《解 説》
一 信用金庫の支店長代理Bに預金の入金名下に小切手を詐取されたX1、X2が、Bの使用者であるYに損害賠償を請求した事件であり、X1(本人兼X2の代理人)の「重大な過失」の有無が争点となった事件である。
金融ブローカーであるAらのグループの者は、大阪の金融業者であるX1らに、Y...
《解 説》
一 本件は、個人サラ金業者が、真実の所得金額の大部分を脱漏して過少の所得金額を記載した所得税確定申告(白色申告)書を提出していたこと(いわゆる「つまみ申告」)を理由に重加算税の賦課決定を受けたため、右業者の相続人が、国税通則法六八条一項(昭和五九年法律第五号による改正前のもので...
《解 説》
一 本件は、父甲が所有し、友人丙が運転する自動車に同乗中に死亡した子乙の母である原告が、保険会社である被告に対し、自賠法一六条一項に基づき損害賠償額(限度額二五〇〇万円)の支払を請求した事案である。被告とは甲との間に自動車損害賠償保険契約を締結していた。
丙は乙と同じ職場に勤...
《解 説》
一 Xは自動車修理と板金塗装を業とする青色申告者で、民主商工会に所属している。Y所属の調査官Aは、Xの所得の調査に着手したところ、初日は特段の問題もなく推移したものの、それ以後Xは、帳簿書類をAの面前に提示はするものの、民商会員の立会いを要求したり、調査理由の開示を求めるなどし...
《解 説》
一 Xは、自己が共有者となっている土地につき、登記官が地図に準ずる図面及び地積側量図の備付け(以上「本件地図備付け」という)をしたのに対し、これが違法であるとして、Yに対して審査請求をしたが、Yは、本件地図備付けは行政処分でないとして右審査請求を却下する旨の裁決(以下「本件裁決...
《解 説》
一 原告が、被告は原告の夫Aと不貞関係を持ち、このため原告夫婦の婚姻関係が破綻し離婚するに至ったと主張して、被告に対し慰謝料三〇〇万円を請求した(第一事件)。これに対して被告は、右不貞関係を否認し、原告は被告とAが浮気をしたとの噂を近所の主婦らに振りまき、Aは原告の邪推を否定す...
《解 説》
一 XYは、ともに亡Aの相続人であり、他に相続人はいないが、両者はAの生前、「Aが死亡した場合には、その遺産のうちからXは七二〇〇万円を、Yはその残余をそれぞれ分割相続する」との合意をなしていた。そしてAの死後、右合意に基づいて、XがYに対して七二〇〇万円の支払を求めたのが本件...
《解 説》
一 Xは、顧客の荷物をオートバイ等で配達するバイク便の営業等を行っている会社であるところ、Xの内勤者あるいはライダーであったY3ないしY15は、前後二か月半の間に相次いでXを退職し(Y2は他のYらよりしばらく前にXの監査役の職を辞していた)、その間に退職したYらの一部の者は個人...
《解 説》
一 地方税法六〇三条の二第一項二号、同法附則三一条の四の二、同法施行令附則一六条の二の四によれば、同法附則三一条の四に規定する「特別市の区域」内であっても、建築基準法七条三項に規定する検査済証を交付された建物と一体的に利用されている土地の取得に係る特別土地保有税は免除されること...
《解 説》
一 被告人は、覚せい剤所持で起訴され、第一審においては事実を全面的に認め有罪判決を受けたが、控訴審において弁護人は、「①本件の発端となった職務質問等には重大な違法があり、これに基づき収集された証拠を採用して被告人を有罪とした原判決には訴訟手続の法令違反がある。被告人が原審でこの...
《解 説》
一 本件は、スナック用店舗を賃借してスナックを経営していたXが、賃貸借契約終了に伴い、貸主であるYに対し、保証金(敷金の性質を有する。)の返還を求めた事案である。
本件賃貸借契約においては、その終了の際、保証金から一定額を差し引いて返還する旨の合意(敷引の合意)があり、さらに...
《解 説》
Xはタクシー運転手であるが、Aが運転する乗用車に追突された。しかし、その直後からXとAとの間で事故時にXが乗車していたか否かが争いとなった(Xは時速三ないし五キロメートルで走行していたと主張し、Aはタクシーが停車していたと主張した)。Xは約一か月半入院した後、Y2県の警察にAを...
《解 説》
Xは、昭和五八年三月、Y1に対し、本件土地を堅固な建物の所有目的で賃貸した。なお、本件土地の賃料に関しては、固定資産税の年間税額を三倍した金額の一二分の一を月額とし、Y1が賃料の支払いを三ヶ月分以上遅滞したときは、何ら催告をしないで契約を解除することができるとの特約が付されてい...
《解 説》
一 事案の概要
1 本件は収賄被告事件(贈賄者は自白しており、すでに有罪判決が確定している)の被告人甲と交遊のある本件被告人が、収賄の日時には甲とホルモン店で会った旨のいわゆるアリバイの記載のある日記帳及び手帳を甲の弁護人を通して右収賄被告事件の公判廷に提出し、証人として宣...
《解 説》
一 Y1は、Y2に請け負わせてXらが居住する住宅の近隣に六階建のマンションを建設したところ、Xらは、右マンション建設工事に伴う振動、騒音によって精神的苦痛をうけ、マンション完成後日照阻害によってXらの住環境が著しく悪化したとして、Y1、Y2に対し、民法七〇九条に基づき慰謝料の支...
《解 説》
一 Yは、国土利用計画法二七条の二第一項に基づき、Xが所有する土地を含む区域を監視区域に指定したが、Xは、本件監視区域の指定が要件を欠く違法なものであるとしてその取り消しを求めた。
二 一定の区域を法律の定める区域に指定し(例えば、都市計画法上の地域指定、最判昭57・4・22...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)らの子Aは、昭和六二年四月当時、神奈川県立伊勢原養護学校高等部二年に在学していたが、同月一五日、同校の体育授業の一環として行われた水泳訓練に参加し、学級担任教諭からマンツーマン方式で指導を受けていたところ、頭を水中につけすぎたため、水を吸引して溺死するに至...