《解 説》
一 本件は、被告人が、自己の運転する自動車を故意に被害者運転の自転車に衝突させ、病院に連れて行くと偽って同女を自車に乗せ、車内で強姦しようとしたが、未遂に終わったという事案で、犯行を中止した理由との関係で中止未遂の成否が争われたものである。この点につき、検察官は、被害者の「性病...
《解 説》
一 本件は、包括根保証をした者の責任が信義則上限定されるかどうかが争われた事案である。
事案の概要は、次のとおりである。
訴外Aは、カメラ店を経営していたものであるが、昭和五四年Y1信用金庫との間に信用取引契約を結び、Aの義弟であるXは、AがY1に対して負担する現在及び将来...
《解 説》
一 本件は、破産管財人が、異議申立人の届出破産債権につき、破産法二七七条後段の別除権の不足額の証明がないとして、最後配当から除斥して配当表を作成したことに対し、根抵当権の被担保債権のうち極度額を超える部分については、競売による配当が受けられないことが確定しており、その部分につき...
《解 説》
一 薬物の営利目的所持の事案において、被告人から営利目的を争われることはよくある。本件は、①駐車中の自動車内における覚せい剤約七・六八六グラム、乾燥大麻約九七・〇七七グラムの営利目的所持、②ホテルの一室における覚せい剤約二〇・五五二グラムの営利目的所持等が起訴された事案であると...
《解 説》
Xは、平成七年七月七日、Y市長に対し、Y市中央卸売市場魚類市場水産物部に売買参加者としての承認申請をしたが、Yは、同年八月二四日付けでXが鹿児島市中央卸売市場業務条例二八条四項二号の定める「卸売の相手方として必要な信用」を有しない者に当たるとして非承認とする処分をした。なお、Y...
《解 説》
一 本件は、芸能界で著名なジャニーズ事務所のタレントについて、その自宅等の住所、電話番号を掲載した「ジャニーズ・ゴールド・マップ」を発行する予定をしていた被告らに対し、原告ら若手人気男性タレント及びジャニーズ事務所が、プライバシー権に基づく妨害予防請求権として、その出版の差止を...
《解 説》
一 本件は、被告が発行する週刊誌「アエラ」において、被告が、「未成年者に貸し親から取立て」との見出しでAさんから原告に対して提起された民事訴訟事件についてAさんの主張が正しいかのごとく構成した記事(以下「記事一」という。)を掲載したり、「今の金利は実は法律違反」との見出しで貸金...
《解 説》
1 抗告人東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合(以下「抗告人処分組合」という。)は、東京都下の二七の市と町によって設立され、ゴミの焼却灰等の埋立処分を行う第二次廃棄物処分場としての日の出町谷戸沢廃棄物広域処分場(以下「本件処分場」という。)を設置、運営しているものである。抗告人処...
《解 説》
一 Xは、証券取引につき十分な経験のない年金生活をしている六〇歳の女性である。XはY1(証券会社)の社員Aからワラント取引を勧められたが、Aは、ワラントである旨の説明をせず、転換社債又は投資信託であるかのように装う等の違法な勧誘をしたため、Xは、誤信したままワラント取引を行い、...
《解 説》
一 X(妻)とY(夫)は、夫婦であるが、婚姻関係が破綻したため、互いに離婚、慰謝料、財産分与を請求した。本件の争点は、いくつかあるが、中心となったのは財産分与の額及び方法である。特に平成三年一〇月以後はYがXに対して生活費を月一〇万円しか渡していなかったため、過去の婚姻費用の未...
《解 説》
一 Xは、写真植字機及びそれに使用する書体等の制作、販売等を目的とする会社であるが、昭和五〇年、タイプフェイスデザイナーのAに委託して「ゴナU」と呼ばれるゴシック書体を制作させ、写真植字機用文字盤(アナログフォント)として販売し、昭和六一年にはフロッピーディスク(デジタルフォン...
《解 説》
一 Xは、所有者であるAから土地建物の遺贈を受けたと主張し、Aの相続人であるYらに対し、相続による所有権移転登記の抹消登記手続を求めて本件訴訟を提起した。これに対して、Yらは、Xが所持するA名義の遺言書はXによって偽造されたものであると主張して、遺言の無効確認と右土地建物の明渡...
1 広島県石商広島市連合会価格カルテル事件公正取引委員会審決県単位の石油商業組合の下部機関である支部連合会により全員の普通揮発油の小売価格を引き上げることを内容とする価格協定が決定されたと認定された公取委の審決事例
(公正取引委員会平9・6・24審決)
《解 説》
一 本件は、自動車の割り込みをめぐるトラブルから、相手方運転者によって、運転席窓越しに、胸ぐらを掴まれて前後に揺すぶられたり、顔面や頭部を手挙で殴打されるなどの暴行を受けた挙げ句、車外に引き出された被告人が、威嚇のために自車の後部トランクから金属バットを持ち出したところ、相手方...
《解 説》
Xはショッピングセンター(Y1及びZがそれぞれAから賃借し、テナントらに転貸していたもの)の一部である本件店舗部分六六平方メートルをZから転借した。その契約条件の中には、店舗の位置、面積などが建物の設計・店舗レイアウト、法規制などの関係上変更の必要が生じたとき、Zは、位置、面積...
《解 説》
一 本件は、原告が被告病院脳神経外科を受診したところ、原告にはストレスに起因する神経症の様相があり、臨床症状及び脳波検査においても明確な所見がなかったにもかかわらず安易にてんかんと診断され、原告は長期間にわたり通院治療を余儀なくされるとともに、更に利益配当金付終身保険契約に加入...
《解 説》
X1は、日本国有鉄道(国鉄)の債務の償還等を行うことを目的として、昭和六二年四月一日国鉄から移行した特殊法人であり、X2は、国鉄の事業の継続等を目的とした株式会社である。Yは、昭和五二年までに国鉄から秋葉原駅構内の三筆の土地につき、一年間の使用承認を受け、同土地上に二棟の建物を...