《解 説》
一 本件は、土地の根抵当権者が民法三九五条に基づいて土地の短期賃貸借の解除等を求めた事案であるが、同一所有者に属する土地建物に共同抵当権が設定された後、建物が建て替えられた場合、新建物のために法定地上権が成立するか否かが争点になっている。事案の概要は、次のとおりである。
本件...
《解 説》
本件は、民法六三四条二項後段が請負契約の報酬債権と瑕疵の修補に代わる損害賠償債権との間に同法五三三条を準用していることにつき、その意義が問題とされた事例である。
一 事案の概要 Yは、昭和六一年暮れ、建築業者であるXとの間に、自宅建築につき請負契約を締結した(代金一六五〇万円...
《解 説》
一 本件は、埼玉県の住民である原告が埼玉県行政情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、同県の食糧費に関する文書(以下「本件文書」という。)の公開請求をしたところ、埼玉県本庁事務の委任及び決裁に関する規則に基づき、埼玉県知事から本件条例の施行に関する事務の委任を受けた同...
《解 説》
一 運送業を営むXは、コンピューターによる営業管理システムを導入するため、Yとの間でソフト開発委託契約を締結し、Yはその開発をZに再委託した。しかし、右ソフトが納入された後も営業管理システムが正常に稼働しなかったことから、Xは、コンピュータープログラムに瑕疵があったことがその原...
《解 説》
本件は、破産管財人が、破産者の入会していたゴルフクラブを経営する被告会社に対し、破産法五九条に基づき、入会契約を解除して預託金の返還を求めた事案である。
破産法五九条は、双務契約が双方未履行の場合、破産管財人に対し、債務の履行を選択して対価関係を実現する方法と解除を選択して原...
《解 説》
一 本件は、被告人が、白昼、覆面姿でナイフを手にして被告人の居室に侵入してきた被害者を包丁で刺殺した事案で、主として盗犯等の防止及び処分に関する法律(以下「盗犯等防止法」という。)一条一項の正当防衛の成否及びそれに関連して刑法三六条二項の過剰防衛の成否が問題となった事案である。...
《解 説》
一 本判決によれば、事実経過は概ね次のとおりである。
甲病院はA区の誘致構想に基づいて甲が設置した病院であるが、赤字経営のため甲病院を廃止することになった。これを受けて、A区が甲病院の新経営主体の選定作業に入り、甲病院の職員の身分保障について前向きであるYを新経営主体に内定し...
《解 説》
第一 事案の概要
本件は、原告らが、政党助成法は違憲であり、国が同法に基づき政党に政党交付金を交付することは、原告らの有する人格権としての政治的自己決定権を侵害するものであると主張して、(1)民事訴訟としてその差止めを求めるとともに、(2)無名抗告訴訟としてその違憲の確認を求め...
《解 説》
Xは平成六年二月四日、Aらとの間で取引限度額を三〇〇〇万円とする継続的消費貸借契約を締結し、Aが担保として第三債務者Bらに対して有する同年三月以降の本件建物の賃料債権をXに譲渡し、翌日までに内容証明郵便により第三債務者らに債権譲渡の通知をした。他方、Yは、昭和五八年一二月一四日...
《解 説》
一 本件は、第一種低層住居専用地域において、充実した各種浴場設備と飲食コーナー、それに合計一七一台収容の駐車場等を備えるいわゆるスーパー銭湯(以下「本件スーパー銭湯」という。)を建築しようとした施主及び建築請負業者に対し、その周辺住民らが、本件スーパー銭湯は第一種低層住居専用地...
《解 説》
一 被告は大手の消費者金融業者であり、原告らはその利用者であった者である。
二 原告らは、それぞれ、昭和六三年から平成元年にかけて被告との間で、限度額を定めた包括的融資契約を締結し、その後、借入及び返済を繰り返してきた。
右借入及び返済は、被告の店頭において行われたものもあ...
《解 説》
一 本件は、JR池袋駅西口付近の木造二階建て建物の一階店舗部分の所有権を平成元年一一月に取得して賃貸人たる地位を承継したXが、右店舗部分を昭和三一年ころから賃借して飲食店を営んでいるYに対し、(一)建物の老朽化、(二)建物周辺の状況、高度な容積率の指定、不燃化建物への建替の必要...
《解 説》
一 本件は、出版社であるYの発行する週刊誌に掲載された「「あなたはガンだ」を連発!」、「統一教会系病院」、「命を弄ぶ霊感商法」等と題する本件記事が医師であるX1及び医療法人であるX2の名誉を毀損したとして、XらがYに対し、不法行為に基づき謝罪広告の掲載及び損害賠償の支払を求めた...
《解 説》
一 X1は、有限会社Aの従業員であったが、A社の代表取締役であったBの死亡後A社の経営権をめぐって紛争が生じ、Bの相続人らは、X1及びAを被告として、Bらの社員権の存在確認、X1の社員権の不存在確認、X1を取締役とする社員総会決議の不存在確認等を求める訴訟を提起した。X1は弁護...
《解 説》
本件は、二筆の土地(登記簿上の地目は雑種地)についての平成六年度の固定資産課税登録台帳登録価格の多寡が争われた事案である。
本件の争点は、①固定資産課税台帳上の所有者Aが既に昭和五四年に死亡しており、Xはその相続人(持分各四分の一)であるところ、審査の申出がA名義でされ、本件...
《解 説》
一 X1は、昭和五八年八月一三日、国立別府病院において、腹式帝王切開により第一子を分娩したが、分娩前に子宮が破裂したため、右第一子は出産前に死亡してしまった。
そこで、X1とその夫X2は、担当医師には、分娩誘導の適応の有無を考慮しないで、漫然と、陣痛促進剤を投与し、かつ、過強...