《解 説》
Xら二名は、A社の株主であるが、同社の取締役であったYら六名に対し、五五〇億円から最高八八〇億円までの損害賠償をA社に支払うよう求める株主代表訴訟を提起した。Yらは、商法二六七条五項、六項、一〇六条二項により右訴訟の提起は、「悪意ニ出デタルモノ」であると主張し、相当額の担保の供...
《解 説》
X1・X2夫婦、X3、X4の四名は、Yが設置する産業廃棄物の最終処分場について、Xらが飲んでいる簡易水道等からの飲用水に有害物質が混入する可能性があり、また、最終処分場は急斜面であって、崩落の危険性があり(現に操業開始の約四週間後に崩落して、県から操業の中止を命じられたことがあ...
《解 説》
一 判示事項一について
被告人は、情婦のAと共謀して、覚せい剤を共同で所持していたが、被告人については営利目的所持で、Aについては非営利目的所持で、個別に起訴された。右覚せい剤は、被告人が所有し、Aが現実に保管していたものであるが、個別に起訴されたため、被告人に対する事件とA...
《解 説》
本件の事案は、Yの設置するB高校の三年生であるA(身長一七八センチメートル、体重一〇三キログラム)が、平成元年九月、C教諭の水泳授業中、本件プール(水深が最深部で一・一七メートル、最浅部で一・一三メートル、飛び込み台の高さは水面から〇・三九五メートル)に飛び込んだところ、プール...
《解 説》
Xら二五名は、いずれも茨城県内に居住ないし本拠を置き、全国的な塾のフランチャイザーであるYに開設資金として二七〇万円ないし四七〇万円を支払った者であるが、Yの社員によるフランチャイズ契約の勧誘行為が詐欺に当たるとして不法行為により開設資金と同額の損害及び弁護士費用の賠償を求めて...
《解 説》
一 富士宮市の住民であるXが、富士宮市が、富士根畑そう土地改良区(以下「Y1」という。)に対し、平成元年度土地改良事業にかかわる人件費補助として交付した金員の支出に関し、Y1の事務局長Aは、Y1の事業の執行に当たり、①職務専念義務を果たしていない、②Y1の目的に適合しない道路の...
《解 説》
Xは弁護士であるが、A社を原告、Yを被告とする建物の明け渡し等の訴訟事件をYから受任した。同事件はYが希望した立退料を上回る四〇〇〇万円をYが受け取るとの和解が成立して終了した。右和解には明け渡し義務の怠りに対する違約金の定めがあつたので、XはYに早期の明渡しを説得し、Yは立退...
《解 説》
一 本件(①事件)は、ゴルフ会員権を目的とする譲渡担保権者であるXが当該ゴルフ会員権の名義人であり譲渡担保設定者であるYに対して、被担保債務の債務不履行があったとして、右ゴルフ会員権を取得する旨の譲渡担保実行通知をしたことに基づき、右ゴルフ会員権の帰属の確認と、自己及び自己から...
《解 説》
本件は、船舶の売買契約について、買主であるX(一審原告、控訴人)から売主であるY(一審被告、被控訴人)に対し、民法五六一条に基づく解除による原状回復として売買代金と右解除までの利息金の支払請求がなされ、これに対し、YからXに対し売買目的物(船舶)の使用利益返還請求権をもって相殺...
《解 説》
本件は、顆粒球減少症(以下「本症」という。)に罹患して死亡した亡Sの遺族であるXらから、担当医師のY1、Y2を相手に、診療行為上の過失があったとして提訴された医療過誤訴訟の控訴審判決である。
1 事案の概要
亡Sは、風邪症状でY1医師に受診し、各種抗生物質等の投薬、注射を...
《解 説》
一 本件は、その所得税につき青色申告の承認を得ていた個人小売業者が、税務署長(被告)の所得税調査の際に、その所属係官による帳簿書類の提示要請にもかかわらずこれを提示せず、税務調査に協力しなかったとして、被告が右個人小売業者に対して所得税法一五〇条一項一号を根拠になした青色申告承...
《解 説》
一 事業協同組合の組合員である原告は、事業協同組合から土地建物について所有権移転登記(以下「本件登記」という。)を受けたが、その際、登録免許税につき、租税特別措置法(以下「措置法」という。)七八条の三第一項所定の軽減税率の特例の適用があることを知らずに通常の税率を適用した結果、...
《解 説》一 事案
本件は、原告各個人が東京税関長から全税関東京支部の組合員であることを理由に昇任、昇格、昇給において不当な差別を受け、これにより経済的及び精神的損害を被ったとして、国家賠償法により、原告各個人において昭和四〇年四月一日から同四九年三月末日までの係争期間中に生じた損害(総額...
《解 説》
一 Xは、商標「UNDER THE SUN」について、指定商品をレコード等とする商標権を有しているものである。Yは、シンガーソングライターとして有名な井上陽水の歌唱する複数の楽曲を収録したCDのアルバムのタイトルとして、登録商標と同一の文字構成である「UNDER THE SUN...
《解 説》
一 事案の概要等
本判決は、いわゆるロッキード事件丸紅ルートの被告人榎本敏夫、同檜山廣に対する最高裁判所大法廷による上告審判決である。
1 丸紅ルート事件の中心となる事案は、ロッキード社のL一〇一一型機の全日空への売込み活動に当たっていた当時の丸紅の社長であった被告人檜山が...