《解 説》
Xは、N市内に土地を有する者であるが、平成六年度の固定資産課税台帳の縦覧により右土地の評価額が急増したことを知り、N市固定資産評価審査委員会に登録事項に関する審査を申し出たが(地方税法四三二条)、これを棄却されたので、棄却決定の取消しを求めて提訴した。その理由は、①同年度の固定...
《解 説》
一 本件は、被告国から、父親(元中国残留孤児)が自己の志望によって中国国籍を取得していたため「出生の時に父が日本国民であるとき(旧国籍法二条一号)」に当たらないとして日本国籍取得を認められなかった原告が、父(本件訴え提起時には既に死亡していた)が任意に中国国籍を取得したことはな...
《解 説》
一 原告Xはオートバイによる配達業を目的とする会社であるところ、Xの従業員であった被告Y1及び訴外Aは、Xを退職後、Y1の父親である被告Y2の協力を得て、Y2の経営する訴外会社の一部門として、Xと営業内容を同じくするオートバイによる配達業を開業した。Y1及びAは、開業にあたり、...
《解 説》
Xは、商品取引所取引員であるYとの間で基本委託契約を締結し、三年八か月にわたって商品先物取引を行ったが、主位的に右基本委託契約の錯誤無効、詐欺取消を、予備的に取引終了と取引勘定の効果が帰属しないことを主張して、Yに委託証拠金代用証券として預託していた株式等の返還を求めるとともに...
《解 説》
一 本件の概要は、被告人運転の乗用車が交差点を南入右折した際、交差点西側からほぼ同じ頃に発進したワゴン車に接触しそうになったことから、この車が被告人車の後ろを煽る等して進路前方に割り込むよう交差点内で停車し、降りてきた暴力団員風の男に怒鳴られ自車を蹴られる等されたため、自分や同...
《解 説》
Aは約束手形一〇通を振り出し、X1がそのうち二通(額面合計六〇〇〇万円)、X2がそのうち八通(額面合計九〇〇〇万円)を取得した。Xらが各手形を支払場所Y信用組合E支店に呈示したが、Yは、Aからの依頼に基づき、手形交換所に偽造を理由とする不渡届を提出するとともに、本件全手形につい...
《解 説》
Xは、京都市内に事務所を有する権利能力なき社団であるが、京都市公文書の公開に関する条例に基づき、Y市長に対し、平成四年度上半期の市議会議員の出張費用に関する支出命令書の開示を請求した。Yは、右文書は条例八条七号の事務事業に関する情報であって、公開すると関係当事者間の信頼関係が著...
《解 説》
一 本件の経過は、次のとおりである。
弁護士であるXらは、Aの訴訟代理人として、Aが所有する土地の借地人Yに対し、Yの賃料不払による賃貸借契約を解除したとして、建物収去土地明渡しの訴えを提起した。右訴訟では、Yの賃料不払があったか否かが争点となり、Yは、賃料を先払いしているこ...
《解 説》
一 Yは、福島市において、地方紙「福島民友」を発行している新聞社であるが、昭和六〇年九月一八日紙面に、「大麻に狂った”乱脈“甲野」「女性を口説くエサ」「自宅に大量に隠す」との見出しのもとに、「警視庁特捜本部が、甲野がかなり以前から女性と知り合うきっかけに大麻を使ったり、自宅に大...
《解 説》
一 本件は、「当事者の主張」欄冒頭にも記載がある通り、産婦が出産直後に急死したことにつき、右産婦の相続人である夫X1らが、出産を担当した医師の監視義務違反、救急義務違反を主張して、損害賠償請求に及んだ事案である。
Aは、平成二年一二月一七日、出産のためにY医師が個人で運営する...
《解 説》
一 Xは、平成三年七月、Yに対する貸金債権を被保全債権として、Y所有の本件不動産に対する抵当権実行としての競売の申立てをしたところ、不動産競売開始決定がされて競売手続が開始されたが、Yは、右競売について競売手続停止仮処分命令の申立てをし、平成四年二月、不動産競売手続を停止する旨...
《解 説》
一 事案の概要は、次のとおりである。
原告Xらはいわゆる投資会社であり、コンビニエンスストアを展開する未公開株式会社である被告Y社に出資していた。Y社の株式の大半は、Xら及びY社の代表取締役であるZの所有であった。Xらは、コンビニエンスストア事業の成長と将来の株式公開に期待し...
《解 説》
本件は、会社が、その一部門を分離独立させて別会社を設立し、当該部門の従業員全員を転籍出向させることとしたが、右転籍出向に同意せず、会社の転籍出向命令も拒絶した従業員に対する解雇の効力が争われた事件である。
機械メーカーである会社(被告)は、裁判所から和議認可決定を受け、和議条...
《解 説》
一 本件は、K大学附属女子高校の教諭である被告人が、放課後に教室内で追試験を実施していた際、追試験を受ける必要のなかった生徒Jを廊下に出させようとしているうちに、Jがスカート丈についての校則に違反していることに気づき、スカート丈を直すように注意していたが、Jの廊下に出る際及び廊...
《解 説》
一 A市の教職員の互助会であるB厚生協会は、かつてC組合の組合員でなければ加入できないと定めていたが、C組合の組合活動に批判的な組合員らがC組合を脱退してD組合を結成したので、規約を改正してC組合の組合員でない者にも加入資格を認めたが、加入の意思がある者は未加入期間の会費相当分...
《解 説》
本件は三件の事件から構成される。第一事件は、第一種住居専用地域にある建物の賃貸人Xが賃借人Yに対し、賃貸建物について用途違反等を理由に区長から使用禁止命令が発せられ、履行不能になったと主張し、建物の明渡しと月額一五〇万円の賃料相当損害金の支払を求めた事件(本訴)であり、第二事件...