《解 説》
X1・X2夫婦の子(昭和五八年一〇月一二日生)X3は、同六〇年九月二六日、Yの設置する大学附属病院に入院して精密検査を受けたところ、心房中隔欠損、心室中隔小欠損を伴った大血管転位症兼肺動脈弁下狭窄症と診断された。X3は同年一二月三日、心内修復術(心室中隔欠損孔閉鎖と肺動脈弁下狭...
《解 説》
一 原告は、高校入学後米国の民間家庭で寄宿(ホームステイ)しながら現地の公立高校に留学していたが、寄宿先の家族(ホストファミリー)との折り合いが悪く、日常生活や学業に支障が生じた。原告の求めに応じて、寄宿先や高校が変更されたが、状況は改善されなかったため、原告は、留学を断念して...
《解 説》
Xは、Y証券会社との間で、平成元年五月に、分離型の外貨建ワラントの取引を行い、三五八万円余を支払ったが、右ワラントを発行した会社の株価が権利行使価額を下回ったまま権利行使期間を経過したため、右ワラントが無価値となった。Xは、Yの担当社員AがXに対して右ワラントを勧誘する際、分離...
《解 説》
一 Xは、本件当時、いわゆる「ゼネコン疑惑」の渦中にあった有力政治家Aの公設第一秘書の職にあった者であるが、Y1の発行するスポーツ紙上で連載記事を掲載している政治評論家のY2が、(1) Aのゼネコン汚職疑惑に関わりXが東京地検特捜部の取り調べを受けた(本件第一記事)、(2) X...
《解 説》
一 本件は、判文中にも「事案の骨子」として記載されている通り、Xが他でレントゲン検査を受けるに先立ってY医院で妊娠の有無の判定を求め、Yから妊娠していないと診断されたので右検査を受けたのであるが、実は当時妊娠していたことが後日判明したため、レントゲン照射の胎児への悪影響を恐れて...
《解 説》
JR戸塚駅西口付近に土地を所有し又は借地権を有するXら六名は、県知事Y1による市街地再開発事業に関する都市計画決定及び都市施設(道路)に関する都市計画の変更決定、Y2市による地区計画及び市街地開発事業に関する都市計画の各変更決定について、関係地域住民の利害を全く顧慮しない違法な...
《解 説》
一 本件は、原告がハンガリー出身の画家エルミア・ド・ホーリィの制作した絵画三点(本件各絵画)を輸入しようとしたところ、被告が本件各絵画はボナールら著名画家の制作した絵画(本件各原画)の複製物ないし二次的著作物であり、関税定率法(平成六年法律第一一八号による改正前)二一条一項四号...
《解 説》
一 本件は、配偶者の母親を監禁などした尊属監禁罪等で有罪とされた者の控訴審の係属中に、尊属加重規定を削除する平成七年法律第九一号の刑法の一部を改正する法律が施行されたとき、刑訴法三八三条二号の「判決があつた後に刑の変更があつた」場合に当たり、刑の変更が科刑上一罪の処理及び併合罪...
《解 説》
一 Xは、その所有土地を訴外A、Bに対して事業として賃貸していたが、右土地上にマンションを建築して賃貸する計画を立て、昭和五四年三月、Aの借地権を九〇〇万円で、また、Bの借地権とB所有の土地及び建物を九三〇〇万円でそれぞれ買い受けた。そして、Xは、昭和五四年四月、マンション建築...
《解 説》
Yは、平成五年三月、有限会社X1の出資口数三〇〇口のうち六〇口を有する社員であると主張し、X2に対しては取締役解任請求権に基づき、X3に対しては取締役選任決議の不存在確認請求権に基づき、X2及びX3を債務者とする職務執行停止・職務代行者選任仮処分を申し立てたところ、裁判所は仮処...
《解 説》
Yは平成三年一〇月、X(NTT)との間で四本の電話につき電話利用契約を締結したが、同年一二月分ないし同四年一月分から電話料金を滞納したので、同年二月ないし三月から通話停止となり、同年一一月には電話利用契約を解除された。XはYに対し、同年三月ないし四月分からの未払電話利用料金合計...
《解 説》
一 被相続人がその所有する不動産及び動産を全て長男である原告Xに譲る旨の自筆証書遺言を残して死亡したところ、他の相続人の一人である長女AがXに対して右遺言書の無効を主張するとともに、右遺贈について遺留分減殺請求の意思表示をして遺留分相当額の支払を求めた。そこで、Xは、相続人全員...
《解 説》
一 Xらは、平成二年九月から平成三年五月にかけて、建築工事、不動産売買等を業とするYから、それぞれ本件マンションの一室を購入した。Xらの購入価格は、Yが当初設定していた販売価格であったが、Yは、Xらが入居を開始した後である平成三年一〇月ころから、本件マンションの未売却住戸を、当...
《解 説》
一 本件は、阪神・淡路大震災に起因する借地関係の紛争について、罹災都市借地借家臨時処理法(以下、「罹災法」という。)に基づく借地権確認等の決定がされた事例である。事案は、Yから建物を賃借していたX1、X2(ただしX2については後述のような問題がある。)が、右建物が阪神・淡路大震...
《解 説》
一 本件は、被告人が、元暴力団組員の知人から、消費者金融の店舗を襲って現金を強取しようと誘われ、その旨同人と共謀の上、こもごも同店舗責任者らに暴行を加えて現金約一二一万円を強取したが、被告人が同店舗から逃走した直後に共犯者が右責任者をけん銃で射殺したという事案であり、被告人に対...
《解 説》
一 刑法二四七条(平成七年法律第九一号による改正前のもの)にいう「財産上ノ損害」について、通説は、被害者の全体財産の価値が減少することをいい、一方で損害があっても、他方で被害者にこれに対応する反対給付があるときは、「財産上ノ損害」があるとはいえないとしている(木村亀二・刑法各論...
《解 説》
一 本件は、更生会社であるXが課税通達に従って申告納付した法人税について、その後右通達で示された法解釈に誤りがあるとして減額更正がされ、これにより生じた過納金について国税通則法五八条に基づきこれに加算して還付される還付加算金の起算日が争われた事例である。
国税通則法五八条一項...