《解 説》
一 事案の概要
1 Xは、Y税務署長に対し、平成二年九月一日から平成三年八月三一日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)に係る消費税につき、法定申告期間内に確定申告をした。その後Xは、本件課税期間に係る消費税につき、確定申告の際に控除税額の計算方法として一括比例配分方...
《解 説》
Xは昭和六三年ころからY村内でのゴルフ場の開発を企図していたが、平成元年八月、国土利用計画法二三条及びM県の大規模土地取引等に関する事前指導要綱に基づき、同村長に予備協議申出書を提出した。村長はこれを直ちに県知事に具申することなく、Xに対し無農薬管理のゴルフ場とするよう行政指導...
《解 説》
一 訴外Aは、地方公務員等共済組合法により退職共済年金の受給資格を取得していたが、平成二年三月に死亡し、Aの「遺族」には遺族共済年金が支給されることになったため、Aの死亡当時、Aと同居し、同人によって生計を維持していたXは、遺族共済年金の支給決定を求めたが、Y(共済組合)は、先...
《解 説》
本件は、共同市場の区分所有者らが総会を開催し、建物の区分所有等に関する法律三一条一項に定める多数決により右建物の大部分をオープンフロアのスーパーマーケット風に改造し、反対者Xらの店舗については仕切壁によりオープンフロアと遮断することとし、これに伴って、三・六メートルの幅員のあっ...
《解 説》
一 本件は、日本国有鉄道から独身寮の所有権を承継したX(JR東日本)が、その社員であり右独身寮に居住するYに対し、所有権に基づき寮室(本件寮室)の明渡しを求めた事案である。
二 まず本件においては、Yの本件寮室に対する占有権原の法的性質が争いとなった。
この点についてYは、...
《解 説》
一 Xの父Aは、昭和三七年四月八日に四〇万円をYに預託し、Yの経営する本件クラブ(PLゴルフ場。その後、聖丘カントリークラブに名称を変更)の会員としての地位を取得した。本件クラブでは、規則上は、会員の死亡は会員資格の消滅事由とされていたが、実際には、相続による会員の地位の承継を...
《解 説》
本件は、新聞記事による名誉棄損の成否を論ずるに当たり、記事の公表媒体である新聞の持つ性格等がどのような影響を与えるかが問題とされたものである。
一 本件の事案の概要は、以下のとおりである。本件記事は、被告(被上告人)Y1社が発行する昭和六二年九月六日付け新聞紙面に公表されたも...
《解 説》
一 Y1は中国で気功による治療に携わった経験がある中国人女性であるが、来日後、宇宙パワーで難病を治すと称して、難病患者を相手に治療行為を行ってきた。その料金は九か月コースで三八〇万円等という高額なものであった。Y1の治療行為については、テレビ番組で四回にわたって取り上げられ、「...
《解 説》
一 いわゆるロス疑惑事件の被告人であるXは、自己に関するマスコミ報道について、これが名誉毀損であるとして多数の損害賠償請求訴訟を提起している。本件はその一つである。
Y新聞社の発行する「スポーツニッポン」紙の昭和五九年二月一五日付け紙面に、「『X氏に保険金殺人の計画を持ち込ま...
《解 説》
一 問題の所在
本件は、最高裁のした上告棄却決定に関し、被告人から、刑訴法四一五条三項を根拠法条として「判決訂正の申立期間延長の申立て」という標題の申立てが行われた事件である。上告棄却決定に対しては、最高裁判例により、判決訂正申立てではなく、異議申立てが認められているから(最...
《解 説》
一 AはY銀行に預金を有していたが、平成六年一二月二三日に死亡し、その子であるX、Y補助参加人であるM及び訴外Nがこれを相続した。Y銀行は平成八年一二月三〇日に到達した書面でXが本件預金の三分の一の払戻請求をしたので、M及びNにXの払戻請求に応じてよいか意向を確認したところ、M...
《解 説》
一 本件は、O町住民であるXが、町長及び収入役に対し、決算に添付する「財産に関する調書」(地方自治法(以下「法」という。)二三三条一項、四項(平成三年法律第二四号による改正後は五号)、法施行令一六六条二項)の記載に誤りがあり、また、記載が正規の様式による区分をしていないにもかか...
《解 説》
X銀行とその得意先Yとの間において日本円とスペイン・ペセタとのクーポン・スワップ取引契約が締結された。同契約の要点は、二年間、合計四回にわたり、Yが日本円(想定元本金額一〇億円)による年二五・五パーセントの割合による利息を、Xがこれに対応するスペイン・ペセタ(想定元本金額六億六...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教教団の信者であった被告人が、教団幹部の指示に基づいて、共犯者らとともに、ロシア製自動小銃を模倣した自動小銃を大量に製造しようとしたという事案であるが、弁護人は、被告人が本件犯行時教団によるいわゆるマインド・コントロール下にあったことを前提に、(一)被告人...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和五八年三月、その所有する財産全部を二女のYに相続させる旨の公正証書遺言(以下「第一遺言」という。)をしたので、昭和六三年九月、YがAの所有する本件不動産について相続を原因とする所有権移転登記を経由したが、これより先の昭和五九年一一月、その所有する財産全部を包括...
《解 説》
事案の概要
本件は、訴外会社が被告からゴルフ会員権(以下「本件ゴルフ会員権」という。)を購入し、保証金として九五〇万円(以下「本件預託金」という。)を被告に交付した。原告は訴外会社に対し、租税債権を有しており、平成三年一〇月九日、国税徴収法七三条に基づいて本件ゴルフ会員権を差...
《解 説》
一 本件は、わが国に在留する韓国・朝鮮人(永住者たる地位を有する者)である原告らが、被告国に対し、(一)地方公共団体の長及び議会の議員の選挙権・被選挙権(地方参政権)を有することの確認、(二)地方参政権の行使を可能にする立法措置を講じないことが違憲であることの確認、及び(三)地...