《解 説》
本件は、Y3市内に架設中のモノレール(アストラムライン)の橋桁が落下し、折から車で通行中であった者等、合計一五名の者が死亡した事故について、そのうち三名の被害者の遺族Xら八名が、請負業者Y1及びその下請業者Y2に対しては使用者責任に基づき、発注者であるY3に対しては注文者の過失...
《解 説》
一 Xは、群馬県内に住所を有する者であるが、平成六年一二月、群馬県公文書の開示等に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づき、Yに対し、Zが作成してYに送付したゴルフ場開発に係る環境影響評価書(以下「本件文書」という。)の写しの交付を求める開示請求をした。これに対し、Yは、...
《解 説》
一 本件は、共同相続人間の遺産をめぐる紛争であり、事実関係及び訴訟の経過の概要は、次のとおりである。被相続人(平成二年一〇月二七日死亡)の法定相続人は、妻と四人の子であったが、被相続人は、その所有財産を妻と三男Xに持分二分の一ずつ取得させる旨の自筆証書遺言を作成していたところ、...
《解 説》
一 亡A(昭62・8・20死亡)の相続人は、妻であるX1、長女であるX2及び長男であるY1である。Y2はY1の妻、Y3及びY4はY1とY2の子である。X1X2は、亡Aが六七歳の時にY1~Y4にした判示の1~6の土地の生前贈与(昭53・10・16と昭54・1・16の二回に分けて贈...
《解 説》
本件は、建物の賃料債権を差し押さえたXと、差押え後に建物を譲り受けたYとの間で、建物の賃借人が供託した賃料についての供託金還付請求権の帰属が争われた事件である。
Xは、本件建物を所有していたAに対する債務名義に基づいて、本件建物の賃借人四名を第三債務者として、Aが右賃借人に対...
《解 説》
一 千葉県八千代市においては、職員の勤務時間に関する規則により、職員の勤務時間は午前八時三〇分から午後五時一五分までとされていたが、八千代市職員の職務に専念する義務の特例に関する条例(職免条例)二条が、職員の職務専念義務を免除できる場合として、研修を受ける場合(一号)、厚生に関...
《解 説》
本件は、不動産競売手続実行停止の仮処分申立事件において仮処分債権者Aに代わり、代理人Yが支払保証委託契約を締結する方法により担保を立てた場合において、右仮処分が異議により取り消され、仮処分申立てが取り下げられ、実質的債権者であるとされるXから不法仮処分を理由とする損害賠償請求訴...
《解 説》
一 原告らは、相続により遺産共有状態にある三つの不動産について、これらを単独所有にすべく、それぞれの持分を移転する旨合意したので、その旨の所有権移転登記手続を、司法書士である被告に相談したところ、被告は、原告ら(厳密にはその一人が全員を代表していた。)と実体関係について打ち合わ...
《解 説》
一 Xらは、腎癌で死亡したAの両親であるが、Y1が経営する総合病院の勤務医であるY2がAを紫斑性腎炎と誤診して精密検査を怠った過失によりAが腎癌で死亡したとして、Yらに対し不法行為(Y1には使用者責任)に基づく損害賠償請求に及んだのが本件訴訟である。
Yらは、Y2医師がAを紫...
《解 説》
一 被控訴人(以下「X」という。)は、東京都の区域内に住所を有する者であるが、東京都公文書の開示等に関する条例(昭和五九年東京都条例第一〇九号。以下「本件条例」という。)に基づき、控訴人都知事(以下「Y」という。)に対し、都の執行機関が開催した都議会議員との会議の際の飲食費関係...
《解 説》
一 本件は、昭和六二年に近鉄東大阪線生駒トンネル内において発生した火災により、同トンネル内を通過中の電車の乗客らが有毒ガスを吸引するなどして、死者一名及び重軽傷者四二名を出したいわゆる近鉄生駒トンネル火災事故に関する控訴審判決である。原審である大阪地判平7・10・6本誌八九三号...
《解 説》
一 Xは、平成五年一〇月六日に死亡した訴外A(大正六年生)の戸籍上の配偶者であるが、Aが旧厚生年金法に基づく「老齢年金受給者」であったため、同年一二月、Yに対し、遺族厚生年金の裁定を請求したところ、平成七年一月、遺族厚生年金を支給しない旨の処分をしたため、審査請求及び再審査請求...
《解 説》
一 Xの夫である訴外Aは、昭和五九年一月に建設会社に雇用され、同日から、長野県南佐久郡南牧村所在の導水路巻替工事現場において抗夫として就労し、道水路用既設トンネルのコンクリート斫り作業等に従事していたが、同月三一日、抗内の斫り作業用仮設ステージのズリ落とし用開口部から約六〇セン...
《解 説》
一 大麻取締法には、大麻の輸入、所持、譲渡などの罪を「営利の目的」で犯した者に対して、その目的がなかった者よりも刑を加重する旨の規定が置かれている(二四条二項など。覚せい剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法、あへん法にも同様の規定がある。)。
覚せい剤取締法に関する最高裁判例によ...
《解 説》
一 Yは訴外A1を債務者として本件建物につき占有移転禁止の仮処分命令を得た。右仮処分執行後、Yは、A1及び本件建物のうち住居部分(「本件住居」)をA1と共同占有していた訴外A2の両者を相手取って、本件建物明渡請求訴訟(「先行訴訟」)を提起し、勝訴した。ところが、先行訴訟の提起後...
《解 説》
保険契約者Aは、Yと生命保険契約を締結し、保険金受取人を「保険事故発生時の被保険者の法定相続人」と約定した。Aはその後、秘密証書遺言により保険金受取人を遺言執行者であるXに変更し、死亡保険金の分配を別に定める遺言執行合意書に従ってXにゆだねるものとした。Aがその後死亡したので、...
《解 説》
本件は証券会社員の顧客に対する不法行為について証券会社が使用者責任を負うか否かが争われた事案である。
Xら三名は、証券会社Yの社員Aから損失補填として入金すると月一割の配当が付くなどといって金銭を騙し取られたが、Aの行為は外形的に見てAの職務の範囲内に属するものであるから、Y...