《解 説》
一 本件被告人は、覚せい剤の譲渡・自己使用のほか、これらの被疑事件につき自己に有利な処分を得るため、同房者のXに対して、被告人に風邪薬だと言って覚せい剤を渡したなどと虚偽の事実を検察官に供述して検察官調書を作成するように依頼し、Xをしてその旨供述させて検察官調書を作成させたとい...
《解 説》
Xらの子AはY市立中学校一年生でサッカー部に所属していた。Aとその同級生三名は、サッカーの練習をするためYが建設した一般公開前の多目的広場に入った。ゴールキーパー役をするつもりのBは広場に置かれていたゴールの位置がダッグアウトに近くて後ろに倒れると危ないと考え、Cにゴールを前に...
《解 説》
一 Xは、銀行店舗において、女子行員Aに紙コップ入りのホットコーヒーを投げつけ火傷を負わせるなどのトラブルを起こしたが、その際のAのXに対する態度を不満として、Aに対する慰謝料請求訴訟を提起した。右訴訟においては、Xの請求を棄却する判決が確定した。Xは、さらに、A及びその上司の...
《解 説》
1 事案の概要
本件は、腰痛捻挫等の症状のある原告に対し、被告が治療のため薬剤(ビタノイリン及びノイロトロピン)を投与したところ、原告がショックを起こし心臓停止に至ったため、他の病院で緊急措置として施行された手術により後遺症を負ったという事案である。
2 本件の要約
本件...
《解 説》
一 本件は、昭和六〇年に東京都町田市の和光大学で発生した内ゲバ事件に関し、逮捕及び逮捕に伴う所持品等の差押えの適法性が争われた事案である。本決定は、被告人の上告を適法な上告理由の主張に当たらないとして斥けたが、準現行犯逮捕と、逮捕に伴う所持品等の差押えの各適法性について、以下の...
《解 説》
一 Xは弁護士であるが、Yから、Yの祖母が死亡したことによる遺産分割事件につき他の共同相続人との交渉等にあたることの依頼を受け、これを受任した。その際、XはYとの間で、着手金を免除する代わりに成功報酬はYが得た経済的利益(不動産の場合は実勢価格による。)の六パーセントとすること...
《解 説》
一 Xは、卸売市場において、生産者の委託を受けて生鮮魚類等の水産物を卸販売することを業とする株式会社であり、Yは、過去にXの代表取締役社長の地位にあったものである。
Xは、Yが在任中、取締役会の設定した資金運用限度額を超える無謀な株式投資を行ったことが、取締役のXに対する善管...
《解 説》
Xは女医であり、Y証券会社との間で公社債投資信託、株式等の取引をしていたが、平成元年七月、A社員からワラントの購入を勧められ、一旦はワラント取引がハイリスクであることを理由に断ったものの、必ずもうかる、利益を保証すると言われたため、ワラントを購入することとなった。Xは最初のワラ...
《解 説》
本件建物について平成五年五月二六日差押登記がなされ、Xは、本件不動産競売事件において買受人となり、同六年九月九日、代金を納付して所有権を取得した。Y2は差押登記後の同五年一二月三〇日ころ本件建物に入居し、占有を開始した。Xは、Y2がその後も占有を継続したため、Y2に対する引渡命...
《解 説》
Yはオランダに本社のある著名なビール会社で、本判決別紙図面(1)の本件商標についてわが国に昭和五五年七月に登録を出願し、同五九年三月設定登録を受けたものである。他方、Xはわが国でビールの販売シェア第三位の会社で、図面(2)の引用商標について昭和五二年八月に登録を出願し、同六一年...
《解 説》
Xは、昭和五三年五月、Aとの間で、証書貸付などに関する継続的信用金庫取引契約を締結し、昭和五九年二月、Aの娘婿であるYとの間で、右継続的取引契約に基づいて発生するAの債務について、Yを連帯保証人とする、保証期間及び保証限度額の定めのない連帯保証契約を締結した。Xは、Aが平成六年...
《解 説》
大正一五年一一月生の男性Xは平成二年七月、Y3銀行(担当者Y4)から九〇〇〇万円を借り受け、Y1保険会社の外務員Y2を介して基本保険金額一億四二三二万円余、保険料八〇〇〇万円の変額保険に加入した。Xは、その後、本件変額保険に係るY1の資産運用実績が悪いことを聞き、同三年四月、変...
《解 説》
本件は交通事故の損害賠償請求の事案で、加害者(控訴人兼附帯被控訴人)が債務不存在確認の訴を提起し、被害者(被控訴人兼附帯控訴人)が反訴として損害賠償請求をなした事案である。
債務不存在確認の本訴請求について、原審は一部認容、一部棄却の判決をなしたが、本件控訴審は、原判決を変更...
《解 説》
本件は、精神薄弱の障害を持つ被告人が、飲酒の上、夜間、次々に放火を繰り返し、そのうち二件について起訴されたという事案である。
弁護人は、被告人が、本件各犯行時、幼児期からの難聴及びこれを主因にした精神薄弱に加え、異常酩酊若しくはこれに近い強度の酩酊のため、是非弁別能力又は行動...
《解 説》
一 Xは、平成二年一〇月、宇都宮市内に「J&Pゴルフクラブジャパン」ゴルフ場を建設予定しているYとの間で、会員入会契約を締結し、入会金五〇〇万円、預託金二〇〇〇万円を支払ったが、右ゴルフ場の開場が当初の開場期限である平成四年一〇月より大幅に遅延し、平成八年秋以降にずれ込むことに...
《解 説》
一 本件の経緯
東京地検検事正及び東京都知事は、宗教法人法(以下「法」という。)八一条一項に基づき、東京地裁にY宗教法人の解散命令の請求をした。その理由とするところは、Yの代表役員Aが、信者多数と共に組織的に、不特定多数の者を殺害する目的で、サリンの生成を企て、もって殺人の予...
《解 説》
本件は、証券会社Yの社員Aが顧客X(代理人として妻B)にワラントの購入を勧誘した際に説明義務を怠ったか否かが争われた事案である。本判決は、AがBに電話でワラントの購入を勧誘した際、ワラントにつき、①株を買う権利であり、予め権利を行使する価格が定められていること、②価格は、株価と...
《解 説》
一 控訴会社(NTT)は国内電気通信事業を主たる業務とする会社であり、被控訴人はその職員であるとともに通信産業労働組合(以下「通信労組」という。)の組合員である。
被控訴人は、平成元年一一月一日から同月二九日まで控訴会社の設置する中央電気通信学園で電話交換機に関する集合訓練(...