《解 説》
一 Xは、長年タクシー会社に勤務してタクシーの乗務員として稼働していた者であるが、昭和五六年五月、自宅において就寝中に胸に激痛を感じ、病院に搬送されたが、急性心筋梗塞と診断され、療養のため労働することができなくなった。
そこで、Xは、昭和六三年一二月、右疾病は業務上の事由によ...
《解 説》
1 事案の概要
判例要旨は、本訴事件の実体法上の判断に関するものであるから、その限度で紹介する。
原告らは、中小企業等協同組合法上の協同組合である被告組合の組合員ないしその相続人であったが、その脱退に当たって、被告組合の定款の定めに従い、持分の全額の支払いを請求した。それに...
《解 説》
一 Xは、平成四年三月、学生用アパートとして利用されていた本件建物を競落により取得し、妻と二人の子供と同居していたが、同年四月、本件建物につき火災し、その後本件建物を取り壊した。
Xは、平成四年三月、Y(保険会社)との間で、本件建物とその家財につき、保険金を六〇六〇万円とする...
建物の真実の所有者と主張する者は,抵当権に基づく物上代位による賃料債権の差押えについて,執行抗告の利益を有しないとされた事例
《解 説》
一 本件は、警備会社であるY1(代表取締役Y2)の従業員A(男性、死亡時六八歳)が、訴外病院における警備業務中、脳梗塞を発症して倒れ、その後死亡したことについて、Aの相続人であるXが、Yらは、Aには高血圧症の基礎疾患があったにもかかわらず、入社以来一度も健康診断を行なわず、かつ...
《解 説》
一 本件は、広島市の新交通システムの橋梁架設工事において橋脚上に仮置きされていた橋げたを橋脚の南端に設置するため、ジャッキによる降下作業を行うに際し、ジャッキ作業に習熟していない作業員らが指導・監督を受けることなく同作業に当たったため、ジャッキ及びジャッキ架台が適切に設置されず...
《解 説》
一 本件は、(イ)管理職らの脱退勧奨、組合否認等の発言、組合員の電話受信の妨害、(ロ)組合員の仕事外し・配転命令、(ハ)組合のアンケート調査の妨害をいずれも支配介入にあたるとし、原告(会社)に対して、右のような方法により、組合の組織運営に支配介入することを禁止し、ポストノーティ...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年四月二八日、出産のため、Yの開設する診療所に入院し、帝王切開により女児を分娩したが、X1の子宮が破裂して胎児がX1の腹腔内に押し出され、酸素供給が断たれたため、無酸素脳症となって重度の脳障害を生じ、昭和六一年一月五日、急性肺炎により死亡するに至った。
そ...
《解 説》
地労委がA労働組合らのX会社を相手方とする不当労働行為救済申立てにつき、救済命令を発した(初審命令)が、X会社の再審査申立てに対して中労委(Y)は、A労働組合が消滅したので、再審査を進める理由がなくなったとして、再審査申立てを却下した(本件命令)。X会社が中労委の本件命令の取消...
《解 説》
一 X1は、平成二年八月三〇日、第三子を出産するため、Yの開設する産婦人科医院に入院したが、分娩に有効な陣痛の発来をみなかったため、分娩誘発剤(オキシトシン製剤)の投与を受けたところ、大量出血したため、総合病院に転院したものの、子宮破裂により子宮を摘出することを余儀なくされ、帝...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教信者らによる殺人等の不法行為(いわゆる松本サリン事件、地下鉄サリン事件、S弁護士殺人事件及びK監禁致死事件)により損害を被ったと主張する債権者ら四五名及びその被害者らやその家族に労働者災害補償等を行った国がオウム真理教に対する破産宣告を求めたところ、第一...
《解 説》
本件は、Yの社員であったAが、入社後約一年五ケ月して自殺したことから、同人の父母であるXらが、Yに対し、AはYから長時間労働を強いられたためにうつ病に陥り、その結果自殺に追い込まれたとして、民法四一五条又は同法七〇九条に基づいて、Aの死亡による損害の賠償を請求した事案である。
...
《解 説》
一 本件の原告(上告人)Xらは、Y(JR東日本)の従業員であり、国労の分会に所属する組合員である。Yの高崎運行部で、一〇数名の組合員らが助役二名に団体交渉を求めて押問答となるなどした(以下「本件行為」という。)ところ、Yは、高崎運行部長Z名で、事務室内に無断で立ち入り、再三にわ...
《解 説》
一 本件は、Xが、Aとの間の保証委託契約に基づき、AのBに対する貸金債務を代位弁済し、原債権(Bの貸金債権)及びその抵当権並びに求償権を取得したと主張して、Aの求償債務の連帯保証人Yに対し、その連帯保証債務の履行を求めた事件である。
Xが取得した求償権は、通常であれば、これに...
《解 説》
Xらの主張によれば、X1は何ら警察官の職務執行を妨害するような暴行・脅迫行為は行っていないのに公務執行妨害罪を理由に現行犯逮捕、留置・勾留された、X2は、街宣車を運転し、前方を塞がれたのでやむを得ず右側通行をしたのに、道交法違反で現行犯逮捕、留置され、借りていた街宣車の窓ガラス...