《解 説》
一 本件は、つくば妻子殺害事件の控訴審判決である。事案の内容は、医師であった被告人が妻と結婚したものの、間もなく妻との結婚を後悔し、勤務先の看護婦等との浮気を繰り返したことなどから日頃妻との間に喧嘩が絶えず、別れ話も出ていたが、事件当日、妻と激しい口論となり、激昂の余り妻の首に...
《解 説》
一 Aは、生命保険会社Yとの間で、Aを被保険者、妻Xを保険金受取人とする生命保険契約を締結し、これに付加して、不慮の事故による傷害を直接の原因としてその事故の日から起算して一八〇日以内に死亡したことを保険事故として死亡保険金を支払う旨の災害割増特約及び傷害特約を締結した。その後...
《解 説》
Y県知事夫妻、県議会議員一一名及び随行職員八名は、公費でタイ王国とシンガポール共和国に五日間の視察旅行をしたが、Yは右視察に際して議員らにそれぞれ三万円宛の餞別を公費から支出した。Xら県の住民一一名は、右餞別は執行機関からこれを監視すべき役割を負う議員に対し交付されたものであり...
《解 説》
X(ジョルジオ・アルマーニ・エスピーエー)は、イタリア法人であり、わが国において被服等につき、EMPORIO ARMANIまたはGIORGIO ARMANI等の商標につき登録をしていたところ、日本法人YがXに無断でXの登録商標に酷似する商標を付けた紳士服、婦人服を販売していると...
《解 説》
X(日本法人)は、昭和四三年以降、日本に営業所を有するZ(デラウェア州法人)から継続的にカミソリ製品を仕入れていたが、平成五年一〇月一二日付の書面により同年一一月三〇日をもって継続的取引を打ち切る旨通告された。Xは、Zの親会社又は関連法人であるY1(同州法人)及びY2(シンガポ...
《解 説》
本件は平成七年七月施行された参議院(選挙区選出)議員選挙について公職選挙法一四条、別表第三による定数配分が選挙区間において不平等であったと主張して各地方選挙管理委員会Yらを被告として提起された各選挙区民Xらによる五件の選挙無効訴訟であり、東京高裁は平成九年二月六日、これら違憲の...
《解 説》
一 本件は、平成七年七月二三日に行われた参議院(選挙区選出)議員選挙(以下「本件選挙」という。)について、千葉県選挙区の選挙人が千葉県選挙管理委員会を被告として、公職選挙法の議員定数配分規定が憲法一四条一項等に違反するものであり、これに基づく選挙も無効であると主張して、公職選挙...
《解 説》
一 本決定は、司法警察員の差押処分についての準抗告に対するものである。
本件は司法警察員が、申立人を被疑者とする詐欺被疑事件に関して、捜索差押許可状に基づき、申立人方において捜索差押を行ったが、その際、現実に押収した物を収容した容器と思われる段ボール箱などの記載しかない押収品...
《解 説》
一 XとAが自動二輪車の二人乗りをしていたところ、用水路に転落し、Aが死亡し、Xが負傷した。Xは、本件事故は本件自動二輪車を運転していたAの過失によるものであるとして、Aの相続人であるYらに対して損害賠償請求をした。本件の主たる争点は、事故当時の本件二輪車の運転手がXとAのどち...
《解 説》
一 本件は、宗教法人A(日連正宗)に包括される寺院であるXから、その住職であり代表役員であった僧侶Yに対して寺院建物の明渡しを求めた訴訟である。占有権原喪失の事由としては、YがAから住職の地位を罷免する懲戒処分(この懲戒処分は、YがA代表役員の承認を受けることなくX責任役員を解...
《解 説》
一 本件は、特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第一一六号)が特許権の存続期間を出願公告の日から一五年としていたのを特許出願の日から二〇年にすると改めたことによって、存続期間が二年近く延長された医薬化合物(ノルフロキサシン)にかかる特許権を有するXが、これを旧法による存続...
《解 説》
本件は、スナック経営者X(女性)の平成二年分所得税の白色申告について低額に過ぎるとしてされたY税務署長による推計課税の適否が争われた事案である。
Yは、推計課税の必要性として、調査中に提示を受けた現金出納帳には現金残高及び生活費の出入金の記載がないこと、伝票と売上帳とで金額が...
《解 説》
一 本件は、町長選挙及び衆議院議員総選挙における各選挙長の立候補届出の受理業務(以下、「受理業務」という。)を種々の手段、言動を用いて妨害したという事件であり、①受理業務が業務妨害罪の「業務」に該当するか否か、②本件において被告人の用いた手段、言動が偽計、威力に該当するか否かが...
《解 説》
一 本件土地はもとAの所有であったが、Aの死亡によりX1、X2、X3(以下「Xら」という。)及びY2がこれを共同相続し、Xら及びY2の共有に属している。本件土地の北側はY1(国)所有の道路敷に、南側はY1所有の河川敷にそれぞれ隣接しており、Xらは、本件土地につき、Y2相手方とし...
《解 説》
一 事案の概要
被告は、所有する建物にプールその他のスポーツ施設及びその関連施設を設置、所有し(以下右建物を含めて「本件施設」という。)、スポーツクラブを開設してその運営・管理を行っていた(以下「本件スポーツクラブ」という。)。原告は、右スポーツクラブに個人正会員として入会し...
《解 説》
一 本件は、産業廃棄物処理等を目的とする会社であるXが廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)一五条一項に基づいて、Y(北海道知事)に対し、産業廃棄物処理施設設置の許可申請をしたところ、Yが①右処理施設設置場所は第一種住居専用地域及び第二種住居専用地域並びに高等学校に近...
所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に地上建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否(消極)
《解 説》
一 近時、報道機関による捜査段階における事件報道が盛んになってきており、捜査機関としても、積極的にこれと関わり、あるいは消極的にこれと関わらざるを得なくなってきているが、本件(覚せい剤等の営利目的所持の事案)では、そのような状況の中で、捜査機関と報道機関の関わりと捜査の効力が問...