《解 説》
一 Xは、医薬品の特許権を有し、その特許発明に属する医薬品を訴外製薬会社に供給し、訴外製薬会社が薬事法の製造承認を得て右医薬品を製造、販売している。Yは、医薬品の製造販売等の事業を行っている製薬業者であるが、本件特許権の存続期間中に右特許発明に属する医薬品を製造、使用して各種の...
建物賃料債権の差押えの効力が発生した後に建物を譲り受けた者が賃貸人の地位の移転に伴う賃料債権の取得を差押債権者に対抗することの可否(消極)
《解 説》
本件は天皇族Aの子X1及びX2が他の子Y1及び電鉄会社Y2に対し、AがY2から黙示的に贈与された土地建物をYらが共謀により処分したと主張して、不法行為に基づき、それぞれ内金として一億五五〇〇万円の損害賠償を求めた事案である。
背景事情は複雑であるが、要約するとおよそ次のとおり...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。
1 Xと事実上の婚姻関係にあるAは、昭和五八年一一月、XとAとの間に出生したBの出生届を、父としての届出人資格に基づきY(区長)に対し提出した。Yは、東京法務局長の指示に基づき、Aに対し、その届出人資格を同居人とすることなどの補正を...
《解 説》
一 本件は、首都高速湾岸線東行道路東京港トンネル内において発生した自動車七台の追突事故に関するものであり、事故直後の状況は、先頭から四番目の大型貨物自動車(以下「甲車」という)に先頭から五番目の普通乗用車(以下「乙車」という)が押し込まれて、乙車の運転者が死亡し、先頭から六番目...
《解 説》
一 本件は、酒税法違反の刑事事件において酒類販売業免許制度を定めた酒税法九条一項及びその罰則規定である同法五六条一項一号の合憲性が争われた事案である。
同制度の合憲性に関する本判決以前の最高裁判例としては、「角田酒販」にかかる免許拒否処分取消請求事件である最三小判平4・12・...
《解 説》
本件は、Y3市内に架設中のモノレール(アストラムライン)の橋桁が落下し、折から車で通行中であった者等、合計一五名の者が死亡した事故について、そのうち三名の被害者の遺族Xら八名が、請負業者Y1及びその下請業者Y2に対しては使用者責任に基づき、発注者であるY3に対しては注文者の過失...
《解 説》
一 Xは、群馬県内に住所を有する者であるが、平成六年一二月、群馬県公文書の開示等に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき、Yに対し、Zが作成してYに送付したゴルフ場開発に係る環境影響評価書(以下「本件文書」という。)の写しの交付を求める開示請求をした。これに対し、Yは、...
《解 説》
一 本件は、共同相続人間の遺産をめぐる紛争であり、事実関係及び訴訟の経過の概要は、次のとおりである。被相続人(平成二年一〇月二七日死亡)の法定相続人は、妻と四人の子であったが、被相続人は、その所有財産を妻と三男Xに持分二分の一ずつ取得させる旨の自筆証書遺言を作成していたところ、...
《解 説》
一 亡A(昭62・8・20死亡)の相続人は、妻であるX1、長女であるX2及び長男であるY1である。Y2はY1の妻、Y3及びY4はY1とY2の子である。X1X2は、亡Aが六七歳の時にY1~Y4にした判示の1~6の土地の生前贈与(昭53・10・16と昭54・1・16の二回に分けて贈...
《解 説》
本件は、建物の賃料債権を差し押さえたXと、差押え後に建物を譲り受けたYとの間で、建物の賃借人が供託した賃料についての供託金還付請求権の帰属が争われた事件である。
Xは、本件建物を所有していたAに対する債務名義に基づいて、本件建物の賃借人四名を第三債務者として、Aが右賃借人に対...
《解 説》
一 千葉県八千代市においては、職員の勤務時間に関する規則により、職員の勤務時間は午前八時三〇分から午後五時一五分までとされていたが、八千代市職員の職務に専念する義務の特例に関する条例(職免条例)二条が、職員の職務専念義務を免除できる場合として、研修を受ける場合(一号)、厚生に関...
《解 説》
本件は、不動産競売手続実行停止の仮処分申立事件において仮処分債権者Aに代わり、代理人Yが支払保証委託契約を締結する方法により担保を立てた場合において、右仮処分が異議により取り消され、仮処分申立てが取り下げられ、実質的債権者であるとされるXから不法仮処分を理由とする損害賠償請求訴...
《解 説》
一 原告らは、相続により遺産共有状態にある三つの不動産について、これらを単独所有にすべく、それぞれの持分を移転する旨合意したので、その旨の所有権移転登記手続を、司法書士である被告に相談したところ、被告は、原告ら(厳密にはその一人が全員を代表していた。)と実体関係について打ち合わ...
《解 説》
一 Xらは、腎癌で死亡したAの両親であるが、Y1が経営する総合病院の勤務医であるY2がAを紫斑性腎炎と誤診して精密検査を怠った過失によりAが腎癌で死亡したとして、Yらに対し不法行為(Y1には使用者責任)に基づく損害賠償請求に及んだのが本件訴訟である。
Yらは、Y2医師がAを紫...