《解 説》
一 Aについて会社更生手続開始の申立てがされ、会社更生法三九条の規定に基づき弁済禁止の保全処分が発令された。XはAに二つのビルを貸している賃貸人であるが、Aはこの保全処分がなされる前から賃料の支払を遅滞しており、その額は一億一二〇〇万円余りに上っていた(一方が約三か月分、他方が...
《解 説》
一 Xは、宮崎県内に住所を有する者であるが、宮崎県情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、宮崎県が資本金の四分の一を出資するフェニックスリゾート株式会社(以下「本件法人」という。)が株主総会において宮崎県に配布した計算書類等の文書の開示を請求した。これに対し、Y(県知...
《解 説》
一 ともに建設会社であるXとYは、特定の建築工事の請負を目的として、二分の一ずつの出資で本件共同企業体を結成し、目的とした工事を受注して工事を行っていたが、その途中でXが共同企業体から離脱し、和議開始の申立てをした。Xについては、その後、和議債権の一部免除等を内容とする和議条件...
《解 説》
一 Xは、平成五年七月、A所有の本件建物につき根抵当権を設定し、Aに対して金銭を貸し付けてきた。Yは、Aから工事代金債権を回収するため本件建物の賃貸権限を付与されており、Bに対して本件建物を賃貸している。XはAに対する債権のうち一五〇〇万円を請求債権として抵当権に基づく物上代位...
《解 説》
一 Xは、Y県立高校の三年生に在学当時、生徒指導担当のA教諭から授業中の態度が悪いと説諭を受けていた際、暴行を受けた(その態様については、争いがある。)。
Xは、本件事件後、頭部痛や吐き気、上下肢のしびれ感等の症状を訴えて、長期にわたり多数の病院で入通院治療を受け、左上下肢機...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは、既に存続期間が満了しているメシルカモスタット製剤に関する特許権を有し、その特許発明の実施品である化合物を含有する医薬品(フオイパン錠)を製造、販売している。ところが、後発医薬品メーカーであるYらは、右特許権の存続期間満了前に後発医薬品...
《解 説》
1 事案の概要
原告及び被告は商社であり、両社と訴外大市物産との三社間において、次のようないわゆるつけ売買又は介入取引と呼ばれる取引が行われていた。第一に、大市物産から、被告、原告、大市物産へ順次商品を転売する取引(以下「順方向取引」という。)、第二に、原告、被告、大市物産へ...
《解 説》
本件は、いわゆる訴因変更の時期的限界が問題となった事例である(事実認定上の争点もあるが、この点の紹介は省略する。)。
判決の認定によれば、本件訴因変更に至る経緯は、大要次のようなものである。
H6・11・19 強盗傷人罪で通常逮捕
H6・11・21 強盗殺人未遂罪で勾留
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《解 説》
一 本件は、娘の無断外泊を巡って父娘間で口論となり、娘の態度に憤激の余り、父親である被告人が娘に対し背後から出刃包丁を投げつけたところ、後頭部に出刃包丁が命中し、小脳刺創等により死亡させたという事案である。被告人は、殺人罪で起訴された。
二 本件では、主として殺意の有無が争わ...
《解 説》
一 本件は、大学卒業後、健全な社会人としてまじめに生活をしてきた被告人が、約二年間に及ぶ長男の家庭内暴力に苦しんだ挙げ句、その苦しみから逃れるため、当時一四歳になる中学三年生の長男を金属バットで殴打するなどして殺害した、という事案である。
二 本件は、事件発生当初からマスコミ...
《解 説》
Xはその所有する土地及び建物につき昭和五六年二月にY銀行のため設定された根抵当権の効力を争い、Yに対して、所有権に基づき、各根抵当権設定登記の抹消登記手続及び根抵当権が存在しないことの確認を求め、出訴した。Yは抗弁として、昭和五六年二月、YがXとの間でA社を主債務者として極度額...
《解 説》
Aは、港湾荷役作業に従事する労働者であり、昭和五二年ころから虚血性心臓病、本態性高血圧症の持病を有していたところ、同五七年七月三一日、レッカー車を運転する業務に従事した後帰宅し、胸痛を訴えて倒れ、医師の手当てを受けたが、同日夜心筋梗塞により死亡した。Aの妻Xは、Aの死亡が業務上...
《解 説》
一 本件は、少年ABら五名が、塾帰りの中学生四名から金銭を喝取し又は喝取しようとしたとされる恐喝、同未遂保護事件の否認事案であり、少年法一六条に基づく援助協力の依頼に応じて捜査機関が家庭裁判所に送付した証拠について、家庭裁判所がその存在を少年側に了知させないまま右証拠を非行事実...
《解 説》
Xは、昭和三九年に税理士登録をし、東京税理士会の荻窪支部(Y)に所属していたが、平成四年に破産宣告を受け、同七年に税理士登録を抹消された。Xは、Yが平成四年から同七年の各六月に開催したYの定期支部総会の議案書の財産目録の未収入金額欄にXの氏名及び平成二年度以降未納となっている支...
《解 説》
一 川崎市内に土地を所有するXらは、土木建築工事の設計請負業等を営むYの社員の、等価交換方式によれば税金はかからないからマンションの建築をしたらどうか等の勧めによりYとの間でマンションの建築請負契約を締結したうえマンションを建築し、完成したマンションを約八億二九四三万円で売却し...