《解 説》
一 事案の概要
1 本件は、東京都公文書の開示等に関する条例(以下「本条例」という)の中の事業活動情報に関する非開示要件の解釈・適用が争点になった事案である。本条例は、一応あらゆる公文書を開示することを原則としているが、例外的に、開示することにより事業者の競争上又は事業運営上...
《解 説》
一 本件は、かつての妻である乙女の再婚相手である甲男を殺害し、かつ乙女に傷害を負わせたとして起訴された事件である。第一審判決において、甲男に対する殺人については起訴事実どおり有罪とされたが、乙女に対する傷害については、結局同罪で有罪とされたものの、乙女の捜査段階及び原審における...
《解 説》
一 本件は、北海道比布町議会議員であった被告人が、当時同町内に建設の計画があったゴルフ場の建設に関し、関係者から現金三〇〇万円を収受したとして収賄罪に問われた事案である。
本判決は、まず、本件三〇〇万円の現金は被告人の議員としての立場とは関係がなく、専ら建設予定地の地権者らの...
《解 説》
一 卸売市場に通ずる敷地内通路を管理するY1(東京都)は、Y2(警備会社)に右通路を含む本件市場の警備を委託していた。Y2の被用者であるBは、本件事故当時、港湾道路側道の転回路車道から本件市場敷地内への車両等の進入を防止するため、本件市場敷地内通路のうちの車両専用の通行部分(以...
《解 説》
一 本件は、競馬に耽溺した被告人がカードローン等からの借入を繰り返して多額の負債を抱え、一旦は勤務先の銀行に顧客として来店して知り合った被害者から借金をしてこれを清算したものの、その後も懲りることなく競馬を続けて金銭に窮し、再度被害者に金銭の借用を懇願したが拒絶されたことから、...
《解 説》
一 Xは、弁護士Yに対して、別件訴訟(XのAに対する土地所有権確認及び所有権移転登記手続請求訴訟)の提起・追行を委任したところ、一審では勝訴したが、控訴審では敗訴した。そこで、Xは、上告審の訴訟追行もYに委任したが、Yは上告状を提出したものの、上告理由書を所定の提出期間内に提出...
《解 説》
一 信用金庫の支店長代理Bに預金の入金名下に小切手を詐取されたX1、X2が、Bの使用者であるYに損害賠償を請求した事件であり、X1(本人兼X2の代理人)の「重大な過失」の有無が争点となった事件である。
金融ブローカーであるAらのグループの者は、大阪の金融業者であるX1らに、Y...
《解 説》
一 本件は、個人サラ金業者が、真実の所得金額の大部分を脱漏して過少の所得金額を記載した所得税確定申告(白色申告)書を提出していたこと(いわゆる「つまみ申告」)を理由に重加算税の賦課決定を受けたため、右業者の相続人が、国税通則法六八条一項(昭和五九年法律第五号による改正前のもので...
《解 説》
一 本件は、父甲が所有し、友人丙が運転する自動車に同乗中に死亡した子乙の母である原告が、保険会社である被告に対し、自賠法一六条一項に基づき損害賠償額(限度額二五〇〇万円)の支払を請求した事案である。被告とは甲との間に自動車損害賠償保険契約を締結していた。
丙は乙と同じ職場に勤...
《解 説》
一 Xは自動車修理と板金塗装を業とする青色申告者で、民主商工会に所属している。Y所属の調査官Aは、Xの所得の調査に着手したところ、初日は特段の問題もなく推移したものの、それ以後Xは、帳簿書類をAの面前に提示はするものの、民商会員の立会いを要求したり、調査理由の開示を求めるなどし...
《解 説》
一 Xは、自己が共有者となっている土地につき、登記官が地図に準ずる図面及び地積側量図の備付け(以上「本件地図備付け」という)をしたのに対し、これが違法であるとして、Yに対して審査請求をしたが、Yは、本件地図備付けは行政処分でないとして右審査請求を却下する旨の裁決(以下「本件裁決...
《解 説》
一 原告が、被告は原告の夫Aと不貞関係を持ち、このため原告夫婦の婚姻関係が破綻し離婚するに至ったと主張して、被告に対し慰謝料三〇〇万円を請求した(第一事件)。これに対して被告は、右不貞関係を否認し、原告は被告とAが浮気をしたとの噂を近所の主婦らに振りまき、Aは原告の邪推を否定す...
《解 説》
一 XYは、ともに亡Aの相続人であり、他に相続人はいないが、両者はAの生前、「Aが死亡した場合には、その遺産のうちからXは七二〇〇万円を、Yはその残余をそれぞれ分割相続する」との合意をなしていた。そしてAの死後、右合意に基づいて、XがYに対して七二〇〇万円の支払を求めたのが本件...
《解 説》
一 Xは、顧客の荷物をオートバイ等で配達するバイク便の営業等を行っている会社であるところ、Xの内勤者あるいはライダーであったY3ないしY15は、前後二か月半の間に相次いでXを退職し(Y2は他のYらよりしばらく前にXの監査役の職を辞していた)、その間に退職したYらの一部の者は個人...
《解 説》
一 地方税法六〇三条の二第一項二号、同法附則三一条の四の二、同法施行令附則一六条の二の四によれば、同法附則三一条の四に規定する「特別市の区域」内であっても、建築基準法七条三項に規定する検査済証を交付された建物と一体的に利用されている土地の取得に係る特別土地保有税は免除されること...