《解 説》
一 本件は、Xらが、その所有・居住する七階建マンションの南側に七階建マンションを建築したYに対し、①建築基準法が建築協定につき規定していること、各地方自治体が建築協定条例を制定していること、工事協定書を締結するようにとの行政指導があることからすれば、工事協定書締結の前提としての...
《解 説》
X1ないしX4、Y1、B、Cら七名はAの子であるが、Aが所有していたY2株式会社の株式三万六〇〇〇株をXらが七分の一宛相続したか、それともAの生前、Aがそのうち二万二〇〇〇株をY1に贈与したか否かが争いとなり、Xら四名はYらに対し、右株式の持分七分の一を有することの確認を求める...
《解 説》
一 訴外A(昭和九年生)は、昭和六二年四月から、有限会社の代表者として、不動産に関するコンサルタント業務に携っていた者であるが、平成五年五月二一日、業務のため米国ロサンゼルスに赴き、ビバリーヒルズ市内のホテルに滞在・宿泊していたところ、同月二三日深夜、客室のバルコニーからその真...
《解 説》
一 本件は、昭和四一年一一月一八日Y社に入社し、平成六年三月一〇日に定年退職したXが、平成六年一月一日から三月一〇日の定年退職の日までの間に合計一二日間の休暇を取得したところ、Yはそのうち四日分は年次有給休暇と認めたが、それを超える部分は欠勤としてそれに見合う賃金を退職時に支給...
《解 説》
一 XらはAの両親であるが、Aは国立愛媛大学の一年生当時、所属していた同大学合気道部の春合宿において、組み手練習中、卒業生で合気道二段のBから「入り身投げ」という技を掛けられて頭部を打撲し、急性硬膜下血腫の傷害を負って死亡するに至った。
Xらは、同大学合気道部では前年にも下級...
《解 説》
一 X(大正四年五月生)の長男A(昭和一一年八月生)は、偽造したXの印鑑を新たに印鑑登録し、その登録証明書を利用してXの土地を無断で売却しようと企て、平成二年一〇月、東松山市役所に赴き、まず、Xの代理人として、Xの住民票の住所を変更したうえ、Xの印鑑登録廃止申請書、印鑑登録証亡...
《解 説》
一 事案の概要
Y5大学生活協同組合は、将来の学生数の減少等に対処するための経営改善策として、ディスカウント形式のスーパーマーケットの経営を目的とする株式会社Aを全額出資して設立し、理事(Y3、Y4)及び従業員(Y1、Y2)をA社に取締役(Y1は代表取締役)として出向させ、そ...
《解 説》
一 いわゆるゼネコンであるA社の株主Xは、A社営業所副所長が自治体発注の下水道工事に絡んで贈賄の有罪判決を受けたことに関して、右贈賄事件のような違法行為がなされないよう従業員を監視する善管注意義務がありながらこれを怠ったとして、代表取締役及び右副所長の上司に当たる取締役であるY...
《解 説》
一 本件は、マスコミ等でも大きく報道されたいわゆる沖縄県知事署名等代行職務執行命令訴訟の最高裁大法廷判決である。
国は、沖縄返還以来、日米両国間において駐留軍用地としてアメリカ合衆国に提供することが合意された沖縄県内の土地を同国に提供してきたが、平成八年三月三一日及び平成九年...
《解 説》
Yは、形成外科・美容外科医院を経営する医師であるが、出版等を業とするXに対し、同医院の宣伝を目的とする出版物の制作供給を依頼した。Xは、当初、四六版図書五〇〇〇冊の制作費を八〇三万円とする見積書をYに提出したが、その後、XとYは、図書を第一巻から第三巻まで各一〇〇〇冊の発行へと...
《解 説》
一 Xは、宝石、貴金属等の輸出入及び販売を業とする会社の代表取締役であるが、平成五年八月二三日午後六時三〇分頃から九時頃までの間に、東京都中野区中野二丁目一一番五号先路上に駐車中のベンツのコンソールボックスに保管してあったX所有に係る時価約二〇〇万円の時計を何者かに盗まれたと主...
《解 説》
一 本件は、郵便貯金の預金名義人の母親(親権者)と祖父との間で預金の真の権利者が誰であるかについて争いのあるケースにおいて、郵便局員が預金名義人の母親に対してした郵便貯金の払渡しが郵便貯金法二六条の「正当の払渡」にあたるか否かが問題となった事案である。
二 郵便貯金法二六条は...
《解 説》
一 本件は、地主Xから長年にわたって土地を賃借していたYが、かねてより更新料や供託地代との差額賃料の支払を求められていたことから、もはやその支払ができないものとして、いったん、Xとの間で、明渡期限までの地代相当損害金等の支払義務の免除を受けることにより、右期日限り土地を明け渡す...
《解 説》
一 本件は、大手消費者金融会社の顧客情報が漏えいされた事件について、金融業者である原告会社X1とその代表者X2が、この大手金融会社の従業員の引き抜きや顧客リストの横流し等に首謀者として関与していること及びこれは右大手金融会社の商権荒らしと消費者金融業界の秩序破壊を企図したもので...
《解 説》
一 本件は、著作物を創作したAの譲渡した著作権の現在の権利者であると主張するXが、右著作物について実名登録をしたYに対し、抹消登録手続を求めた事案である。
二 Yは、本件著作物は、Aが創作したものでなくYが創作したものであると主張したが、裁判所は、Yの主張を排斥し、本件著作物...
《解 説》
一 パリ条約により、意匠登録出願について優先権主張をしようとする者は、その旨並びに最初の出願をした条約の同盟国の国名及び出願の年月日(所定の事項)を記載した書面(主張書面)を出願と同時に提出しなければならず、所定の手続を遵守しなかった場合は優先権の主張は効力を失う(意匠法一五条...
《解 説》
Xは産業廃棄物処理業等を営む会社であるが、平成三年九月から一一月にかけて再三にわたり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(平成三年法律第九五号による改正前のもの。以下「旧法」という。)一五条一項に基づき、H町における産業廃棄物処理施設(最終処分場)設置のY(S県知事)宛届出書を所...
《解 説》
XはYに対して、繊維織物生地を売却する旨の売買契約を締結した。ところが、右売買契約は、Aを中心に、順次A↓X↓Y↓B↓Aと売却される環状取引の一部分であり、目的物の現実の移動がないばかりか、目的物の裏付けのないものであることが判明した。Yが目的物の引渡のないことなどを理由に売買...