《解 説》
一 本件は、近時目につくようになってきている保険金の不当請求事例である。
動物の剥製等を展示・興行することを主たる業務とする有限会社であるX1は、損保会社Yとの間で、昭63・1・5当時開設していた動物館に展示する剥製・骨格標本・アルコール標本を保険の目的とする火災保険契約を締...
《解 説》
一 本件は、特別縁故者に当たると主張する者の遺言無効確認の訴えの訴えの利益(原告適格)が問題となった事案である。
二 昭和六一年一月に死亡したAは、法定相続人がおらず、いとこであるY1とその妻Y2に対し全財産を遺贈する旨の自筆証書遺言をしていた。本件は、AのいとこでY1の弟で...
《解 説》
一 X(原告・控訴人)は、妻のY(被告・被控訴人)と五年以上別居していることなどにより婚姻関係が破綻しているとして、Yとの離婚を請求したが、一審で敗訴したので、一審判決を不服として控訴し、一審判決を取消したうえ、Yとの離婚と長女の親権者の指定を求めるとともに、XからYへの財産分...
《解 説》
本件は、友人であるAにクレジットカードを貸与してこれを不正に使用されたXが、クレジットカード会社であるYに対し、本件カードの不正使用に基づく代金債務等の不存在確認を求め、他方、YはXに対し、加盟店から譲り受けた右売掛代金債権等の支払を求めた事案である。
本事案においては、①カ...
《解 説》
一 本件は、大手都市銀行である住友銀行の支店長らが、支店の顧客からいわゆる仕手筋への巨額の融資を媒介したことについて、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(「出資法」と略称する)三条違反の罪(以下「本罪」という)に問われた事案であり、当時の住友銀行会長が辞任する引...
《解 説》
一 X1は、昭和五九年四月、日大付属板橋病院において、脊髄動静脈奇形(AVM)と診断され、同年六月、同病院において、脊髄動静脈奇形摘出の手術を受けたが、手術後、歩行不能、両下肢麻痺等の障害が残ったため、妻X2とともに、同病院の開設者であるYに対し、手術の必要性の不存在、手術前の...
《解 説》
1 事実関係の概略は、ポパイの漫画ないし「POPEYE」の文字を含む別紙標章目録記載の被告標章を使用していたYに対し、ポパイ漫画の著作権者の米国法人X1が著作権に基づき、ポパイキャラクター商品のライセンス事業を営んでいる米国法人X2及び日本法人X3が、改正前不正競争防止法一条...
《解 説》
一 Xらの長男A(昭和三四年一〇月生れ)は、昭和五七年二月から、精神分裂病のため、都立甲病院に入院していたが、平成二年二月、同室の精神障害者Bに頸部を締められ、口腔内深部に多量のティッシュペーパーを塊状に挿入されたため、気道閉塞により窒息死するに至った。
そこで、Xらは、同病...
《解 説》
Xら二四五名は、N抵当証券の発行する抵当証券を購入した者であるが、本件抵当証券には、同社からA社(代表者Y)に対して証券発行後に融資したこと、A社から利息や手数料の入金はなく、証書販売代金のみがN抵当証券の唯一の収入であり、いずれ破綻することが当初から予測できたこと、不動産の鑑...
《解 説》
本件の事実経過は、本決定に詳細に認定されているところであるが、これをごく簡単に要約すると次のとおりである。
Y社は、繊維製品の製造販売等を目的とする会社であるが、食堂の経営を営業目的に加え、かに料理店を経営していた。Xらは、右料理店の店員であり、平成五年七月に労働組合を設立し...
《解 説》
一 Xらは、平成二年二月、Xらに対して神戸市中央区所在の木造瓦葺二階建居宅の明渡しを命ずる判決に基づき、執行官Y1により右建物明渡しの執行を受けたが、右建物明渡しの執行の際、執行官Y1とその援助者Y2は、法律上差押禁止財産である衣服、寝具、家具、学習器具等を戸外に搬出したうえ、...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和六三年八月、Y1会社に入社し、自動車運転手兼溶接工として稼働していたが、平成元年三月、同社の社長Y2の指示により、溶接を終えた機械ベースをトラックに積み込む作業に従事中、ベースを支えていた支柱がはずれたため、二枚のベースの間に全身をはさまれ、頭蓋骨骨折等により...
《解 説》
本件は、X1から大学を経営する学校法人Y1に対し、主位的には学長兼理事Y2(後記丙事件被告)を介してY1に二億円を貸したことを理由にその返還を求め、予備的には右Y2を介してY1との間でX1らが大学移転のプランニングを行い、事業費の二パーセントの報酬を得るとの業務委託契約に基づく...
《解 説》
一 本件は、被告人が、一審判決宣告後に控訴を申し立て、更に上訴提起期間経過後に刑訴規則二五四条による跳躍上告を申し立てた事案であり、このような上訴提起期間経過後の跳躍上告申立ての適否が問題となった。
一審が自ら刑訴法三七五条により右跳躍上告申立てを棄却することなく最高裁に記録...
《解 説》
一 Xらの兄Aは、病的な飲酒癖を有し、かつ、肝硬変、糖尿病等の慢性疾患を有するところ、数日間病的に飲酒し続けた結果、吐き気と腹痛を訴えYが開設し院長を務めるO病院において受診し、急性アルコール中毒との診断のもとに入院治療を受けたが死亡した。Aの相続人である母B(同女は、訴訟継続...
《解 説》
一 訴外Aは、昭和三年生れで丸紅関連会社の代表取締役の地位にあったが、Yの設置する成人医学センターにおける胃部X線検査の結果、高度の食道裂孔ヘルニアと診断され、内視鏡検査を受けるよう指示されたため、昭和六二年一二月、同センターで内視鏡検査を受けることになったが、その際投与された...
《解 説》
一 本件は、いわゆる現代型訴訟の一つである環境保護訴訟である。
宮崎市内居住者であるXらは、リゾート施設建設運営に当たる第三セクターYに対して、海岸に面した国有林の一部の土地において、Yが、立木の伐採、樹根の採掘、開墾その他土地の形質を変更する行為をすること、及びゴルフ場の建...
《解 説》
一 Xは、平成三年五月、Yの経営する「永野ゴルフ倶楽部」の平日会員となる旨の会員契約を締結したうえ、Yに対し入会金一五〇万円、預託金六〇〇万円を支払ったが、Yが、オープン後、休業日を金曜日から火曜日に変更したことが会員契約上の債務不履行に該当すると主張し、会員契約を解除したうえ...