《解 説》
一 Xは、米国カリフォルニア州に居住するアメリカ合衆国市民であり、Yは、日本において米国製自動車輸入販売業を営む日本人である。Xは、Yに対し、カリフォルニア州第一審裁判所ロサンゼルス郡裁判所において、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起し、Xが所有し第三者に寄託していた自動車...
《解 説》
原告の姉Aは、平成五年当時、被告Y1(国)に対して定額郵便貯金等を有していたが、同年八月死亡し、原告の甥である被告Y2は、Aから預貯金全部の遺贈を受けたとしてA名義の定額郵便貯金全額の払戻を受けた。原告は、被告Y2がAから預貯金の遺贈を受けた事実を争い、法定相続分の割合に従って...
《解 説》
一 Xは、昭和二〇年一〇月、播磨造船所に入社し、昭和四〇年から昭和六一年までの間、主としてテレックス業務に従事していたが、昭和六一年にいわゆる頚肩腕症候群に罹患したため、Yに対し、労災保険法に基づき療養補償給付を請求したところ、業務外の疾病であるとして不支給決定処分がなされたた...
《解 説》
一 原告ら(上告人ら)の父(被相続人)が死亡して相続が開始したが、原告らは限定承認をした。原告らが死因贈与を受けた本件土地(登記簿上は持分各二分の一)について、被告(被上告人)が、原告らの被相続人との間の執行証書に基づき、原告らへの承継執行文(相続財産の限度における執行を許すも...
《解 説》
一 本判決が前提とした原審確定事実の概要は、本判決の二項にまとめられているとおりである。これを単純化した図面で示すと、A(玉井)が宅地造成をしたときの区画は図面(一)のとおりであり、A↓X(被上告人)の三六〇四番八の土地の売買及びA↓B(新垣)↓Y(上告人)の三六〇四番五の土地...
《解 説》
本件は、けん銃と実包の譲受けを幇助したとして起訴された銃砲刀剣類所持等取締法(以下、銃刀法という。)違反幇助の事案である。事実関係は、本決定に指摘されているように、被告人が、所属する暴力団の若頭からけん銃等の入手方を依頼されたため、知り合いの暴力団組員にその当てについて打診した...
《解 説》
Xらの子で小学校一年生のAは、H城内堀の取水施設の取水口付近で流れ着いたボールを取ろうとして足を滑らし、転落して溺死した。右取水施設は、一級河川の水質改善の目的で国Yが管理していたものであった。Xらは、本件河川の堤防に遊歩道があり、遊歩道から本件取水口付近まで斜階段があり、子供...
《解 説》
一 A(大正一〇年生まれの男性)は、肺気腫、結核、一二指腸ポリープ、肺ガン等により、被告病院への入院を繰り返していたが、昭和六二年九月の左上葉肺切除手術後は慢性呼吸機能障害の状態に陥り、同年一二月から昭和六三年五月まで、同年六月から七月一九日までの間、肺気腫等により被告病院に入...
《解 説》
酒類販売小売業の免許を有するO社は酒税法一六条に基づき販売場を同一市内の他の場所に移転することの許可をY1税務署長に申請し、その許可を得た。移転場所から約一〇〇メートルないし四五〇メートル以内において酒類販売小売業を営んでいるXら四名はY1に対し右移転許可処分の取消しを求め、併...
《解 説》
一 X1は、X2が横浜市磯子区に所有する建物を賃借してパチンコ店を経営しているものであるが、平成四年一一月二四日深夜、右建物一階から出火し、右建物一階部分のパチンコ店内の機械什器備品をほぼ全焼し、建物本件一階部が焼失した。
そこで、X1は、右建物内のパチンコ機械設備什器備品に...
《解 説》
Xら六名は、Yから土地を賃借し、建物を所有していたが、地代不払を理由に土地賃貸借契約を解除され、建物収去土地明渡しを求める訴えを提起された。Xらの訴訟代理人AとYの間で裁判上の和解が成立し、Xらは猶予期間として約九か月後に建物を収去して土地を明け渡し、賃料相当損害金を支払うこと...
《解 説》
本件は、市立保育園に勤務する保母である原告が、頚肩腕症候群(頚肩腕障害)、腰痛症及び自律神経失調症(以下「本件疾病」という。)に罹患したのは、原告の保母業務に起因するものであるとして、被告に対し、公務災害の認定請求をしたところ、公務外災害であるとの認定を受け、審査請求及び再審査...
《解 説》
一 本件は、交通事故と被害者の死亡との因果関係の有無及び本件事故の寄与度を理由とする損害の減額の可否、程度が主に争われた事案である。
1 Yが運転する軽四輪貨物自動車が、見通しの悪いカーブにおいて道路中央を越えて進入してきたため、対向走行中の被害者Aの運転する原付自転車に衝突...
《解 説》
X所有の区分所有建物(登記簿上二戸)について平成八年四月競売開始決定がされ、同年六月、本件建物は一六一〇万円と一七三九万円の合計三三四九万円と評価され、同年一二月、最低売却価額を右金額と決定して売却実施命令が出された。Xは、本件建物は、隔壁を一部取り除いて内部改装を施し、当初か...
《解 説》
X2及びX3夫婦の子X1は、Y市の設置管理するT小学校の四年生であったが、平成六年六月、Y市の公園内にある青少年野外活動センターで行われた同小学校の主催する泊まり掛けの体験学習に参加した。翌日の午前中に課外活動の一貫として「山賊ラリー」と称するゲームが行われ、X1も参加したが、...
《解 説》
一 Xの夫である訴外Aは、昭和六二年一〇月、訴外Bから、その所有である本件建物を買い受け、その買受代金はBに対するAの貸金債権と相殺したが、右貸金債権者が名義上Xであったため本件建物の登記上の所有名義をXにした。
そして、Xは、本件建物の登記上の所有名義人であるから、その所有...
《解 説》
X1は、分離前相被告会社(以下「分離前相被告」という。)から金銭を借り受けた(以下「本件消費貸借契約」という。)者であり、X2は、本件消費貸借契約に基づくX1の分離前相被告に対する債務についての連帯保証人である。
Yは、本件消費貸借契約に関し、強制執行受託条項付公正証書(以下...
《解 説》
Xは食料品等の販売を業とする有限会社であり、共同店舗(ショッピングセンター)の設置等の事業を行うY協同組合に加入し、二九四二口(額面一口が一万円)の出資持分を有していたが、平成八年一月末、Yに対し任意に脱退する旨届け出た。Yの定款一四条には、組合員が脱退したときの払戻金額につい...
《解 説》
一 原告は、金属加工等を目的とする株式会社であり、被告は、平成八年九月二日に原告の従業員により結成された労働組合であり、権利能力なき社団である。
原告は、被告組合員に対して支給する平成八年度の年末一時金(本件一時金)について、被告と団体交渉を重ねた結果、平成九年三月二六日、本...