《解 説》
Y1社の取締役を辞任したXは、①Y1社に対して、取締役在任中に金銭を貸し付けたと主張して、その返還を求め、それとともに、②Y1社のほか、Y1社の代表取締役であるY2、及びその妻でY1社の取締役であるY3に対して、取締役報酬を不法に減額されたと主張して、不法行為を理由に、右減額分...
《解 説》
本件はYの株主総会で議長から退場命令を受け、会場から排除されたXが退場命令は違法であったと主張し、Yに慰謝料九〇万円の支払を求めた事案である。
本判決の認定したところによれば、事実経過はおよそ次のとおりである。すなわち、Yは平成七年六月一四日付で株主に対し総会の開催通知を発し...
《解 説》
一 Y信用組合は、Aとの間で、平成三年六月一四日、信用組合取引契約を締結したが、Aは、平成四年三月二五日、自己を引受人とし、Y信用組合B支店を支払場所とする金額三六五六万五〇〇〇円の為替手形を資金不足を理由に不渡りにした。Y信用組合は、Aが右為替手形を不渡りにしたことを知って、...
《解 説》
一 本件は、三五年以上前に炭鉱の落盤事故で下半身不随になり、激痛を伴う後遺障害のほか慢性の心臓疾患があって療養中の男が、病院から退院した翌日の深夜、自家用車に妻を同乗させて自宅から車で約一時間以上かかる本件事故現場まで運転して行き、そこで岸壁から海中に転落して、両方とも死亡した...
《解 説》
一 本件は、発明の名称を「鉄筋コンクリート有孔梁の補強金具」とする特許権を、A会社と持分二分の一の割合で共有しているXが、Yに対して、Yが製造販売する補強金具の製品が、右特許権を侵害すると主張して、右製品の製造販売の差止めと不法行為に基づく損害賠償の請求をした事案であり、本判決...
《解 説》
一 御所浦町長であるYは、平成七年六月一三日から遡って過去一年間に、訴外A海運会社の船舶を利用して合計六回の公務出張(以下「本件出張」という。)をした際、Aから予めYが交付を受けていた無料パス(以下「無料パス」という。)を使用して船運賃の支払をしなかったにもかかわらず、同町から...
《解 説》
一 Xの妻A(昭19・12・13生)は、昭和六〇年三月、Y病院で乳ガンによる右乳房切除手術を受け、術後五年を経過し、化学療法をいったん中止した後も、平成二年一二月、右胸壁にピリピリする痛みがあったほかは(なお、右痛みはほどなく消失している。)、特に異常もなく推移していた。
と...
《解 説》
本件は、私道について通行地役権の設定の有無、その敷地転得者に対して登記なくして対抗することの可否、私道の範囲等が問題となった事案である。なお、Xらの主張する私道は、Yが所有する土地と旧所有者名義の土地とに跨がっており、Yが自己所有地上にブロック塀を築こうとしたため、紛争となった...
《解 説》
一 本件は、福岡県警に警察官として勤務していた原告が、のぞき目的の住居侵入事件の嫌疑をかけられ、被疑者として取調べを受けていた間に、辞職願を作成し、これを提出したところ、被告県警本部長はこれを受けて辞職承認処分をしたが、右辞職願は、原告の上司の、被害者を納得させ、穏便に事態を収...
《解 説》
一 本件は、交通事故の被害者に対する病院の診療の相当性(過剰性)や、その診療契約の態様(自由診療か社会保険診療か)ということが争われた事例である。
平成三年一月二七日、当時高校生であったX(原告、被控訴人)はY(被告、控訴人)の運転する車両との衝突によって傷害を負い、Z病院に...
《解 説》
一 Xは、昭和五四年一二月から、妻子のある訴外Aと内縁関係に入り、Aとともに金融業等を行っていたが、平成七年三月、Aが急死したので、喪主として葬儀を行い、墓地を購入して遺骨を納め、位牌を管理するとともに、所定の手続を得て、Aの死後叙勲として正六位勲五等瑞宝章の授与を受けた。
...
《解 説》
一 本件は、暴力団組員に組員と誤認されて射殺された高校生の遺族が、刑事訴追された実行行為者に対する不法行為責任を追及するとともに、右実行行為者が、島袋一家及びその上部組織の沖縄旭琉会の構成員であるとして、島袋一家の総長(被告島袋)及び沖縄旭琉会の会長(被告富永)の使用者責任又は...
《解 説》
一 訴外Aは、社団法人いわき理容美容協会の理事長であったが、平成五年六月、自動車運転中に、北茨城市の大津漁港の埠頭から、自動車ごと海中に転落して死亡した。
そこで、Aの遺族であるXらは、Aを被保険者として傷害保険契約等を締結していた保険会社Yらに対し、死亡保険金等の支払を求め...
《解 説》
一 本件は、現職の茨城県つくば市長が、支持者と共謀の上、次期市長選挙で再選されるために一七名に各五万円を供与し、三名に各五万円を供与しようとし、併せて事前運動をしたという事案である。
第一審では、被告人は全面的に事実を争ったが、第一審判決(本誌九五五号二八二頁)は、事実を認め...
《解 説》
一 本件はいわゆる過労死事件である。甲銀行の銀行員であり、旅行代理店乙に出向していたAは、年末御用納めの翌日(休日)朝、自宅で排便中に倒れ、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血で死亡した。Aの妻であるXはY1(労基署長)に対し、Aの死亡は乙の業務上によるもの(過労死)であると主張して...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、A県が、被告社団法人の法人県民税については国が賦課した当該年度の法人税額を課税標準とし、法人事業税については国が賦課した当該年度の法人税の課税標準とされた所得を課税標準として算出し、平成元年から平成五年度までいずれの税についても課税しなかったところ、A...