《解 説》
一 本判決は、生命保険金取得目的で被害者を殺害し、保険金を騙取したといういわゆる上磯沖保険金殺人事件の控訴審判決であり、主犯とされた被告人に対して無罪を言い渡した一審判決(本誌八一八号一二九頁)を破棄したものである。
本件公訴事実の要旨は、被告人が、①共犯者A、B、C、Dと共...
《解 説》
一 遺産分割等の前提問題である特別受益の有無(及び額)の存否の確認訴訟の適否についての最高裁のはじめての判決である。事案は、X及びYらはいずれもAの相続人。Aの遺産分割の調停において、相続人のXは、一部の相続人が特定の不動産を生計の資本として贈与されているから、その価額を持ち戻...
《解 説》
一 平成元年一一月八日夜九時半頃、東京都新宿区歌舞伎町の路上で客を見送っていた飲食店勤務の四〇歳のホステスXにY1の運転する普通乗用自動車がアクセルとブレーキの踏み違えから衝突した。Xは両側肋骨骨折、肺挫傷、脊髄損傷等々の傷害を負い、両下肢機能全廃の後遺障害で、自賠責後遺障害等...
《解 説》
本件事実の概要は、Xらの主張によれば次のとおりである。Xらの祖父であるAは、従来Y1大学の「学園創設者」として広く認められ、Y1大学の学園史でも「学園創設者」として紹介され、大学構内に設置されたAの句碑や胸像にも「学園創設者」との文字が付されてあった。ところが、Y1大学の理事長...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、隣接する分譲別荘地の境界が争いになったものである。第一図の乙地を所有するYは、昭和四八年六月三〇日、斜線部分の中に建物を建て、以後斜線部分を占有してきた。平成四年に至り、甲地を所有するXらは、甲地と乙地の境界は、イとロを結ぶ線であるとしてYを相手に境界...
《解 説》
一 本件は、大手商社の子会社の代表取締役副社長であった被告人がシンナーを乱用して家庭内暴力を繰り返す二四歳の長男を文化包丁で刺殺したという事案である。
二 本判決の認定した事実関係の詳細については直接判文に当たっていただきたいが、その概要は次のとおりである。
被告人は大手商...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、定年により退職した従業員が業績悪化を理由に退職金規定の支給率を引き下げる改訂をなしたことは無効であるとして、この改訂前の支給率に基づいた退職金の支払を求めた事案である。
二 争点
退職金規定の支給率の改訂の有効性にある。この有効性については、改訂の...
《解 説》
一 本件は、集会を開催する目的で市民会館の使用許可の申請をしたXらが、市長から「公の秩序をみだすおそれがある場合」という条例所定の不許可事由があるとして不許可処分を受け、右条例の違憲、違法、不許可処分の違憲、違法を主張して、Y市に対し、国家賠償法による損害賠償を請求した事件であ...
《解 説》
一 株式会社Xと有限会社Aは、名称を「磁気治療器」とする考案について実用新案登録を受ける権利を共有していた。実用新案法九条の準用する特許法三八条は、実用新案登録を受ける権利の共有者は共同でなければ登録出願をすることをできないと規定しており、右両社は右規定に従って共同で実用新案登...
《解 説》
一、X(原告・被申立人・相手方)は、東海銀行の株主であるが、同銀行の代表取締役の地位にあったY(被告・申立人・抗告人)が、回収不能な債権の肩代わりをしたり、回収不能な不正・不法背任融資などを行って、同銀行に一五〇億四七〇〇万円の損害を与えたと主張し、Yに対して、同銀行の右損害を...
《解 説》
一 Xは、証券会社Yに対して、信用取引契約を締結したがYの従業員が説明義務に違反し、違法な取引勧誘行為を行ったほか、無断売買をするなどしてXに損害を与えたと主張して、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求訴訟を提起している。本件は、この訴訟において、XがYを相手方として申し...
《解 説》
一1 タクシー事業及び貸切バス事業を主な営業目的とするY会社は、株主総会において、貸切バス営業の全部を譲渡する旨の決議をした。
Yの株主であるXらは、右総会の招集手続や決議方法に瑕疵があると主張して、右決議の取消しを求めた。
2 一審及び原審は、Xらが主張した決議取消事由の...