《解 説》
本件は、土地区画整理法に基づく仮換地指定(借地については仮に権利の目的となるべき宅地の指定)を受けたXらが施行者であるY市を相手に同処分の無効確認又は取消しを求めた訴訟である。Xらが仮換地指定を無効又は違法とする理由は、本件事業計画自体において、同法二条にいう「公共施設の整備改...
《解 説》
衆議院において平成七年六月九日、「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」がされたことは周知の事実である。本件は、第二次世界大戦に父が参加し、戦死したとするXが本件国会決議により耐えがたい精神的苦痛を味わったとして国Yに対し一〇〇万円の慰謝料の支払いを求めた事案である。
本...
《解 説》
一 本件は、運転免許を取得し、責任能力を有する未成年者Y1が、その所有する自動車で交通事故を起こして被害者のXに損害を負わせたため、Xから、Y1及びY1の親権者であるY2に対して損害賠償請求がなされた事案である。
Xは、Y1の運転技術が未熟であること、他人所有の車両を運転して...
《解 説》
本件は、申立人が第一審で平成四年三月一九日恐喝罪により懲役二年の実刑判決を受け、控訴・上告したが、いずれも棄却され、同判決は、平成七年三月一七日確定した(なお、申立人は、平成五年八月二四日の控訴棄却判決当日保釈されている)。そこで、検察官は、申立人に対し、刑執行のための呼出しを...
《解 説》
YとAとの間において、(1)Aが平成二年一一月末日限り本件建物の五室から各入居者を退去させて右五室をYに明け渡す、(2)右の明渡しが遅滞したときは、各室の遅滞一日につき五〇〇〇円の金員を支払うとの内容の裁判上の和解がされた。Aはその後死亡したが、Aの相続に関する準拠法である韓国...
《解 説》
Xらは、Y4との間で平成元年一一月、農地を代金一億二七八〇万円で買い受ける旨契約し、手付金三五〇〇万円を支払った。右売買契約においては、①売主の責任において買主の指定する図面による建築確認を同二年六月末日までに取得すること、②右建築確認を得られない場合、Y4は受領済みの金員を返...
《解 説》
本件は、個人投資家である原告から証券会社である被告に対し、ワラント取引の勧誘及びワラント買付方法が違法であるとして、不法行為、債務不履行及び目論見書不交付(証券取引法一五条二項)に基づく損害賠償を請求した事案である。
Xは、貸しビル業等を営む株式会社の代表取締役であり、複数の...
《解 説》
一 X代表者は、昭和六二年頃から他の証券会社において証券取引を開始し、数百万円から数千万円の単位で現物取引及び信用取引を行っていたものであるが、平成元年七月頃Yの営業担当者から複数の外国ワラント取引を勧められた際、買えば儲かると説明があったため右担当者を信頼し購入したところ、内...
《解 説》
Yは有限会社であり、X及びA、B、Cがその取締役、うちXが代表取締役であったが、Yの定款では社員総会の招集権者を代表取締役と定めていた。Aが代表取締役となっていたA建設株式会社はYの銀行借入金の保証人となっていたところ、Yは返済を滞らせ、A建設は代位弁済を余儀なくされたため、A...
《解 説》
本件は、九州のY2県内に山林を所有し、大阪府に居住するXが、当該山林内にY1町が設置した林道及びY2県が設置したダムの敷地の明渡し、再植樹に要する費用の賠償、土地使用料相当の損害の賠償を求めた事案である。
これに対しYらは、各工事についてXの承諾ないし追認を得たこと、地元の要...
《解 説》
一 本件は、相続人である原告ら(Xら)が、税理士である被告(Y)に対し、Yに相続税の申告手続を依頼した際に物納による申請手続を依頼したにもかかわらず延納の許可申請をされるなど委任の本旨に反する申告手続をされたとして、延納手続に従って相続税を納付するために売却を余儀なくされた土地...
《解 説》
一 Xは、東京都八王子市内において産婦人科医院を開設する医師であり、昭和五六年一二月Y1を履行補助者として警備保障契約を締結していたものであるが、平成二年二月、泥棒が同医院に侵入し、三階居室内の金庫内に保管中の現金七五七万余円を窃取された。
そこで、Xは、盗難当時、Y1が設置...
《解 説》
Yは、北海道において日刊紙を発行している新聞社であるが、通信社等からの配信を受けて、いわゆるロス疑惑殴打事件、銃撃事件等に関する報道を六回にわたりしたところ、犯人とされたXが名誉を毀損されたとしてYに対し順次損害賠償を求めて提訴した(五件併合による請求額の合計一五〇〇万円)。こ...
《解 説》
Xら二名は、Y医療法人の経営する病院に勤務する医師であったが、解雇された。Xらは、右解雇は権利の濫用であるとして、Yに対し雇用契約上の地位の確認及びバックペイの支払いを求めて提訴した。YはXらを解雇した理由として、Xらが同僚の医師Aの治療方法がMRSAの過剰発生の原因であるとし...
《解 説》
Xの夫Aは資本金一〇〇〇万円のY株式会社に雇用されていた。YはB生命保険会社との間で、Aを被保険者、Yを保険金受取人とする死亡保険金三〇〇〇万円の生命保険契約を締結した。YがAの同意の署名捺印を得てB宛に提出した「生命保険契約付保に関する規定」と題する書面には、「この保険金契約...
《解 説》
本件は、曹洞宗の寺院であるX寺(代表役員A)が、檀家であったYらに対し、Yらの墳墓が建立されている墓地について、墓地使用契約が民法上の使用貸借契約であることを前提に、Yらが離檀し、他宗派の典礼で葬儀を行ったことを理由にその墳墓の収去と墓地明渡を求め(主位的請求)、あるいは、Yら...