《解 説》
パナマ法人Xは、平成四年六月一九日、日本法人A社との間でLPG等輸送船造船契約を締結し、同年七月六日、日本法人Y銀行からAのXに対する造船代金前払金返還債務について保証状の発行を得た。保証状の支払限度額は九億五七〇〇万円と年八パーセントの割合による利息であり、支払条件として、X...
《解 説》
一 Xは、米国で一重まぶたを二重まぶたにする美容整形手術を受けていたが、その結果、二重の幅が広くなりすぎ、また、左右差が残ってしまったと考え、約二年後、美容外科医師であるY経営の病院で、両まぶたを修整する美容整形手術を受けた。二重まぶたを修整する手術は、単なる重瞼術よりも格段に...
《解 説》
本件は、日本法人がドイツに居住する日本人に対して契約上の金銭債務の履行を求めた訴訟について、日本の国際裁判管轄の有無が争われた事件である。
Xは、自動車等や自動車部品の輸入を行っている日本法人であり、Yは、昭和四〇年ころからドイツ国内に居住し、フランクフルト市を本拠として営業...
《解 説》
一 本件は、いわゆるフォーミュラータイプに属する競走用自動車が物品税法(昭和六三年法律第一〇八号により廃止)が課税物品として規定する小型普通乗用四輪自動車に該当するか否かが争われた事案である。
物品税法は、同法一条の規定に基づく別表に掲げられた物品に限って課税物件とし(掲名主...
《解 説》
一 国民健康保険法七六条、地方税法五条六項五号、七〇三条の四は、国民健康保険を行う市町村は、同保険の被保険者である世帯主に対し、国民健康保険税を課することができるものとしており、これを受けて大東市では、同法三条一項に基づき、条例により、国民健康保険の被保険者である世帯主は、国民...
《解 説》
一 債権譲渡における債務者の異議なき承諾による抗弁喪失の制度について、最二小判昭42・10・27民集二一巻八号二一六一頁、本誌二一四号一五〇頁は「民法四六八条一項本文が指名債権の譲渡につき債務者の異議をとどめない承諾に抗弁喪失の効果を認めているのは、債権譲受人の利益を保護し一般...
《解 説》
一 平成四年一二月から平成六年五月までの間に、東京地裁に第一次から第四次までのワラント取引集団訴訟が提起された。原告総数は一一六人、被告とされた証券会社は一九社である。本件は、そのうちの第一次訴訟の一原告に関する判決である。
二 本件判決が認定した事実関係とその判断の要旨は次...
《解 説》
Xは平成元年八月、Y1との間で自動製袋機を期間六〇か月、リース料月額一五万〇八九五円、リース期間中に解約となったときは契約書別紙記載の規定損害金を支払う、Y1に契約違反があったとき、Xは何ら催告を要せず、契約を解除することができるなどの約定によるリース契約を締結し、Y2及びY3...
《解 説》
一 訴外A(明治三七年五月生)は、平成五年七月一六日死亡したが、その生前の同年一月五日、その所有する財産等に関し、「Aはその所有に係る家屋と借地権を自由に裁量処分することを相続人Y1(妻)に委任する。」(以下「本件委任条項」という。)、「AがY2(三女)に貸付けてある貸付金は相...
《解 説》
一 本件は、被告Yが原告Xに対する別訴第一審の仮執行宣言付判決に基づきXの賃料債権に対し債権差押命令を得て賃料債権の取り立てを継続中、別訴控訴審で別訴第一審の仮執行宣言付判決が変更(一部取消)され、その後Xは上告せず別訴控訴審判決(変更判決)で認容された給付内容と既に取り立てら...
《解 説》
一 訴外A有限会社は、昭和六三年六月、資本金六〇〇万円で設立され、建築工事等、大工工事業等を行って順調に利益を上げていたが、営業不振となった関連のB会社に対する多額の資金援助や金融機関からの融資拒否等が原因で、平成三年一一月、破産宣告を受けるに至ったため、XのA会社に対する債権...
《解 説》
本件は、戸籍上の父Xから子Yに対する親子関係不存在確認訴訟において、鑑定結果では、血液型検査でABO型、MNS型、RH型、HP型、TF型、PGM1型いずれにおいても父子関係が外形上存在するが、DNAマイクロサテライト型検査では一部不成立のため父子関係が存在しないとされ、裁判所が...
不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲