《解 説》
一 本件は、民事合議事件につき、一日で八名の人証を取り調べ、提訴後八月内に判決を言渡した事例であり、合議相当事件の集中審理の事例として新聞紙上に大きく取り上げられたものである(平成七年五月二〇日付け朝日新聞朝刊)。
二 Xは、脳性小児麻痺による体幹機能障害のある三一歳の女性で...
《解 説》
本判決が認定したところによると、事実関係の概要は次のとおりである。
Y1は平成四年一二月三〇日午後二時ころ、三畳間の仏壇に長さ約一〇センチメートル程度の蝋燭二本にマッチで点火して燭台に差し、仏壇に立てて線香を上げ、礼拝した後、夫Aと昼食を取った。その後、Y1は食事の後片付けを...
《解 説》
一 本件は、被告が原告に対し、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」という。)三条に基づき、暴力団指定の処分をしたことに対し、原告から右処分の取消しを求めた事案である。
二 暴対法は、同法一条に規定するように、「暴力団員の行う暴力的要求行為等について必要...
《解 説》
一 平成元年三月二六日、兵庫県姫路市のA蒲鉾会社の一階原料解凍室において、電気温風機の異常過熱に起因するとみられる火災が発生し、右解凍室内全部及び隣接建物の一部が焼失したため、Aは、約二〇〇〇万円の損害を被った。
Xは、A会社との間でA会社を被保険者とする火災保険契約を締結し...
《解 説》
本件は、原動機付自転車と普通乗用自動車が衝突して、原動機付自転車の運転者が右膝関節顆間隆起部骨折等の傷害を負い、その二か月後肺炎によって死亡した件に関し、被害者の相続人が、普通乗用自動車の運転者、その雇用者に対して、死亡に基づく損害賠償を請求した事案である。この件においては、被...
《解 説》
一 原告らは、大阪市及びその周辺でタクシー事業を営んでいるものであり、消費税施行後も運賃を改定していなかったが、消費税が施行されてから二年を経過した平成三年三月になって、消費税(タクシー運賃の三パーセント相当額)を顧客に転嫁するため、消費税相当分の運賃の値上げをすることにし、同...
《解 説》
Y1は小説家であり、小説「名もなき道を」を新聞七紙に連載した後、出版社Y2に単行本の出版を許諾し、既に第八刷を重ねた。本件小説は、大学を卒業後、司法試験を二〇回受けて変死した主人公Aとその恩師らとのかかわりを書いたものであるが、Xら夫婦は本件小説にAの妹夫婦として描かれた人物の...
《解 説》
一 本件は、A会社がB会社に対して有するテレビ番組の製作代金債権をYに対して債権譲渡したところ、A会社はその後破産宣告を受け、同社の破産管財人であるXが、右譲渡を破産法七二条四号により否認し、B会社が債権者不確知を理由として供託した供託金の還付請求権を有することの確認を求めた事...
《解 説》
一 本件は、被告人が被疑者として取調べを受けた際、供述調書署名欄に他人の氏名を記載したうえその名下に自己の左示指で指印したという事案である。起訴状の公訴事実及び第一審判決には、ともに署名偽造の点のほか自己の指印の点も記載されていたが、公訴事実は「もって他人の署名を偽造したもので...
《解 説》
Xは昭和五九年一一月に強盗殺人罪等により逮捕され、同六二年一〇月死刑判決の言い渡しを受け、平成五年七月上告を取り下げ、同判決が確定した者である。Xは、平成元年五月から同五年七月までの間、東京拘置所の旧舎の北三舎の独居房に拘禁されていた。北三舎からは、運動場及び北一舎の房が見通せ...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、外旗大学の日本校に入学したXらが、同校の誘致が当該外国犬学(Y1)と地方公共団体(Y2)との共同事業によるものであり、同校に関するYらの表示説明を信頼して同校に入学したにもかかわらず、その実態が右表示説明と著しく相違するものであったばかりか、遂には同校...
《解 説》
Xら一一名は旧国鉄の職員であったが、旧国鉄の分割・民営化に際し、新会社に採用されなかった。Xらは、新会社の一つであるY東日本旅客鉄道株式会社に対し、主位的に雇用契約上の権利を有することの確認、予備的に慰謝料の支払いを求める訴えを提起した。第一審千葉地判平4・6・25労民集四三巻...
《解 説》
一 昭和五九年二月一五日早朝、大しけのベーリング海上において、Y所有の漁船第一一協和丸(三四九トン)と安洋水産所有の漁船第一五安洋丸(二七九トン)が衝突し、協和丸の船体が傾斜し、浸水して沈没したため、その乗組員二四名中一四名が死亡し、二名が行方不明となって認定死亡とされた。
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《解 説》
Xは、Yに対し、平成三年二月ないし五月分の一般通話によるダイヤル通話料と有料情報サービス(いわゆるダイヤルQ2)利用によるダイヤル通話料(推計による)合計一四万円余を請求した。これに対しYは、ダイヤルQ2サービス利用は、Yの子が利用したものであり、情報料と有料情報サービス利用の...