《解 説》
本件は、Yの社員であったAが、入社後約一年五ケ月して自殺したことから、同人の父母であるXらが、Yに対し、AはYから長時間労働を強いられたためにうつ病に陥り、その結果自殺に追い込まれたとして、民法四一五条又は同法七〇九条に基づいて、Aの死亡による損害の賠償を請求した事案である。
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《解 説》
一 本件の原告(上告人)Xらは、Y(JR東日本)の従業員であり、国労の分会に所属する組合員である。Yの高崎運行部で、一〇数名の組合員らが助役二名に団体交渉を求めて押問答となるなどした(以下「本件行為」という。)ところ、Yは、高崎運行部長Z名で、事務室内に無断で立ち入り、再三にわ...
《解 説》
一 本件は、Xが、Aとの間の保証委託契約に基づき、AのBに対する貸金債務を代位弁済し、原債権(Bの貸金債権)及びその抵当権並びに求償権を取得したと主張して、Aの求償債務の連帯保証人Yに対し、その連帯保証債務の履行を求めた事件である。
Xが取得した求償権は、通常であれば、これに...
《解 説》
Xらの主張によれば、X1は何ら警察官の職務執行を妨害するような暴行・脅迫行為は行っていないのに公務執行妨害罪を理由に現行犯逮捕、留置・勾留された、X2は、街宣車を運転し、前方を塞がれたのでやむを得ず右側通行をしたのに、道交法違反で現行犯逮捕、留置され、借りていた街宣車の窓ガラス...
《解 説》
一 本件事案の概要は、次のとおりである。
Y銀行は、Aに対する貸金債権を担保するため、AがZに差し入れていた賃借建物の入居保証金の返還請求権につき質権設定契約を締結し、Zから確定日付ある承諾を得た。右保証金に関しては、AZ間の賃貸借契約書及び賃貸借仲介業者BのAに対する領収証...
《解 説》
一 原告は、請負代金債権を更生債権として届け出たところ、更生会社の債権調査期日において、更生管財人は、右債権の支払のために振り出された手形債権につき所持人から更生債権として届出がありこれを認めたとして異議を述べた。
そこで原告は、手形債権と原因債権は別個の債権であり、支払呈示...
《解 説》
本判決は、特許請求の範囲の文言にそのまま当てはまらないY製造販売の遺伝子組換技術によって産生された蛋白質等が、均等論により特許権侵害に当たるとして製造販売等の差止めを命じた高裁判決である。
Xは、バイオテクノロジーのベンチャー企業のパイオニアとして注目されている会社である。X...
《解 説》
XはYに対しビル四階の二部屋を賃貸したが、賃料の不払いを理由に契約を解除し、部屋の明渡しと未払賃料及び損害金の支払いを求める訴えを提起した(甲事件)。Yは、請求原因を認めたが、AのXに対する貸金債務(元本につきYは五〇〇万円、Xは一〇〇〇万円と主張する)の連帯保証人として弁済し...
《解 説》
本件は、X1(Aを代表者会長代行専務理事とする自由民主党同志会)及びX2(Bを代表者会長代行専務理事とする自由民主党同志会)からそれぞれY銀行に対し、預金七一四一万円余の支払を求めた訴訟である。X1及びX2は同一の法人格のない社団(民訴法四六条)であって、A・B間でその代表権限...
《解 説》
一 X1は、X2会社の代表取締役であるが、平成四年四月、自己の二階の台所において、テレビを冷蔵庫の上に載せようとして椅子に上った際、バランスを崩して転倒し、食卓等で頭部、胸部を打撲して、一二九日間の入院、一三三日間の通院治療を要したと主張し、Y保険会社らに対し、保険契約に基づき...
《解 説》
一 Yは、Aに対し、B所有の建物(以下「本件建物」という。)の所有権を取得することを委任し、Aがその名義で取得した本件建物につき、Aから所有権移転登記を受けるとともに、Xのために抵当権設定登記をし、かつ、Aとの間で、Yを委託者、Aを受託者とする業務委託契約(Yは、Aに対し、本件...
《解 説》
一 Xは、昭和五九年四月から、八王子市立元八王子東小学校の教師として勤務していたものであるが、(一)平成三年一月、都立内中学校の見学に参加した後の懇親会に出席した帰途、同校の校長YからJR西八王子駅付近において無理やり性器をこすり付けるなどの卑猥な行為をされた、(二)平成三年三...
《解 説》
本件は、合名会社に対する債権者であるXが、もと合名会社の社員であったYらに対して会社債務の支払を請求したところ、Yらは、入社契約には錯誤があった等とその責任を争うとともに、仮に責任があっても、二年間が経過したから退社員の責任は消滅したと主張したのに対して、XはYらに錯誤等があっ...
《解 説》
一 Xは、平成三年四月当時、福岡県立豊津高等学校の一年生であったが、同月一六日午後の体育の授業中に、同校グランドにおいて、体育教員Aの指示により整列した直後に、Aから右平手で顔面を四、五回殴打され、さらに再度右平手で顔面を四、五回殴打され、それによって精神的打撃を受けたとして、...
《解 説》
一 Xは、男性用かつらの販売を業とし、大阪、神戸等数箇所に支店を有する会社であり、Yはその従業員であった。YはX代表者と些細なことで口論をしたことが切っかけでXを退職し、独立してかつらの販売業を営むことにしたが、その際、Yはかつて自己が店長を務めていた心斎橋店に保管されている本...
《解 説》
Xは、昭和六二年七月ころ、オウム神仙の会に入会したが、その後身であるY2(オウム真理教)に疑問を抱き、教祖らの指示に従わなかったことから平成二年六月に破門された。Xは、農地、山林及び建物を所有していたが、農地については同年五月一五日贈与を原因として信者Y1名義で条件付所有権移転...
《解 説》
一 Xは、小型携帯用カセットテーププレーヤー等を指定商品として、「WALKMAN」及び「ウオークマン」につき商標登録を受けた著名な電気器具等の製造販売業者であるが、千葉市において「有限会社ウォークマン」の商号を使用して、靴類及びズボン、シャツ、ネクタイ、ソックス等の被服類を製造...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、注文を受けて家屋(以下「本件家屋」という。)を新築した請負人である原告(控訴人)が、注文主が請負代金を支払わないため、新築後六月以内に同家屋を注文主に引き渡さなかったので、被告(被控訴人)県税事務所長が原告に対してした地方税法(以下「法」という。)七三...