《解 説》
一 本件の経過は、次のとおりである。
平成四年七月三日 被告が債務者(国税滞納者)の所有にかかる本件不動産について競売の申立て
同年七月六日 競売手続開始決定
同年九月一六日 原告(高崎税務署長)が本件交付要求書を提出
平成五年一〇月四日 本件不動産の売却
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《解 説》
一 本件は、暴力団員A及び不動産業者Bが、共謀して、知人Cをして、広島法務局から、更地で抵当権の設定されていない土地の登記簿原本を盗み出し、あらかじめ用意したタイプライター及び登記官印を用いて、Aが所有権移転登記を受けた旨原本に虚偽の登記を記入し、右原本を登記簿冊に返還し、Aが...
《解 説》
一 Xの夫Aは、昭和四四年ころから、Yに対し、東京都世田谷区所在の木造二階建店舗共同住宅の一階部分を賃貸してきたが、平成四年八月、右建物から出火した結果、柱、天井、根太、壁面などが炭化、焼損し、柱二本を残して全焼の状態となった。
そこで、Aの相続人であるXは、右建物は火災によ...
《解 説》
一 控訴人は、協定永住許可を受けたいわゆる在日韓国人二世であるが、昭和六〇年二月八日、京都市右京区役所における外国人登録証の引替交付手続の際、外国人登録法(昭和六二年法律第一〇二号による改正前のもの、以下同様)一四条に定められた指紋押なつを拒否した。京都府警察本部の警察官は、昭...
《解 説》
本判決は、遺言者が痴呆老人としてまだ生存中であるのに提起された遺言無効確認の訴えを不適法として却下したものである。
長寿社会への進行とともに、遺言も著しく増加し、最近、痴呆老人の遺言能力が争われる遺言無効確認訴訟の事例が次々に報告されている(太田武男「痴呆老人の公正証書遺言と...
《解 説》
一 本件は、宗教法人であるXがY(東京都)に対し、YがXの寺号と同一の「泉岳寺」という名称を都営地下鉄浅草線の駅名に使用している行為について、不正競争防止法二条一項一号、三条一項(混同惹起行為)、法人の氏名権(名称権)等を根拠に、その差止めを求めた事案である。
Xは、赤穂義士...
《解 説》
一 原告は五階建ビルを平成二年五月に前所有者から買い受けたものであるところ、同ビルの一室は昭和六二年五月に前所有者からA会社に賃貸され、A会社はこれを前所有者の承諾を得て昭和六三年三月にB会社に転貸していた。原告が本件ビルの所有権を取得して二ケ月ほどたった後、Bの使用する一室に...
《解 説》
Xは京都に本店を有し、建築設計を業とする会社であるが、仙台市に本店を有するバス会社Yからホテルの建築企画・設計を依頼され、企画設計案を二回にわたり作成して提出したところ、採用されなかったので、主位的には設計委任契約に基づき、二次的には商法五一二条に基づき、三〇〇〇万円の報酬支払...
《解 説》
一 近時、日本語に通じない外国人の刑事事件が急増するに伴い、捜査段階あるいは公判における通訳の適正が争われる事例が多くなっている。特に、問題は母国語ないし日常使用している言語がいわゆる少数言語の場合で、その場合に関する判例もこれまでいくつか紹介されている(東京高判昭35・12・...
《解 説》
Xの夫Aは昭和三六年七月にT市の事務吏員に採用され、同五八年六月から同市の清掃工場業務係長として現業に携わっていたが、同六一年一月に清掃工場での勤務に加え、勤務時間外に法制執務研修に参加した。Aは同月一二日夜に帰宅し、翌日の研修に備えて予習をしていたところ、頭部に激痛を感じ、足...
《解 説》
即席飲料の製造販売等を業とするYの本社においてマーケティングサービス部に所属していたX1は昭和五八年三月に大阪営業所第一出張所への配転を命じられた。また、購買運輸部包装資材課のタイピストであったX2は同年八月に明石出張所に配転を命じられた。本件は、Xらが右配転命令を不当労働行為...
《解 説》
一 亡訴外人Aは、子(四男)であるX(遺言執行者として第一・第二事件原告、相続人として第一・第二事件被告、第三事件被告)とその妻Y3(第三事件被告)に、Aが生前所有していた土地の一部について、Xに相続させ、あるいはY3に遺贈すること、Xを遺言執行者とする旨の遺言をした。Aの死後...
《解 説》
一 事案の概要は、判決の「事案の概要」欄記載のとおりであるが、これを要約すると、次のとおりである。Xら一〇名(以下、単にXと略称する)は、別紙図面の五一二番三、同番七の宅地、(以下、X土地という)を共有している。Yら二名(以下、単にYと略称する)は、別紙図面の五一三番の三の宅地...
《解 説》
一 Aは、非定型精神病によりY府立精神病院の準開放病棟に入院していた者であるが、同じく入院患者であったBに対し、腹部を十数回踏みつけるなどの暴行を行い、膵挫傷により死亡させた。Bの母(唯一の相続人)であるXは、同病院の医師らには、①Aを閉鎖病棟に入院させる義務、②仮にAを準開放...
《解 説》
一 本件は、未婚の母から、未認知の子の父及びその妻に対して、幼児の引渡しを求める人身保護請求事件である。
被拘束者Zは三歳九月(原審審問終結時。以下同様)の幼女である。その母親である請求者Xは、三五歳の女性である。
拘束者二名のうち、Y1は、いまだに被拘束者Zの認知をしてい...
《解 説》
Aは労災事故で死亡したため、Aの相続人であるY1ないしY3は、Xに対し損害賠償請求訴訟を提起し、同訴訟においてその控訴審判決が確定したが、その主文は、「XはY1に対し一二九八万二二一八円及びこれに対する平成四年一一月二五日から支払済まで年五分の割合による金員を支払え。XはY2、...
《解 説》
一 本件は、大麻所持及び覚せい剤の自己使用の公訴事実に対して、違法な身柄拘束状態を利用した違法収集証拠であるとして証拠物である大麻及び大麻と被告人の尿に対する鑑定書等の証拠能力を否定して無罪を言い渡した事例である。
二 捜査経緯の詳細は判文を参照されたいが、要するに、被告人が...
《解 説》
一 本件は、分娩に関する医療過誤訴訟で、事案の概要は以下のとおりである。
X2は、妊娠のためY病院に通院し、昭和五九年二月二二日、Y病院に入院した。Y病院の医師らは、翌二三日午前一一時一五分から午後二時まで陣痛促進剤を使用して陣痛促進を図ったが、X2は出産に至らず、翌二四日午...