《解 説》
一 AとYとは、長年内縁関係にあり、本件不動産を自宅及び共同事業のための作業場として共同で使用していた。昭和五七年にAが死亡した後、Yが本件不動産を単独で使用していたところ、Aの相続人であるXとYとの間で本件不動産の所有権の帰属をめぐって争いとなり、前訴において、本件不動産がA...
《解 説》
一 本件の当事者であるX1ないしX4およびYはいずれも弁護士である。Aは、B及びCに不動産を賃貸していたが、Yは、Aの訴訟代理人として、B及びCに対し、賃料不払を理由に賃貸借契約を解除したとして不動産の明渡を求めるとともに、B及びC並びに両名の連帯保証人であるDに対し、延滞賃料...
《解 説》
一 本件は、法人税法違反により執行猶予付有罪の確定判決を受けた後、自ら馬主登録の抹消手続をした原告が、右執行猶予期間経過後に、被告に対して改めて馬主登録の申請をしたのに対し、被告が、原告の馬主登録を拒否する旨の処分をしたため、原告が、右拒否処分の取消しを求めた事案である。
二...
《解 説》
Xは、曹洞宗の寺院であるが、昭和初年以降、Y市の市道として供用されてきた市道敷とその法敷について、Y市が何らの権原なく使用していると主張し、Y市に対し、不当利得の返還を求めた。判示事項に関連する争点は、民法七〇三条に定める「法律上ノ原因」の存否、具体的には占有権原の有無であって...
《解 説》
一 本件は、大阪精神医療人権センター(以下「人権センター」という。)に所属する原告ら弁護士が、被告医療法人北錦会開設にかかる大和川病院(診療科目は精神科と神経科)に入院中の患者に面会を求めたところ、その面会申入れが違法に拒絶されたため精神的苦痛を被ったとして、被告北錦会のほか、...
《解 説》
一 Xは寺院であり、詐欺容疑で強制捜査を受け、主要幹部全員が逮捕、勾留されるという事態も予測されることから、Yに二億三〇〇〇万円を預託したが、その後、Yから一億七〇〇〇万円の返還を受け、残る六〇〇〇万円の返還を求めて訴訟を提起した。
これに対して、Yは、X側がYの受任していた...
《解 説》
家電機器の販売業者であるXは平成三年四月、大手証券会社Yの従業員Aの電話によりワラントの購入を勧誘され、その場で保有していた株式を売却し、額面金額五〇〇〇ドルのワラントを七〇九万円余で購入することを決めた。Xは後から送付された説明書によりワラントには権利行使期間があり、これを過...
《解 説》
Xは、平成四年四月、Yに対して七五〇万円を貸し渡し、その担保として二三筆の土地について極度額を一二〇〇万円とする根抵当権設定契約を締結した。しかし、Yは設定登記に必要な委任状をXのもとに持参せず、その後の催告にもかかわらず、委任状を提出しなかった。Yは、平成七年ころから返済を遅...
《解 説》
X2、X3の子X1はY市の市立中学二年生で、水泳部に所属していたが、平成四年七月、校内のプールにおいて部活動の練習中、逆飛込みをしてプールの底に頭を打ち、頚椎骨折等の傷害を負った。Xらは、本件プールには設置管理の瑕疵があり(国賠法二条)、また、顧問教諭の指導上の安全保護義務違反...
《解 説》
一 訴外A(昭和一〇年生)は、かつては香川県丸亀市内において洋服の仕立・販売業を営んでいたところ、平成六年に経営不振により廃業し、平成七年四月から、香川県内の国家公務員の官舎の管理人になっていたが、同年五月ころ、自動車を運転中、香川県坂出市の林田港において、自動車ごと海中に転落...
《解 説》
本件は、被告Y1所有ビルの抵当権者である原告が、物上代位権に基づいて本件ビルの賃借人である被告Y3らに対し賃料の支払及び供託金の還付請求権を有することの確認を求めた事案である。本件ビルの賃料債権は、被告Y1から被告Y2に譲渡され被告Y3らが右債権譲渡を承諾したことにより対抗要件...
《解 説》
一 本件は、被相続人の遺産である土地建物を相続人間で共有とする旨の遺産分割をした後に、一部の共有者から共有物分割が求められた事案である。本件の事実関係及び訴訟の経過の概要は、次のとおりである。
被相続人の死後、その子X1X2Y1Y2Y3Y4の間で、遺産である土地建物(本件不動...
《解 説》
一 本件は、米国の楽器メーカーであるXが、自社の製造、販売する三つのモデルのエレクトリックギターと類似する形態のエレクトリックギターを製造、販売するわが国の楽器メーカーであるYに対し、主位的に、Yの行為は不正競争防止法二条一項一号の不正競争に当たるとして差止め及び損害賠償を、予...
《解 説》
一 亡甲(平成三年七月三日死亡)の相続人は、A(長男)、B(二男)、C(原告・三男)及びD(長女)の四名であったが、甲作成名義の遺言公正証書が存在し、その内容の骨子は、(一) 遺言執行者及び祖先の祭祀主宰者に二男Bを指定する、(二) 新宿の不動産を二男Bに相続させる、(三) 本...
《解 説》
一 本件は、夜間の路上で被告人が行きずりの者ともめごとを起こしてにらみ合っていた際、相手方の連れが横の方から近づいて被告人の顔面に手を触れたのに対し、これをいきなりアスファルトの路面に投げ倒して重傷を負わせたという事案である。
本件においては、被告人が被害者に対して傷害を負わ...
《解 説》
パチンコ店を経営するX社は、保険会社Yとの間で平成三年一二月二二日から一年間を保険期間、パチンコ機械等を保険の目的とし、保険金額を三億三五〇〇万円とする火災保険契約を締結し、その期間満了とともに契約を更新して、平成四年一二月二二日から一年間についても付保された(第一次契約)。X...