《解 説》
一 本件は、年間売上が三〇〇〇万円を下回り消費税免税事業者であった依頼者X(旧ビルを運用していた)が、会計・税務上の顧問契約を締結していた税理士(公認会計士)Yに対し、旧ビルを新ビルに建て替えるに際し多額の建築費用を支払いその仕入れ税額も多額になったことから、新ビル建築の前年度...
《解 説》
一 本件は、傷害罪につき過剰防衛を認定した原判決を、控訴審が事実誤認を理由に破棄し、正当防衛を認定したものである。
本判決の認定するところによれば、事案の概要は次のとおりである。
被告人は将棋を指していたところ、観戦中のTと口論になり、その顔面を殴打するなどしてつかみ合うよ...
《解 説》
Xの常務取締役Mは運送会社Yに対し、Xの社長Iに今まで運送を頼んでいたHを使うなと言われたが、いきなり止める訳にいかないので、Yの方にHの請求書を上げさせるから、Xに請求してくれと持ちかけた。これによりXからYに継続的に運送が委託され、YからHに下請運送が委託された。HのYに対...
《解 説》
日本共産党員のXは、昭和五九年一一月七日午後一一時二〇分ころ、軽四輪貨物自動車を運転していたところ、警察官Aらから停止を求められ、一時停止違反等の事実について簡単な質問を受けた後、派出所に任意同行を求められた。Xは、同所においてAらから同党や日本民主青年同盟に関する情報の提供者...
《解 説》
X1及びX2は、株式会社Y2の株式各八〇〇株を有することの確認を求める訴えを、これを争う祖父であるY1(Y2の代表者)に対して提起した。また、右Xらのほか、Y1の子であるX3、Y1の妻であるX4は、平成四年一月に開催されたY2の臨時株主総会の決議(定款変更及び取締役選任)の取消...
《解 説》
平成二年九月二〇日、Xを買主、Yらを売主として、両者間にYらが本件土地約三四八〇平方メートルを造成してXに引き渡し、Xは代金としてYらに一六億三〇六〇万円を支払う、引渡期限は同三年五月三一日とする旨の契約が締結され、XはYらに手付金一億六〇〇〇万円を交付した。Xは、同年五月二八...
《解 説》
一 X1は一歳のとき、Y2病院のY1医師による脊髄の検査中に麻酔薬の過剰投与により呼吸停止に陥り、蘇生措置により生命は取り留めたものの、低酸素脳症により意識が戻らず、自立的な運動のない重篤な後遺障害を持つに至った。そこで、X1及び両親であるX2X3は、Y1医師に対しては民法七〇...
《解 説》
一 Xは、建設機械の製造販売を業とするものであるが、平成七年九月六日までに、全油圧式パワーショベルHD五一二型(以下「本件物件一」という。)を、同月七日までに同パワーショベルHD五一〇型(以下「本件物件二」という。)を、それぞれ製作してその所有権を取得したうえ、所有権留保の特約...
《解 説》
一 本件は、証券会社である債務者会社が営業社員らの賃金を削減したのに対し、従業員である債権者らが、債務者会社の右措置は労働契約に違反し無効・違法であるとして、労働契約に基づく差額賃金の仮払い等を求める賃金等仮払仮処分申立事件である。
二 本決定によれば、本件の事実関係は以下の...
《解 説》
一 本件は、いわゆる撚糸工連事件の差戻後の控訴審判決である。撚糸工連事件は、昭和六〇年九月から六一年五月にかけて、撚糸の生産業者を組合員とする商工組合の連合会である日本撚糸工業組合連合会(いわゆる撚糸工連)の経理課長の使い込み事件に端を発し、同連合会の不正経理の発覚、同連合会幹...
《解 説》
Xは、昭和六三年六月、更地であった本件土地について所有者Aから第一順位の根抵当権の設定を受け、平成元年七月、Aが右土地上に建物を建てたため、同二年一月、右建物についても第一順位の根抵当権の設定を受け、右土地根抵当権と共同担保として登記した。Xは、平成三年一二月、右土地建物につい...
《解 説》
一 Yは、結核等の胸部疾患の予防及び治療に関する事業を行う財団法人であり、地方自治体から委託を受けて住民のレントゲン撮影を含む集団検診を行っていた。Xらは、右集団検診を受診したAの遺族である。
Aは、昭和六三年及び平成元年に右集団検診を受診し胸部レントゲン撮影を受けたが、右両...
《解 説》
一 Aは、平成四年五月激しい頭痛に襲われ、Y病院で診察を受けたところ、脳動静脈奇形破裂による脳内出血と診断され、医師から血管内手術(塞栓術)及び定位的放射線治療を勧められた。そこでXは、同年六月以降病変前方部に対する塞栓術及び摘出術を受けた後、同年一〇月、病変後方部について検査...
《解 説》
本件は、現職の市長が、次期市長選挙の三ヶ月前に、当該選挙区内の各初盆家庭に対して初盆参りをするに際し、現金五〇〇〇円を「御仏前」として供与した行為について、公職にある者が当該選挙に関し寄附をしたとして公職選挙法一九九条の二第一項、二四九条の二第一項に該当するかが争われた事案の控...