右市議会議員、市長や市の幹部職員らを被告とし、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、損害賠償を求める住民訴訟(二件)を提起したと...
《解 説》
一 事案の概要
Xら(被控訴人ら)は、大阪市公文書公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、同市財政局財務部財政課による食糧費支出に関する一切の書類の公開を請求した。これに対し、Y(控訴人)は、請求に係る公文書を支出決議書、支出命令書及び歳出予算差引簿(以下「本件文書」と...
《解 説》
一 本件は里道に関する建築基準法四二条二項の指定処分が争われた事件である。
本件道路はX所有地の南側に存在する道路であるが、平成元年六月にXの子が建物を新築する際にY(奈良県)の高田土木事務所から本件道路が建築基準法四二条二項道路(みなし道路)であるとの回答(以下「本件回答」...
《解 説》
一 XY間の本件ビルの賃貸借契約の経緯は、次のとおりである。
(1) 昭61・10・1 本件建物を月額賃料四五〇万円、共益費七二万円、保証金一億六二〇〇万円、期間三年間の約定で、XはYに対し賃貸。
(2) 平2・4・24 本件賃貸借契約を三年間更新し、月額賃料を五〇四万円、...
《解 説》
X代理人の主張による事実関係はおよそ次のとおりである。すなわち、XはYに対して動産売買による先取特権を有しており、その物上代位としてYの第三債務者らに対する売掛金債権の差押えを裁判所に申し立てたところ、書記官から申立書の書式の変更、商品目録の整備、特定のソフトウェアにより作成さ...
《解 説》
一 本件は、宗教法人の系列寺院の僧侶が住職らと共謀し、霊能力による病気治癒等を標榜した宣伝チラシを見て寺院を訪れた相談者から、加持祈祷の供養をすれば病気が治ると称して合計一〇〇万円をだまし取ったとされた事例である。被告人は、自己が霊能力を持つ僧侶で加持祈祷をし仏の啓示を受ける能...
《解 説》
一 本件は、投資ジャーナルグループの詐欺行為により損害を被ったと主張する顧客Xらが、グループ統括者の妻Y1、幹部社員Y2、取締役Y3、幹部社員Y4ないしY6に対して、不法行為もしくは商法二六六条の三に基づいて損害賠償を請求したものである。本判決は、
1 投資ジャーナルグループ...
《解 説》
一 Xは、平成八年六月に静岡県修善寺町の日本サイクルスポーツセンタで開催されたジャパンスーパーデュアスロンのショート部門に参加し、競技用自転車を使用してサーキットを走行していたところ、右競技に参加し、Xの後方を先行していたYの無理な追い越しにより追突され、路上に転倒して左太腿部...
《解 説》
一 原告X(被上告人)は、Aに対して、保証債務履行請求権と立替払により生じた求償債権とを有していた。保証債務の主債務は、株式会社B(代表取締役A)がXに対して負っていた貸金債務等であった。Aは多額の債務を負っていたが、自分の内妻である被告Y(上告人)に対して、他の債権者を害する...
《解 説》
一 原告は、会計事務担当者として勤務していた漁業組合において発生した横領事件の被疑者として在宅のまま取調べを受け、その後、業務上横領罪で起訴された。一審の千葉地方裁判所八日市場支部は、原告に対し、懲役二年の有罪判決を言い渡したが、控訴審の東京高等裁判所は、原判決には多くの疑問点...
《解 説》
一 本件は、被告人が、知人の暴力団組長からその面子を潰したとして、暴力団事務所に拉致され監禁状態に置かれた上、連日殴る蹴るなどの暴行を加えられたため、この際、右事務所に放火して騒ぎを起こし、組員らが消火に当たっているすきに逃亡するしかないと考え、右事務所の壁等に放火し、同室の一...
《解 説》
一 被告人Aは、韓国漁船の船長であるが、平成一〇年一月、日本の領水(領海及び内水をいう。内水とは領海の基線の陸地側の水域である。国連海洋法条約八条等参照)内の海域で漁業行為を行った。外国人が本邦の水域(領火と同義であるとされている。)で漁業を行う行為は外国人漁業の規制に関する法...
《解 説》
一 Y(被告、被控訴人)は、土地改良法八九条の二第四項において準用する八七条五項に基づき、平成六年一一月四日、同日から同年一二月二日まで本件換地処分に関する換地計画を縦覧に供した。X(原告、控訴人)は、Yに対し、同月一六日、本件換地計画に対する異議申立てをした。Yは、平成七年一...
《解 説》
一 本件判決は、第一審の判決書に記載された作成日(刑訴規則五八条一項)が宣告日の一年前の日付であった事案について、これを明白な誤記と認定し、その理由を示したものである。
最高裁判例の中には、判決作成日の誤りを明白な誤記とは認めず、判決に影響を及ぼす法令違反にあたるとしたものが...