《解 説》
Xは弁護士であるが、離婚事件の被告Aの代理人であったときにAが仮差押えを受けた不動産をXの事務員らが代表取締役等を勤める株式会社が購入するため便宜を図ったとして、所属弁護士会Y1の懲戒委員会(当時の委員長Y2)より、右所為は法二八条及び弁護士法一六条に直接該当しないが、これらの...
《解 説》
Xは弁護士であるが、平成六年二月一五日、三名の者から弁護士会に対し懲戒申立てを受けた。綱紀委員会は同年九月五日、Xに対する懲戒を相当とする議決を行い、懲戒委員会の審査に付した。本訴は、Xから弁護士会、右申立て及び議決当時の弁護士会長、綱紀委員、懲戒申立人及びその代理人らを相手に...
《解 説》
Xは、昭和六三年四月から平成元年四月までの間、六回にわたりY証券会社から自己又は子らの名義で投資信託を買い、代金合計六八六万円を支払った。各投資信託は、七ないし八年後に償還期限を迎え、償還された金額は元本を下回った。Xは、投資信託が元本割れする可能性のあることについて説明を受け...
《解 説》
一 本件は、県議会議員選挙において当選した原告の選挙運動における出納責任者が公職選挙法(以下「法」という。)二二一条三項三号の罪により刑に処せられたことにより、放置すると法二五一条の二第一項二号の規定により原告の当選が無効とされ、併せて五年間立候補が禁止されることになるため、原...
競売不動産の利用について公法上の規制が存することが代金納付前に判明した場合の民事執行法 75条の類推適用の可否(積極)
《解 説》
一 Xは、平成二年八月、事務所、ロビー、ショールーム、会議室などとして使用する目的で、Yから、Yの所有する建物の一階部分(以下「本件建物」という。)を、賃貸期間二年、賃料月額四二二万八八〇〇円、保証金三億七〇〇〇万円(契約終了時に二割を控除して返還する。)との約定で賃借し(以下...
《解 説》
一 本件の事実関係の詳細は判文に譲るが、要約すると次のようになる。承継前原告Aが本件不動産を所有していたが、Aの息子であるX2がAに無断でその所有名義をXらに移し、これを譲渡担保として四億円を借り入れた。ところが、貸主から譲渡担保の実態は売買契約であるとして本件不動産の明渡しを...
《解 説》
Xらは第二次世界大戦中に朝鮮半島から女子勤労挺身隊員として募集され(X1・X2)、あるいは徴用により来日し(X3)、Yの工場において労働に従事し、昭和二〇年に帰国した。Xらは、賃金が未払いであると主張してYにその支払を求め、さらに劣悪な環境下で強制労働を命じられ、労働時間以外に...
《解 説》
一 Xは、平成三年一〇月当時、○○電鉄株式会社に勤務していた者であるが、同月三日夜、Xら一家がかつて居住していた県の居宅(以下「本件建物」という。)から火災が発生し、本件建物及び本件建物内の家財が全焼した。
そこで、Xは、本件建物及び本件建物内の家財を目的物として、火災保険等...
《解 説》
一 被告人は、覚せい剤使用の罪で懲役一年六月、三年間執行猶予に処せられ、その猶予期間中に再び同じ罪を犯して起訴されたが、第一審判決は、父親の通報で事件が発覚したことや父親において入院の手はずを整えていることなどを斟酌し、被告人を懲役一年、五年間執行猶予、付保護観察に処した。これ...
《解 説》
Xはホース等のプラスチック製部品を製造販売する会社としてA一族が出資して設立した会社であり、YもA一族がXの製造部門として出資して設立した四会社の一つであって、代表者はいずれもAが兼任していた。Aは、平成七年五月死亡したが、その子Bは同月、Xの常務取締役を辞任し、Yの代表取締役...
《解 説》
一 Yはゴルフ場経営及び建設を業とする会社であり、平成元年ころゴルフ場を建設することを決定し、オープン予定を平成五年秋として会員の募集を開始したが、予定時期にオープンすることができなかった。その後、平成七年六月二八日に工事完成検査を受け、予定より二年遅れの平成七年七月二一日にオ...
《解 説》
一 原告(仙台市の市民団体)が、宮城県の情報公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、平成五年四月から平成六年一一月までの県総務部財政課の食糧費支出に関する一切の資料の開示を請求したところ、被告(県知事)は、食糧費支出伺、支出負担行為兼支出命令決議書、請求書がこれに該当する...
《解 説》
本件は、都心の高度商業地域における土地賃貸借契約期間満了後の使用継続に対する異議について正当事由の存否が争われ、建物収去土地明渡しが求められた事案である。賃借人Yの先代Aは昭和三一年に右土地を賃借し、Aが同三九年に死亡したためYが賃借権を相続し、同五一年に契約期間を平成八年一月...
《解 説》
X(昭和三六年生)は、Y(昭和一〇年生)が離婚した夫との間にもうけた長男である。Yは、離婚後Xを引き取り本件不動産の場所に存在した借家で居住していたが、その立退補償金並びに住宅金融公庫及びYの兄弟からの借入金でマンションの一室及びその敷地権である本件不動産を購入した。なお、本件...
《解 説》
本件は、契約準備段階における信義則上の義務違反に基づく損害賠償責任の有無が問題となった事案である。
本判決で認定された事実関係の概要は次のとおりである。Xは、多額の借入金により保証金及び造作費用等を支払って店舗を賃借し寿司・割烹店を営業していたが、業績が悪化し借入金や賃料の支...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。吹田市西消防署(以下「西署」という。)副署長であった原告は、昭和六一年二月二四日、西署で倒れ病院で受診し、脳梗塞(右麻痺)(以下「本件疾病」という。)と診断されて入院治療を受け、同年三月二六日、「脳梗塞後遺症」と診断された。原告は、本件疾病...