《解 説》
一 Aは、本件土地建物を所有していたが、昭和六〇年一一月七日、本件土地建物を含む一切の財産をXに包括遺贈し、Bを遺言執行者に指定する旨の公正証書遺言をした。その後、Aは、Yとの間で、Bを立会人として、平成四年一二月一七日付で本件土地建物を売買代金七〇〇〇万円でYに売り渡す等の内...
《解 説》
一 本件は,Xが既に「自由党」の名称で政治団体の届出をし,右名称が告示されていたにもかかわらず,Yが「自由党」の名称で政党の届出をした行為が政治資金規正法六条三項に違反するなどと主張して,Yに対し,「自由党」の名称の使用禁止及び損害賠償を求めた事案である。
二 政治資金規正法...
《解 説》
平成七年一月一七日午前五時四六分、兵庫県南部地震(阪神淡路大地震)が発生し、人的・物的損害が甚大であったことは記憶に新しい。本件は、その六日後の同月二三日午後七時四二分ころ発生した火災により被災したXら四名がY生活共同組合との間で締結した建物ないし家財に関する火災共済契約に基づ...
《解 説》
Z株式会社(補助参加人)は、平成四年六月、産業廃棄物処理施設(安定型最終処分場)の設置について廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成三年法律第九五号による改正前のもの)一五条一項に基づきY知事に届出、同五年二月、最終処分場の設置を完了した。Yは、同年三月、改正後の法一五条四項(...
《解 説》
一 本件は、亡Aの遺産をめぐる相続人間の争いである。Aの二男であるXは、Y1その他の相続人らに対し、Aの生前にAから売買契約によりA所有土地の一部を買い受けたとして、右土地につき所有権移転登記手続等を、また、Aのした本件遺言はAが遺言能力を欠如等してしたもので無効であるとして、...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年一〇月一二日、Yの経営する産婦人科医院において、X2、X3の第二子の男児として出生したが、出生後仮死状態に陥ったため、救急車で近くの国立病院に搬送され、同病院等で治療を受けたが、低酸素状態による脳性麻痺等の重篤な後遺障害が残った。
そこで、Xらは、右医院...
《解 説》
一 概要
本件は、平成三年九月一九日、下流での洪水を防止するため千葉県が発注して工事中であった国分川のトンネル式分水路に台風の豪雨により増水した川水がなだれ込んでトンネル内の七名の作業員が溺死し、県の現場責任者が業務上過失致死罪で起訴されたものである。控訴審判決は、第一審判決...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、証券会社と法人との間で平成三年改正証券取引法施行前に締結されたいわゆる「飛ばし」約束の効力が問題となった事案である。証券会社Yは顧客Aとの間で「営業特金」とよばれる金員預託を受け一任勘定による株式運用を行っていたが、運用結果が思わしくなく株価下落により...
《解 説》
本件は、甲教団の教祖Aの刑事事件の私選弁護人に選任されていたXについてY1発行の写真週刊誌が、Aに復讐を始めた再解任Xの大嘘、そのXがAへの復讐に転じている、最後の金稼ぎをしようと、取り調べの状況やAとの接見内容などを一部マスコミに流し始めた等の記事及び見出しを掲載したことが名...
《解 説》
一 本件は、原告が、既に審決取消訴訟を経て確定した審決の審判等につき、特許庁審判官のなした審判の違法、裁判官のなした審決取消訴訟の違法などを主張し、国に対して損害賠償を請求し、請求棄却とされた事案である。
二 本件においては、審決取消訴訟の違法が問題とされたところ、裁判官のな...
《解 説》
Xの親族A(七五歳)は平成六年一一月一八日腹痛のため病院に入院したが、当夜、胃潰瘍穿孔による汎発性腹膜炎を発症し、翌九日緊急手術を受けて胃の三分の二を切除した。Aは、その後、高齢と糖尿病による影響から経過が悪く、同月一五日には軽い肺合併症を患い、同月二二日には、依然として呼吸困...
《解 説》
一 訴外A(昭和五七年生)は、昭和六三年九月、自転車に乗って埼玉県上福田市内の市道を進行中、走行してきたタクシーに衝突され、頭部等の傷害を負ったため、直ちに救急車によってYが経営する病院(以下、「Y病院」という。)に搬入され、病院長の診断を受けたが、頭蓋骨骨折はないとして、帰宅...
《解 説》
株式会社Aは、大型の公衆浴場(浴室、二四〇人分のロッカーを備える脱衣室、タンニングルーム、遠赤サウナ、打たせ湯、エステ浴、塩サウナ、気泡風呂、寝湯、ハーブ風呂、ホットベンチ、全身浴兼低周波浴、ボディーシャワー等を備える)の建築を計画し、Y建築主事から建築確認を得た。Xら二名は、...
《解 説》
一 X1とX2の子である訴外Aは、平成七年七月一九日、自動二輪車を運転して、兵庫県西宮市内の国道を走行中、普通貨物自動車と衝突して多発肋骨骨折等の傷害を負ったため、救急車で「熊野病院」に搬送され、同病院において、レントゲン撮影等の諸検査、刺創の縫合等の処置を受けていたが、その途...
《解 説》
一 本判決は、いわゆるトリカブト事件につき、被告人を有罪と認めて無期懲役に処した第一審判決に事実誤認はないとして控訴を棄却したものである。
この事件が発生してから被告人が起訴されるまでの特殊な経過については、第一審判決の解説(本誌八七八号八七頁)に詳しく紹介してあるので、ここ...
《解 説》
一 本件は、香港高等法院がした訴訟費用負担命令について、Xらが、旧民訴法二〇〇条各号の要件を具備するとして、民事執行法二四条に基づき、執行判決を請求した事案である。一、二審とも、Xらの請求を認容した。本判決は、改正後の民事執行法二四条及び民訴法一一八条に基づき承認・執行要件の存...
《解 説》
一 税理士である原告は、農業相続人として相続税の猶予を受けていた顧客から一定の要件のもと農地の転用後も引き続き相続税の納税猶予を受けられる手続きである農地特定転用承認申請手続きを委嘱された。租税特別措置法によれば、農地を相続した相続人が農業経営をする等の要件があれば相続税が猶予...
《解 説》
一 X会社は、訴外会社Aの子会社であり、パナマ共和国海運局において貨物船(本件船舶)の所有者として登録されていた。Y会社は、平成元年ころから、Aに対し、船舶用の塗料を売り渡し、売掛代金債権を有していたが、Aは、平成五年一一月一〇日ころ、債務超過を理由として支払を停止する旨の通知...