《解 説》
一 本事案は、在日朝鮮人女性が、外国人登録証明書の交付を受けて、従前は法定の切替期間ごとに確認申請をして右登録証明書の切替えをしていたが、本件の切替えの際、これを失念して約一年徒過し、確認申請義務に違反したとして略式起訴され、その後正式裁判となったものである。
本件当時の外国...
《解 説》
一 本件訴訟
本件は、平成八年一〇月二〇日に施行された衆議院議員総選挙のうち小選挙区選出議員の選挙の効力が争われた事件である。
周知のとおり、衆議院議員の選挙の基本的な枠組みを定めている公職選挙法(以下「公選法」という。)は、平成六年以来、いわゆる政治改革関連法案の一環とし...
《解 説》
本件は、深夜に個人タクシー運転業務に従事する原告が、居住するアパートに隣接して行われたマンション建設工事の騒音被害により日中の睡眠を妨害されたとして、建設会社及び施主に対し、慰謝料等の損害賠償を求めた事案である。
原告は、マンション建設工事により、社会生活上の受忍限度を超える...
《解 説》
一 本件は、大和銀行ニューヨーク支店の勤務行員の無断取引によって生じた巨額損失事件に関して、右銀行の株主Xら二名が、右銀行の昭和六〇年一〇月二三日から平成八年五月八日までの現旧の取締役又は監査役Yらに対して、右銀行がアメリカ政府から刑事訴追を受け、司法取引に応じて支払った罰金と...
《解 説》
本件は、有責配偶者である夫Xから妻Yに対する離婚請求の可否をめぐる訴訟であり、第一審は、Xからの離婚請求を認容したが、控訴審は原判決を取り消し、請求を棄却したものである。
事実の詳細は不明であるが、控訴審判決の判断欄等からすると、およそ次のようである。XとYは、昭和五三年に婚...
《解 説》
一 本件は、「事案の要旨」にも説明がある通り、脳出血の治療のための脳内血腫吸引手術後の患者の死亡につき、病院側の措置の当否が争われたものである。
平成三年三月六日、当時六五歳であったAは、被告Yが運営している病院で脳内血腫の吸引除去手術を受けた。その五日後からAは呼吸不全とな...
《解 説》
一 本件は、定年前に退職した町職員に町が報償費の名目で支給した公金(報償金)は、実質的には退職金の上乗せであり法的根拠のない不当な支出であるとして、同町の住民(町議)が住民監査請求を経て、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、町に代位し、町長個人に対し、支出金を返還するよう...
《解 説》
一 本件は、大手建設会社Y1の子会社Y2の営業所における一連のセクシュアル・ハラスメントについて、被害者である女性従業員Xの供述の信用性を認め、その主張に沿った事実を認定した上、わいせつ行為の事実を認めなかった原判決を取り消し、セクシュアル・ハラスメントの加害者である営業所長Y...
《解 説》
一 本件で問題となっている本件通路は、昭和四年ころ、当時の土地の所有者である訴外Aが、自己の農作業の利便のために、自らの費用で造成し、農作業用の通路として利用を始め、附近の田の耕作者らにも通行を認めてきた。
Xは、昭和三〇年に、Aから本件道路を含めた土地を取得し、Aと同様附近...
《解 説》
一 本件は、書類の進達事務に関し、不作為の違法確認訴訟の訴訟要件である「処分」の意義が問題となった事案であり、同様の法的問題は、様々な場面で起こり得るもので、実務上参考になると思われるので紹介する。
本件の事案の概要は次のとおりである。文部大臣の史跡指定により、ホテル建設工事...
《解 説》
一 事案の概要
被告Y1の乗車した車両が、原告の経営する駐車場に無断駐車し、同人が車両に車止めを掛けようとしたことから、両者間で口論となった上、もみ合いとなり、車止めで頭部を負傷した同被告が、原告を車両に押し付け、身体の自由を拘束した上、現場に来た蒲田署警察官に対し、無断駐車...
《解 説》
Xは不動産競売事件の期間入札において、執行裁判所所定の入札書用紙の事件番号欄に「平成九年ケ第一〇一三号」、入札価額欄に「二一五〇〇〇〇〇円」等と記載し、入札書を執行裁判所所定の封筒に入れ、封筒の事件番号欄に「平成六年ケ第一〇一三号」等と記載して執行官に提出した。本件期間入札には...
《解 説》
一 本件は、日本(内地)人である母の婚外子として昭和二五年一月一一日にわが国において出生した(昭和二五年五月四日法律第一四七号による改正前の国籍法三条参照)Xが、Y(国)に対して、日本国籍を有することの確認を求めた事件である。
二 Xの国籍喪失についてのYの主張は次のとおりで...
《解 説》
本件は、小学校の学校行事として行われていた校内持久走大会を見学していた小学一年の児童が、見学中に、校庭内に設置してあった日時計によじ登ろうとして日時計に体重をかけたために日時計が転倒し、児童がその下敷きになって死亡したという事故につき、当該児童の両親に対し保険給付をした原告が、...
《解 説》
本件は、Xの監禁傷害による逮捕等を報道した新聞記事がXの名誉を毀損するものであったと主張し、Xが新聞社Y1及びその報道部長Y2を相手に慰藉料六〇〇万円の支払を求めた事案であるところ、本判決は、Y1に慰謝料三〇万円の支払を命じ、Y1に対するその余の請求及びY2に対する請求を棄却し...
《解 説》
一 X1は、平成七年六月、Y会社の取締役に選任され、X2は、平成八年六月、Y会社の取締役に選任され、平成八年七月から、X1には月額二七〇万円、X2には月額一一三万円の取締役報酬が支給されることになったが、同年八月の定例取締役会において、非常勤の取締役とされ、同年九月からの取締役...
《解 説》
Yは、暴力団A会の会長であるが、上部団体から絶縁処分を受け、銃砲、火炎瓶、爆発物を用いた暴力団同士の抗争事件が全国で多発した。Xら五九名は、右暴力団事務所の建物(鉄骨造陸屋根二階建)所在地の周辺に住む住民であるが、人格権(平穏に生活を営む権利)に基づき、右建物の暴力団事務所とし...
《解 説》
一 民事訴訟法による担保が金銭を供託する方法によりされた場合、その供託金取戻請求権の差押転付命令を得た者も、その担保の取消の申立をできるとするのが判例であり(大決昭5・7・4評論一九巻民訴四〇九頁、大決昭7・11・18民集一一巻二一九七頁)、実務もこれに従っている。
二 本件...