《解 説》
Xらの子(小一男子)は、平成五年八月、Y市の所有する土地内にあるため池に転落し、約一五分後に救出されたが、翌日死亡した。本件ため池は護岸工事が行われ、これに沿って高さ約一二〇センチメートルのフェンスと金属性の扉が設置されていた。右フェンスの内側の護岸天端は、本件扉付近において幅...
《解 説》
一 本件は、被告人(女性)が共犯者A男・B子から誘われ、飲食店経営者に睡眠薬を飲ませて金品を取るという昏酔強盗の計画に加わり、三名でスナックに入って経営者Vにビールを勧め、B子が睡眠薬をVのグラスに入れて飲ませたものの、Vが眠り込むには至らなかったため、A男が待ち切れずにVに暴...
《解 説》
Xら二名はT町(Y町長)の町民であるが、町議会の総務、文教民生、産業建設の三常任委員会が合同研修として他県に一泊二日の出張をしたことが観光旅行であって、必要性のないものであり、支出手続上も旅費の節から支出すべきなのを委託料の節から支出するなどの違法があったと主張し、支出命令を発...
《解 説》
根抵当権に基づく本件競売の債権者Xは、当該根抵当権を譲り受けてその付記登記を得ていた者である。抵当権設定者は訴外Aである。その付記登記より前に、本件競売の債務者二名(Yら)が、競売土地について所有権を主張し、仮処分債権者となって、競売土地につき処分禁止仮処分があり、その登記がさ...
《解 説》
Yは平成七年四月九日施行された県議会議員一般選挙に立候補して当選した者であるところ、妻A及びYの選挙運動に従事していたBがYに当選を得させる目的で金銭を供与した等の罪(公選法二二一条一項一号違反等)により有罪判決の言渡しを受けた。検察官Xは、同法二五一条の二、同条の三の連座規定...
《解 説》
Y電力会社は、原発の立地環境調査をするため県知事から海域の占有許可を受け、また、X1漁協ら隣接八漁協が設置した共同漁業権管理委員会の同意を得て、流況調査、水温・塩分布調査、水質・底質調査、海生生物調査、深浅調査等を実施している。X1漁協、その正組合員であるX2ら漁民は、右立地環...
《解 説》
Xは昭和五九年四月以降、都内の繁華街にあるビル七階の貸室をYに物産会社の事務所として賃貸したところ、Yはこれを暴力団組事務所として使用を継続した。平成六年一一月には本件貸室のドアに銃弾が三発打ち込まれ、ドア板に貫通した穴が開く事件が発生した。Xは、近所から苦情を受けたので、右の...
《解 説》
一 本件は、太平洋戦争中、日本国海軍の軍属として勤務中戦傷を負った原告が、戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下「援護法」という。)がその一一条二号、一四条一項二号等(以下「国籍条項」という。)及び同法附則二項(以下「戸籍条項」という。)により在日韓国人を同法による援護の対象から除外...
《解 説》
一 出入国管理及び難民認定法(以下「法」という)別表第二の在留資格(「日本人の配偶者等」の在留資格はその中のひとつである)は、特定の活動を行う目的でわが国に在留する外国人に付与される別表第一の在留資格(就労は禁止される―法一九条)とは異なり、一定の「身分若しくは地位を有する者と...
《解 説》
本件は、現住建造物等放火未遂被告事件につき、同罪の実行の着手を認めた一事例である。
上記のような法律問題もさることながら、本件は、事実認定も非常に複雑な事案だったようであり(興味のある向きは併せて検討されたい。)、本判決は、犯行直後の現場の状況や現場に残された物証、さらには被...
《解 説》
一 訴外Aは、平成二年八月当時、山口鋼業株式会社に勤務していたものであるが、同月一七日、同会社で就労中、金属プレス機のローラーに両手をはさまれて両手に圧挫傷の傷害を負ったため、救急車で岐阜大学附属病院に搬送され、直ちに同病院に入院した。
そして、Aは、同日、同病院において、右...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、京都市民である原告が、京都市公文書の公開に関する条例(以下「本件条例」という。)に基づいて、弁護士の報酬に関する公文書の公開請求をしたのに対して、被告がこれを非公開とする決定をしたので、その取消しを求めた抗告訴訟である。原告は、被告に対して「『ポンポン...
《解 説》
一 X1は、昭和五八年一二月、第二子Aを出産するため、Y1の経営する診察所に入院し、分娩誘発剤ないし陣痛促進剤の投与を受けて、Aを出産したが、仮死状態で出生したため、低酸素性虚血性脳症に罹患し、平成四年一月、植物人間の状態のまま、肺炎により死亡するに至った。
そこでX1とAの...
《解 説》
一 Xは、「①野鳥を中心とする自然環境の保護、②野鳥保護思想の普及教育、③野鳥に関する調査研究」を目的として設立された財団法人であるが、月刊誌「宝石」の昭和六三年三月号に掲載された「自然保護の美名の下でおしすすめる『日本野鳥の会』のあこぎな金集め」と題する記事によって名誉を毀損...
《解 説》
一 Xは、平成二年三月、訴外A会社が、土地を買収し同地上の旧建物を取り壊したうえ、建物を建築し、パチンコ店経営等を行う事業計画をたて、右実現のための資金の融資を依頼してきたので、同土地等に抵当権を設定することとしたうえ一〇億円を融資することにした。
そして、その際、A会社は、...
《解 説》
一 Xは、昭和五四年一月、Yに対し、東京都新宿区所在の三階建ビルの一階店舗を賃貸したが、平成元年七月に賃貸借契約の更新を拒絶し、平成二年九月に解約の申入れをするとともに、右ビルは老朽化が甚だしく、取り壊して中層のビルを建築する準備を進めているし、二億円以上の立退料を提供する旨申...