《解 説》
一 本件事案は、以下のようなものである。中核派に近い政治的立場を採る甲は、関西新国際空港建設反対を唱えて泉佐野市議会議員選挙に立候補し、当選者二八人中二七番目の得票数で当選した。この選挙において甲を当選させる目的で、中核派の構成員と目される者五五名が集団で、泉佐野市に居住してい...
《解 説》
一 X1は、昭和六三年九月当時、広島市立早稲田小学校の六学年に在籍していた者であるが、同月九日、学校のプールで実施された水泳練習に参加し、逆飛び込みを行った際、プールの水底に頭部を衝突させて、頚髄損傷の傷害を負い、不全四肢麻痺等の後遺障害が残った。
そこで、X1とその父X2、...
《解 説》
一 Xら(父子)は、その所有の本件土地の一部をA社に売買することになり、平成四年一二月二八日Xら宅でその旨の売買契約を締結したが、その際に、立ち会ったY社従業員Bらにいわれるままに、本件根抵当権設定契約証書、担保提供承諾書、登記委任状に署名押印した(ただし、押印はBにおいてした...
《解 説》
本件は、老人の在宅介護について、イラストや漫画を交えてわかりやすく説明したり、経験者の体験談を載せた書籍の著作物をめぐって、その著作権がXとY1のどちらに帰属するのか、あるいは、XとY1のそれぞれの書籍の発行行為が他方の著作権を侵害するものか否かが争われた事案である。
本件の...
《解 説》
本件は、Xが、龍村平蔵の帯地の模様、及び、裂地の模様が不正競争防止法二条一項一号の周知商品表示に当たるとして、これと極めて類似している模様の帯ないし裂地の模様を販売していたYに対し、その販売等の差止と過去に販売した分について損害賠償を請求した事案である。
本判決は、「帯や裂地...
《解 説》
本件は、原告の商標権(原告登録商標は、「UNITED」の文字と「ユナイテッド」の文字を二段に横書きにしたもの)に基づき、指定商品に該当するシャツなどに被告標章(「UNITED」の文字と「COLLECTION」の文字を二段に横書きにしたもの、「UNITED」と「COLLECTIO...
《解 説》
一 Xは半年ごとに九回利息を支払った後、最終の一〇回目の利息の支払時に元本も併せて返済する方式によりYから金銭を借り受けたが、その際、九回の利息の利率は五パーセントとし、一〇回目の利息は、オージーバルーン方式で返済するとの方法が選択された。バルーン方式というのは、顧客の資金需要...
《解 説》
一 本件は、「愛媛玉串料訴訟」として著名な住民訴訟事件についての最高裁大法廷の判決であり、国や地方公共団体の行為が憲法の政教分離規定に違反するという判断を示した初めての最高裁判決である。
本件の事案は、愛媛県が、昭和五六年から昭和六一年にかけて、宗教法人靖國神社の挙行した恒例...
《解 説》
一 本件は、公職選挙法一九九条の二第一項、二四九条の二第一項の公職の候補者等の寄附禁止違反の罪の成否が問題となった事案の上告審判決である。
被告人は、現職の市長であったが、再選を目指して立候補を予定していた次期市長選挙の約三か月前に、「初盆参り」と称して市内の初盆を迎えた家庭...
《解 説》
Xらは平成八年五月一日に婚姻を届け出、同年六月ころ、旅行会社Yとの間でYが主催する「ハネムーンプラン グレートバリアリーフの休日&エアーズロック、シドニー九日 ヘイマン島コース」との旅行契約を締結し、各自旅行代金四五万円余を支払って、同年七月六日から同月一四日までの九日間、右旅...
《解 説》
一 本件の事案は複雑であり、詳細は判文に譲るが、概要は次のとおりである。
Xは、エアーソフトガン(ガス圧又は空気圧を利用してプラスチック製弾丸を発射する射的銃)及びBB弾(プラスチック製弾丸)を製造販売することを業とする者であり、Y1は、エアーソフトガンの製造を行う中小規模の...
《解 説》
一 本件は、未成熟子を連れて別居し単独で子の監護に当たっている妻から夫に対する離婚訴訟である。控訴審は、妻の離婚請求を認容し、子の親権者を妻と定めるなどしたほか、夫に対し、別居の翌月から子が成年に達する月までの期間における子の監護費用(養育費)の支払を命じた(毎月ごとの定期給付...
《解 説》
一 Xは、平成三年一月、ゴルフ会員権販売を業とするY1会社から、株式会社広栄観光が開設する「飯塚国際ゴルフ倶楽部」の会員権(以下「本件会員権」という。)を代金五五〇万円で購入し、入会金、預託金等として四三二万五六三二円を支払ったが、同年五月には広栄観光は倒産状態になり、右ゴルフ...
《解 説》
本件は、業務用通信カラオケ機器のリース業者であるXが、右リースを受けていたYに対し、未払リース料と規定損害金の支払を求めたところ、XがYのリース料不払を理由にカラオケ情報の配信を停止した期間中についてもリース料の支払を請求できるか否かが主な争点となった事案である。
本件では、...
《解 説》
一 本件は、平成六年法律第一一六号(以下「改正法」という。)による法改正の結果存続期間が延長された特許権の特許権者である原告が、特許権の存続期間が延長された期間中に、右特許権の技術的範囲に含まれる製剤を製造、販売している被告らに対し、その製造頒布の差止を求めた事案である。被告ら...
《解 説》
本件は、約束手形金請求事件の訴訟代理人であった被告人が、その依頼人所有の敷地に強制競売の申立てがなされたことを奇貨として、共犯者から強制執行停止保証金名下に金員を騙し取ろうと持ちかけられた際、共犯者に弱みを握られていたため、その誘いを断りきれずに承諾し、依頼人から一六〇〇万円を...
《解 説》
一 本件は、昭和六三年一〇月から平成元年六月にかけて五人の幼女を誘拐するなどし、そのうち四人を殺害した幼女連続誘拐殺害事件の第一審判決である。
二 本件公訴事実は、①被害者A(当時四歳)の誘拐・殺害・死体損壊(A事件)、②同B(当時七歳)の誘拐・殺害(B事件)、③同C(当時四...