《解 説》
一 原告所有地に史跡指定処分がされたとの官報公告がされているが、本判決は史跡指定処分につき権限を有する文化財保護委員会の決定はされていないと判断した。その理由は判決理由一を参照されたい。公告がありながら、それが権限のある機関の決定に基づかないと認定された例は少ないように思われる...
《解 説》
一 本件事案の概要は、以下のとおりである。
Y保険会社は、訴外Aと平成二年一二月に死亡後遺障害担保特約つき所得補償保険契約を締結したが、右保険契約には、Aが書面で通知することにより、いつでも保険契約を解約することができ、その場合に、Yは、領収済みの保険料からあらかじめ定められ...
《解 説》
一 本件事案は次の通りである。
原告は、「株式会社東北アイチ」の商号で、椅子の製造・販売を業とする株式会社である。これに対し被告は特殊車両等の販売整備を業とする株式会社であり、かつて原告とは別の商号を使用していた。ところが被告の親会社が系列企業の社名統一を決定したことを受け、...
《解 説》
一 Xらの被相続人Aは、昭和六三年七月二一日午後一時四〇分ころ、マムシに右手甲を噛まれ、同日午後一時五八分ころ、Y病院に搬入された。Aは直ちにセファランチンを投与され、入院して経過観察を受けていたが、同日午後五時四五分ころ、担当医師Bは、Aの病状が重症化すると判断し、マムシ抗毒...
《解 説》
一 Xは、小規模の映画を二本監督した経験がある映画監督であり、Y1は映画の企画、製作などを目的とする会社、Y2は映画の製作、ビデオソフトの製作、販売などを目的とする会社である。Xは、自らが脚本を執筆した新たな映画の製作の企画を他の映画製作会社とともに進めていたが、その製作費用六...
《解 説》
X(アメリカ合衆国)は、Y(カリフォルニア州法人)に対し在日アメリカ合衆国大使館の燃料用オイルの補充、燃料タンクの保守点検整備等の業務を委託していたところ、Yの従業員であった日本人Aが燃料タンクから一〇〇回以上にわたり燃料を窃取し、損害を与えたと主張し、三五一万ドル余の損害賠償...
《解 説》
一 本件は、東京地判平6・11・7本誌八七五号一五二頁の事件(別件)と関連する事件である。
原告は、図面1の五一三番三の土地を共有するが、目黒区建築主事は、平成四年二月、図面1の斜線部分のうち図面2の幅三・七五メートルの部分(係争道)が建築基準法(以下「法」という)四二条二項...
《解 説》
Xは、平成六年六月一六日、Yから神戸市東灘区所在のマンションの一室(三階)を保証金一〇〇万円、賃料月額八万円、共益費月額五〇〇〇円、期間二年の約で借り受け、さらに駐車場を保証金七万五〇〇〇円、賃料月額二万円の約で借り受けた。マンションの保証金については、契約終了時に三割を敷引き...
《解 説》
一 Xは、平成六年五月一八日、有効な旅券又は乗員手帳を所持しないまま本邦に入国したことから、同日、旅券不携帯により現行犯逮捕された。これを受けて、入国審査官は、同年七月一九日、Xについて出入国管理及び難民認定法二四条一号に該当するかの審査を行い、同日、Xが有効な旅券又は乗員手帳...
《解 説》
農林水産大臣Yは、植物防疫法七条に基づき、同法施行規則九条、別表一によりアメリカ合衆国(ハワイ諸島を除く)産のりんごの生果実を輸入禁止の対象に指定していたが、平成六年八月二二日付けで施行規則を改正し、その輸入を解禁した。Xらは、日本各地のりんご等の生産農家であるが、右改正は、ア...
《解 説》
一 Xは、平成元年四月から愛知県立佐屋高等学校において社会科教諭として勤務している者であるが、同校では生徒に対して自転車に乗る場合にはヘルメットを着用するよう義務付け、違反生徒に対して自転車の使用禁止、反省文の提出、担任による指導等の措置を実施していることについて、学校教育法一...
《解 説》
一 事実の概要
Xらは亡Aの長男、長女及び三男であり、Yは二男である。Aの遺言書として、その財産全部をYに相続させるなどと記載されている遺言公正証書が存在していることから、Xらは、① 本件遺言当時、Aは遺言能力を欠いていた、② 本件遺言書は、民法九六九条二号ないし四号所定の方...
《解 説》
一 本件訴訟提起に至る経緯
原告は、昭和五九年一二月一〇日、福岡地方検察庁小倉支部に対し、警察官三名について、氏名不詳のまま、特別公務員職権濫用罪(刑法一九四条)及び強要未遂罪(同法二二三条二項、一項)で告訴状を提出した。次に、原告は、同月二七日、福岡地方裁判所小倉支部に対し...
《解 説》
XはAから土地を買い受け、これを四分割し、そのうち三筆上に三棟の建物を建築して駐車スペース付住宅として売り出すことを計画したところ、周辺のいわゆる二項道路の所有者であるYらが自動車の通行に反対したため、地役権、囲繞地通行権、通行の自由権のあることを主張し、自動車通行権の確認を求...
《解 説》
一 A会社は、平成四年一二月二二日、C地方建設局から公共工事を請け負い、B会社が工事完成保証人となった。そして、A会社は、右請負契約につき、公共工事に関する前払金の保証事業等を営むY2会社から前払金保証を得た上、平成五年二月八日、発注者であるC地方建設局から、Y1銀行東陽町支店...