《解 説》
一 平成元年四月当時、訴外A女とY2男は、ともにY1の設置する「××高校」の事務職員であり、四月一〇日夜、同校事務室内で残業に従事していたものであるが、Aに思慕の情を抱いていたY2は、帰宅の際、Aから軽蔑されたものと思い込んで殺意を抱くに至り、ドライバーでAの心臓部を突き刺すな...
《解 説》
一 本件は、Yの従業員から商品先物取引の勧誘を受けて半年程取引を行った主婦Xが、Yが組織的に違法な勧誘・取引行為をしたと主張して、不法行為を理由に、Yに対し右取引による差損金一〇三〇万六三七七円と弁護士費用の合計一一三三万六三七七円の損害賠償を求めたものである。Xは、Yの具体的...
《解 説》
一 いわゆる戸塚ヨットスクール事件は、家庭内暴力等の情緒障害児に対する更生に関する問題として、社会的耳目を集めたものであるが、戸塚ヨットスクールをめぐる一連の刑事事件は、関係者一五名が傷害致死、監禁致死、傷害等の罪に問われ、全員について有罪判決(名古屋地判昭60・2・18本誌五...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告と被告ら(Y1ないしY7)との間で、被相続人の遺産につき、遺産分割の協議が成立した(一部被告ら所有物件についての交換契約を含む。)として、原告が右履行を求めて所有権移転登記手続請求訴訟を提起したのに対し、被告らが右分割協議の不成立ないし無効を主張し...
《解 説》
地下鉄駅前の至近距離にある住居及び店舗併用型マンションで、店舗部分の区分所有者であるYが、屋上、外壁の一部と敷地について無償の専用使用権を有していたところ、本件マンションの管理組合であるXは、定期総会において、Yの専用使用権の一部を消滅させ、残りの専用使用権について利用料金を支...
《解 説》
少年Xは家裁の試験観察決定を受け、補導委託先としてY2の主宰する会に送られたが、ある日、他の少年らにより二回にわたり、殴る、蹴る等のリンチを受け、言語障害、歩行障害、視力障害、左肩関節運動制限、下肢腱反射亢進の症状を残す重傷を負った。Xは、担当調査官及び裁判官が補導委託先の選定...
《解 説》
X1は、廃棄物の処理を目的とする地方自治法上の一部事務組合であり、X2はその構成団体である町である。X1は、X2の地域内に処分場を設置しているが、昭和五六年一二月、X2との間で基本協定、同五七年七月、その第三自治会との間で公害防止協定(第三協定)及び第二二自治会との間で同旨の協...
《解 説》
一 事案の内容は、医師であった被告人が、妻と結婚したものの、まもなく妻との結婚を後悔し、勤務先の看護婦等との浮気を繰り返したため、浮気を責める妻との間で喧嘩が繰り返されることとなり、被告人も、妻の主婦や母親としての態度等に不満を抱いていたため、その不満を妻にぶつけ、妻は被告人に...
《解 説》
一 Xは、我が国に不法入国した韓国人夫妻の子として我が国で出生した韓国人であって、法務大臣から出入国管理令五〇条に基づき特別在留許可を受け、同令四条一項一六号、特定の在留資格及びその在留期間を定める省令二条三号に基づく在留資格を取得し、その後、出入国管理及び難民認定法(以下「入...
《解 説》
一 事案の概要
大阪府立高校の教諭である原告A及び実習助手である原告Bらは、同高校の平成二年度卒業式当日、同校玄関前のポールに日の丸を掲揚しようとした同校長甲の行為を妨害し、また、平成三年度の入学式当日、右ポールに掲揚された日の丸を引き下ろす等の行為をしたとして、訓告の制裁を...
《解 説》
A所有の不動産について、Xが二番抵当権者、Yが三番抵当権者であったが、二番抵当権と三番抵当権の順位変更の登記がされた。本件は、XがYに対してその抹消登記手続を求めるものである。Yは、抗弁として、XとYによる順位変更の合意(民三七三条二項)を主張し、乙第一号証として「抵当権順位変...
《解 説》
一 本件は、小野市に在住する原告X1(提訴当時小学五年生、現在中学二年生)及び参加原告X2(参加申立て当時小学四年生、現在中学一年生)並びにその両親である参加原告X3X4が、同市立小野中学校の「中学校生徒心得」に、男子生徒の頭髪を丸刈りとする旨の定め、生徒は外出のとき原則として...
《解 説》
一 Xは、東京都内の大学院の博士課程に在学して経済地理の研究をしていた者であり、Y1は、A県立C高校の教諭として勤務するかたわら、A県B市から委嘱を受けて、同市発行予定の書籍「B市史」の地理編の編纂委員及び編集委員をしていた者、Y2は、本件についてY1から委任を受けた弁護士であ...
《解 説》
Xは平成六年三月ころAに二〇〇万円を貸し付け、さらに追加貸付を申し込まれたため、同年四月五日にAから極度額を五〇〇万円とする根抵当権の設定を受け、同月六日に不動産登記簿謄本の交付を受けて抵当物件がA所有であることを確認したうえ四〇〇万円を追加して貸し付け、同日根抵当権設定の仮登...
《解 説》
Xら姉妹は、税理士Y4に亡母の相続税の申告を依頼し、X1が事務員のY5に自身の相続税対策について相談したことから、Y5がX1宅にA保険会社の社員Y3を伴って訪れ、Y3からXらに対し、変額保険の説明と勧誘をした。その結果、XらはA社の変額保険に加入する手続をとろうとしたが、Xらは...
《解 説》
X1は昭和三四年一月、Y県の職員に採用された者、X2は同三三年に臨時職員となり、同三七年一月に正職員となった者であり、いずれも、県職員で構成される労働組合の反主流派に属していた。Xらは、右の反主流派に属していたことを理由に当局から昇任、昇格において不当な差別を受けたと主張し、逸...
《解 説》
本件は、保線作業中列車看視の業務に従事していた者については、接近してくる電車の有無を常に確認して、作業員に電車の接近を知らせて避譲させる義務があるのに、これを怠った過失があり、また、電車運転手については、前方を注視して進路の安全を確認すべき義務があるのに、これを怠った過失があり...